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髪なで、耳キス、うなじ攻めで天国にイカせるなんて…遠藤くんはずるいよ♥

 小泉さんのおかげで、中間テストは楽しかった。

 テストが楽しかったなんて初めてだ。

 いままでは、まったく手に負えなかった問題に、しっかりと取っ組み合えるようになった。そして半分以上の問題が、僕のターゲットの中に入ってきていた。

 ちゃんと戦えるって、楽しい。

 これを教えてくれた、小泉のんちゃんに感謝だ。


 そしてもうひとつ変化があった。

 試験明け、陸上部とサッカー部から、僕にスカウトがあった。

 サッカー部のエース・松本に2時間のマラソン勝負で勝ったというウワサは、運動部の間にも伝わっていた。

 でも、サッカー部からの勧誘は、丁重にお断りした。

 もしサッカー部に入って、練習で松本からの殺人タックルを食らった日には、命がいくつあっても足りない。なんせ奴は、Jリーガーになるかもしれないガチなアスリートなのだ。

 でも、陸上部には少し、ほんの少しの魅力を感じていた。

 全国高校駅伝大会、テレビで見たことがある。京都の京都大路の美しい町並みを駆け

抜けながら、選手たちが仲間のために、必死の思いでタスキをつないでいく。

 その姿は、運動オンチの僕の心さえ、揺さぶるものがあった。

 もし自分が、その舞台に立つことができたなら…。

 しかし、僕はすぐに、体育会の世界に飛び込んで行くことはできなかった。

 なんせ、ずっと帰宅部の虚弱体質だったのだから。

 陸上部への返事は、まだ保留してある。


 そうこうしているうちに、中間テストの結果が出た。

 小泉のんちゃんは、校内の24位だ。すばらしい。成績表でいえば、5、4、5、4という感じである。

 で、僕なのだが、ほとんどの教科で平均点を上回っていた。

 今まではほとんど最下位近くをウロウロしていたのだから、とんでもない躍進だ。

 でも、これは小泉のんちゃんに、答えを教えてもらっていたようなものなので、僕の実力ではない。

 校内順位も、学年全員の半分以上の98位までに上がっていた。初めて目にする数字だ。

 掲示板に張り出された順位を見た長野留美さんが、僕に声をかけてきた。

「遠藤くん、すごいね、成績、超アップじゃない」

 留美さんの香りは大人っぽくてセクシーだ。正面から男をそそってくるような匂いで、思わず彼女をガン見せずにはいられなくなってしまう。罪作りな香りだ。

 そして留美さんは僕に体を寄せながら、上向きのぷるんとしたバストを僕の腕に押し付けてつつ、

「どんな勉強したの? 私にも教えてよ〜」

 と甘えるような上目遣いで言う。

 僕はといえば、留美さんの弾力豊かなバストが僕の腕に何度も擦りついてきて、暖かく柔らかい感触が僕の腕に伝わってくるので、その感触に意識が集中してしまっている。

 おまけに留美さんは太ももも僕の脚にぴったりくっつけてくる。すべすべでつるつるな白い肌の感触が気持ちいい。

 だから留美さんの言葉はまったく頭に入ってこない。

 それどころか僕の鼻は留美さんの色っぽい匂いをむさぼるように味わいはじめ、僕の下半身も勝手に反応して、留美さんの太ももに接触したがっている。

 ああ、男って最低だ…。

 留美さんは、そんな僕の様子を感じ取ったように、妖しい微笑みを浮かべて、

「いつならいい?」

 って急に体の向きを半身に変えてきた。はずみで、僕の下半身に、留美さんのプリッとした上向きのヒップが押し当たる。

 お尻の熱く柔らかな感触が僕の熱くなった下半身を直撃する。一瞬、僕自身を包みこんでさするように振動して、そして弾力で跳ね返す。ピチピチのお尻だ。

「うっ」

 僕は一瞬、目を閉じてうめいてしまった。

「遠藤くん、朝から元気だね」

 留美さんが色っぽい笑顔を浮かべて、またお尻を押し付ける。今度はお尻の割れ目で挟み込もうとするように。

 下半身は弾力豊かなヒップの間でスリスリと刺激され、どんどん熱さを増してくる。

 教室の中で、さりげなく、こんなことできるなんて、留美さんって何者?

 と、そのとき、授業始まりのチャイムが鳴った。

「もう、遠藤くん、元気良すぎッ」

 と留美さんは言って、僕の腕をキュッとつねって、いたずらっぽい笑みを浮かべて去っていった。

 ふと、振り返ると、小泉さんが僕と留美さんの様子を冷たい視線で見ていた。

 まずい。

 小泉さんはぷいっとそっぽを向いて、自分の席に戻っていく。

 鼻の下を伸ばしていた報いである。これは大変なことになったかも…。


 昼休み、僕は教室を出た小泉さんの後を追った。

「小泉さん、待って!」

 でも彼女は振り返りもしない。きっと僕の声だとわかっているようだ。

 彼女は、校舎を出て、誰もいない校舎裏へと歩いていく。

「小泉さん、お願い」

 と僕は、彼女の腕をつかんだ。

 強引に振り向かせると、彼女の目は、真っ赤になっている。その瞳には涙が浮かんでいた。

 なぜ泣いているの? などとこんなとき、絶対に聞いてはいけない。

「僕は、小泉さんと一緒がいい」

 僕は小泉さんを静かに抱き寄せた。

 小泉さんは抵抗して、

「やめて」

 と言って僕を押しのけようとする。しかし僕は、

「小泉さんと一緒じゃなきゃ、イヤなんだ」

 と僕は強めに小泉さんを抱きしめる。

 彼女の抵抗が弱々しくなる。小泉さんは僕の背中をつねりながら言う。

「留美ちゃんと楽しかったんでしょ」

 僕はきっぱりと言う。

「小泉さんと一緒じゃないと楽しくなんかない!」

 ちょっと嘘だけど…いいんです! 心は小泉さん一筋、本当です!

 彼女の抵抗は、止まった。

 僕は小泉さんの髪が好きだ。

 小泉さんのツヤツヤでサラサラなきれいな黒髪からは、シャンプーのフローラルないい香りがする。僕はその髪の頭頂部にやさしく触れ、後頭部へそっと撫でていく。彼女は目を閉じる。うっとりとした表情に見える。

 僕は彼女の髪に唇をつける。髪は繊細な触感で、なによりも花の香りがたまらない。僕は彼女の頭のいろいろな場所にキスを移していく。

 小泉さんが両方の腕を、僕の背中にやさしく回してくれる。

 僕の唇は彼女のつむじのあたりに移る。彼女の甘くミルキーな体臭がほんのり感じられる。これもすばらしくいい香りで、僕は体の奥まで思い切り吸い込む。

 僕は髪へのキスを続けながら、指は彼女の髪や頭皮にソフトタッチしつつ、彼女の頭を撫で回す。

「ふぅ…あっ…」

 彼女の唇から甘いため息が漏れる。

 僕は小泉さんの髪だけではなく、耳も好きだ。

 ふだんは髪に隠れているけれど、実はとてもいい形をしていて、色つやも、ほんのりピンク色だ。

 僕は指で彼女の横髪を分けて、その間から彼女の耳を露出させる。

 ふだんは見てないけど、今はハッキリ見える小泉さんの耳、エロチックだ。

 僕は彼女の耳に息をそっと吹きかける。最初は外側から、そして今度は内側。

「あんっ…」

 小泉さんが、なまめかしく反応する。

 僕は小泉さんの耳の外側を、下から上へと優しくねちっこく撫で上げていく。

「あっ…あっ…」

 小泉さんの声が漏れる。

 僕は唇を、小泉さんの耳の内側に、当たるか当たらないかスレスレまで寄せて、

「小泉さん…」

 と、ささやく。そのまま唇もそっと押し当てて、下から上へとなぞっていく。

 小泉さんの背中に回った手が、より強く僕を抱きしめる。

 僕は今度は、小泉さんの耳のキレイな輪郭(りんかく)のラインに合わせて、唇をそっと這わせていく。最後は、かわいい耳たぶを唇でくわえてスリスリと刺激する。

「あんっ…」

 小泉さんが小さな声であえぐ。

 僕は再び、唇を耳の穴のそばまで寄せた。

「のんちゃん…」

 と小泉さんの名前をささやきながら、耳の穴に唇を押し当てる。

 と同時に、どさくさにまぎれて、彼女の耳の穴を、舌先でチロチロとなめ回してしまった。

「あ…ああっ…遠藤くん♥」

 小泉さんが甘ったるい声を上げる。

 僕は小泉さんの首すじに右腕を回して、左側から、彼女の白いうなじに息を吹きかける。

「いやっ…いいっ…」

 小泉さんのかわいいライトピンクの唇から、新鮮な反応が漏れる。

 彼女の首筋からは甘いバニラのような体臭が漂ってくる。たまらなくいい匂いだ。

 僕は彼女のスベスベなうなじに唇を押し当てて、首筋にそってはわせながら、小泉さんの匂いを体の中に吸い込んでいく。

「あああっ…」

 小泉さんをもっと食べたくなった僕は、耳と首を同時に攻めたくなった。

 彼女のかわいい耳を手のひらで包んでさわさわとなで回しながら、中指を耳の穴に入れてソフトに回す。

 と同時に僕はいい香りを放ち始めた彼女の首筋をチロチロと下から上に舐めあげていく。

「いやっ、それ、だめ…」

 僕は容赦しない。ねちっこく指をくねらせ、舌を動かす。

「気持ち良すぎるの、すごいのぉ〜」

 僕の中指は彼女の耳の穴に出たり入ったりを繰り返し、舌はうなじをねちっこくはい回る。

「もう天国にいっちゃう♥」

 小泉さんは身をのけぞらせ、ピクピクとしばらく身を震わせ、やがて動きを止めた。

 しばらく僕は彼女の体を支えながら抱きしめていた。

 5分ほどそのままだっただろうか。

 小泉さんは、僕の顔を見上げた。その目には涙が浮かんでいるが、さっきのような涙ではない。彼女が恥ずかしそうに言う。

「遠藤くんってズルい。こんなテクニック持っているなんて」

 いやいや、テクなんてありません。

 欲求のまま触りまくってしまっただけです…。

 

 小泉さんはさすがにグッタリと疲れてしまったようだ。 

 午後の授業、彼女は珍しく、バレないようにこっそり眠っていた――。

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