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56 - はじめてのふぁんたじー

ブックマーク登録ありがとうございます!

全く推敲していないのでまたあとから変更が加わるかもしれません。

「すいません、通行手形持ってません」


通行手形?

往来手形みたいな?

なんか江戸時代みたいだね。


「んじゃ、身分証は? 州発行のでも市発行のでも」


「ごめんなさい。 それも...」


なんか結構きっちり決まってるみたいだね。

ファンタジー物語とかによくあるような「辺境の村出身なので身分証ありませーん」とか通用しなさそうな感じ。


「身分証も持ってないのか。 それじゃあ出身地は? 戸籍調べるから」


へー。

戸籍ともしっかりあるんだ。

ってそんなこと考えている場合じゃない。

これは結構まずいのでは?


「すみません、この国出身じゃなくて...」


「おいおい...じゃあどこ出身なんだよ。 ビザは?」


えっと...

どーしようっ!


と、そんな時、突然後ろから声がした。


「あれ?どうしたの?(Arla?Ner el ne kiint?)」


「おお、レイチェル。 コイツなんか通行手形も身分証も持ってないみたいで、どうすりゃいいかなって」


声がした方向、後ろを振り向くとそこには...

イケメンっ!


すごく爽やかな好青年が現れた!


▶睨む

 挨拶しながら睨む

 興味を無くす

 そんなことより踊る

 トマトはリコピンたっぷり

 逃げる


睨む!


キッ!


いけめん は みつめかえしてきた!


「ああ、ここにいたのか」


「え」


あんさん、いきなり何言い始めんねん。

頭大丈夫ですか?


混乱した目で見つめているとウィンクで返してきた。

え、この状況何とかしてくれるってこと?


「知り合いか?」


「ああ、昨日一緒に狩りに行ったんだけど途中で(はぐ)れちゃってね、一夜中ずっと探してたんだ」


「なんだ、そうか。 っていうかお前も女遊びはいい加減にしとけよ?」


「そうだぞ。 お前一体何人の女侍らせれば気が済むんだよ」


「うーん、この世界のすべての女の子を侍らせれば気が済むかな」


「ふざけんな」


「...すぞ」


「ははは。 そう殺気立たないで。 これ騎士証ね」


「チッ。 オーケーだ。 通っていいぞ」


「じゃ、行こうか」


「え? あ、はい」


何だコイツ!

もっかい言う。

何だコイツ!


そんな感じで私は街の中に入ることができた。

いや!

そんな感じでは入れていいのか!?

一人が身分証提示すれば他の人も通っていいって感じのシステムなのかな。

それともこのイケメンが特別なだけ?

何か騎士とか言ってたし。

それなりに偉い奴なのかな?


「え、ちょっと訳の分からない事ばっかりで混乱してるんですけど、まず何でこの城の中に入れてくれたんですか? 私が実は逃亡中の犯罪者とかだったらどうするんですか?」


女の子だとどんな奴でも通すの?

それだとこの街の治安不味くない?


「えーっと、そうだね、じゃあ君は逃亡中の犯罪者かな?」


何だよその質問は。


「違います」


誰だってそう答えるに決まっている。

私の問いに答えたまえ!


「じゃあ違うんじゃないかな?」


おい。

それで大丈夫なのか!?

この街の治安それで大丈夫か!?


「可愛いは正義だからね!」


美人軍団用意してこいつを篭絡しちゃえば簡単に堕とせるんじゃない?

この要塞都市。

門番はやる気ないしこいつはふざけきってるし。

大丈夫?

この国。


「ははは。 誰だって助けるわけじゃないよ。 ただ僕は嘘が見抜けるからね。 君は悪い人ではない。 そして困っていた。 助けない理由がどこにあるかな?」


うわー。

こいつめっちゃイケメンだー。

イケメンめ。

よくそんな恥ずかしいセリフが吐けるなー。


と、そんな会話をしながら城塞都市の中の道を歩いていると道端からおばちゃんが近づいて話しかけてきた。


「あらレイちゃん、また女の子と遊んでるの?(Arla, lay, na el ne marel shint figer ley uul?)」


おや、異世界言語ですか。

全く分かんねー。


「おっ、ダイアンさん! 今日も奇麗ですねー」


「まあ、そんなおだててもエルの実くらいしか出ないわよ?」


そういうとおばさんは手に持った籠からカットした後のマンゴーみたいな果物を取り出した。

この街の人達、普段は異世界語使ってんのに相手が日本語使うと途端に日本語に切り替えてくんのね。

まあ私としてはありがたいけど。


「やったありがと!」


随分無邪気に喜びますねー。


「って、それよりレイちゃんもそろそろいいお婿さん見つけないと。 私みたいに年食ってからじゃおそいのよ?」


ん?

お婿さん?

お嫁さんの聞き間違いかな?


「いやぁ、僕はかわいい女の子と遊んでいる方が楽しいですよ」


「またそんなこと言って」


「それに僕みたいな人と結婚してくれる人なんていないでしょ」


「いやぁ、レイちゃんは髪伸ばして女の子用のお洋服着ればすっごく可愛くなると思うな」


えーっと?

ちょっとまってね?

なうろーでぃんぐ。

つまり...


「もしかして貴方って女性ですか?」


いやめっちゃイケメンだしそんな感じには全然見えないけどもしかして。

そう聞くとイケメン?はポリポリと頭をかきながら...


「それよく言われるんだよねー。 まあそう振舞ってるからなんだけど」


と言った。


えっ。

本当に?

本当に!?

こんなイケメンなのに!?

金髪で超爽やかなイケメンなのに!?

さっきまで好感度メータ1とか2とかだったのにいきなり500くらいになったよ?

ナンパイケメンからかっこいいお姉さんにクラスチェンジした。

いや、お姉さんなのか?


「じゃあ、私はこれから行くところあるから」


そういうとおばさんは手を振って歩いて行った。


「はい。 ダイアンさんさようなら」


結局あの人は世間話をしただけかい。




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