55 - イセカイジン?異世界人!
エルメ語適当につくったものなので後でまたちょくちょく変更が加わるかもしれません。
というよりこの話自体も変更が加わるかもしれません。
目の前に映るのは巨大な建築物。
以前見た城跡よりもはるかに大きい。
そして奇麗。
城跡の方も神秘的で奇麗だったけれどこちらは清潔感あふれる美しさ。
ようやく異世界の人に会える。
その希望を胸にし、この建造物を眺める。
門と思われるものは閉じていた。
朝だからね。
白いレンガでできた巨大な壁に金属で補強された木製の門がある。
ここが開いたらどうしようか。
日本語は通じるかな。
異世界だから通じないかな。
何て声を掛けよう。
怪しまれないかな。
そんな思考がすっと続いた。
いつ来るか分からない門が開かれるその瞬間まで。
◇
ガツン!
最初はそんな金属音だった。
ガラガラガラガラガラという音が後に続きゆっくりと門が上に上がっていった。
門が開いていくたびに期待は大きくなる。
何せ初めての異世界人との交流だから。
ゆっくり、ゆっくりと門が上がっていく。
私の気持ちもあるからだろうか特に時間が長く感じた。
そして門が完全に開ききった時、ついに中から人が出てきたのだ。
「Owr! Wer el ne supril. Ner na el ne stube ad spuferil!? Stube ne molthion,wer ni deck palket el hyterul ad tojn.」
いやそんな謎言語喋られても。
いや、でも人間が喋っているだけでなんか感動するな―。
「えーっと、ニーハオ?」
「Wo? Nar sperul le ne ade? 」
うーん?
「え、ちょっと世界観が分からないんだけど」
「おいおい、エルメ語が分からないなら最初っからそう言ってくれよ。 一人でしゃべってた俺がバカみたいだろ?」
ふぁ!?
訳が分からないんですけど!?
日本語喋れるんで!?
「どうしたんだ? 鳩が豆鉄砲を食ったような顔して。 俺の顔に何かついてるか?」
いや!
今は初めての異世界人との交流!
気を確かに持たないと!
目の前には髭が特徴的なダンディーおじさん。
声も結構良い。
なんかバーのマスターとかしてそう。
「あ、おはようございます。 私は大丈夫ですよ」
営業スマイルっ!
農家は農作業はもちろん営業、販売も自分の所でやったりするからこういうのには慣れている。
「まあいいや、そんでエルメ語分からないんだろ? さっきはちょっと待ってろって言ったんだ。 俺一人じゃ通行人の対応はできないからな」
「あ、はい」
そういうと門の奥に消えていった。
エルメ語というもの自体そもそも聞いたことないよ。
っていうか日本語通じてるのおかしくない?
聞く限りさっきこの人が喋った言葉は地球上には存在していなかったはず。
いや私は言語学者でも何でもないけれど。
まあ異世界なんだから全く違う言語が存在してもおかしくはない。
っていうか違わないとおかしい。
だからこの日本語が通じているって自体がそもそもおかしいんだけど。
いやもっと言えば何で異世界に地球と変わらない容姿の人類がいるのかとか――――――
でもそこらへんは思考しても意味が無い気がするな―。
だって異世界ってそういうもんらしいし。
パラレルワールドとかっていう可能性も?
まあそれは後々わかっていく事かな?
...分かっていくよね?
しばらく待っていると奥からさっきの人が戻ってきた。
もう一人普通のおじさんを連れて。
なんだろう。
寿司屋の職人さんみたいな人。
何か随分とダルそうですね。
「Nar dyucon ne figer sierra?」
「いやそんなん知らねえよ。開拓者なんじゃねえの? っていうか何で第一声がそれなんだよ。仕事しろ。仕事。あ、あとこいつエルメ語使えないらしいぞ」
「わざわざこっちから来ることもないだろうに。仕事すんのめんどくせ。あー、んじゃ取り敢えず通行手形か何か見せてくんねぇかな?」
「か何か」って、適当過ぎない?
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