54 - 閑話 ハッピーバレンタインそのに!
遅くなってしまいごめんなさい。
ケーキ一回失敗してしまいそのせいで遅れてしまいました(言い訳)
「さて、できたのはええけどめっちゃ量がおおなってもうたな」
冷蔵庫で冷やしとったチョコケーキを取り出して言う。
一人で食べるにはちょい多すぎる気も。
まあ私一人で食べられへんこともあらへんのやけど。
うちの胃袋はほんまブラックホールやねん。
なんぼ食べてもすぐに消える。
お肉にもならずほんまに忽然と消える。
まあ修羅の国出身ならこれが基本ステータスやけどなぁ。
さて、いつからか始まった謎の関西弁ごっこにも疲れてきたころ合い。
麻衣姉にでも分けてやるか。
元はと言えば麻衣姉が貰ってきたチョコなんだし。
「まいねー」
「どした」
いきなり私の背中側から現れる。
うおっ!
びっくりした!
え?
何でそんなところから出てくるの?
ここキッチンで一本道なんだけど。
いつ私の後ろに回った!?
料理中ここには誰もいなかったはず!
「おー。 美味しそーだねー」
「食べる? ハイかイエスかウィで答えて」
訳:食え
「ヤー」
「おっけー」
ケーキを皿に出して机に置く。
仕上げにパパっとココアをかけて。
あ、そういえばこれ純ココアじゃなかった。
ま、普通のココアでいいか。
普通のココアだと一瞬で空気中やケーキ中の水分を吸収して溶けてしまうけど今すぐ食べるのなら問題ないと思う。
ケーキ作りにも使ったけどケーキの材料として使うのなら何の問題もないし。
まあそもそも普通のココアって水に溶けるように開発されているからね。
どれだけよく水に溶けることができるかにすべてを捧げているココアだから。
包丁で八分割する。
二つのケーキを縦に積んだのですごく切りにくいが気合で切る。
「はあっ!」
丁度いい具合に切ることが出来たら...
いや、全然切れねーな―。
断面がボロボロする。
しかも二太刀目以降はそもそも切ることすらできない。
ケーキが陥没する―。
「一回切ったら包丁拭くといいよ」
「はーい」
あれか。
日本刀は使い捨てだったみたいな。
一回切ると刃に脂が付いて切りにくくなるって。
「うーん、汚い」
ダメダメだ。
折角キレイにチョコを塗ったというのに。
「大丈夫大丈夫。 味には全く影響ないから」
まあそうか。
「美味しければなんでもいいのだー」
「「いっただっきまーす」」
(作者はチョコをすべてケーキに入れてしまいました)
(こちらのケーキは違うレシピのケーキなのですが載せときます)
はむ
うん。
「うまー」
使ってるチョコがいいからだね。
途中から「何で私テンパリングなんてめんどいことやっているんだろう。自分で食べるんだからどうでもいいよね」とか思ってたけど。
香りはチョコの匂いが特に強い。
バニラエッセンス入れたんだけど全くその匂いを感じない。
結構入れたんだけどな―。
まあでもおいしいのでいい。
ケーキの下の方はなんかもちもちしている。
外郎みたいな食感。
これはこれで美味しいけれどこれはケーキではないかな?
原因は恐らくベーキングパウダーが足りなかったのかな?
上の方はちゃんと美味しい。
「美味しいよ」
「ありがとう」
でも有り難いよ。
麻衣姉といると心がかなり温まる。
他の兄弟姉妹は目が合うだけで舌打ちしてくるから。
そして始まる喧嘩。
あんたらポ〇モントレーナーかって感じ。
あ、でもそれは負けて帰ってきた時の話でたまに勝って帰ってくるとご機嫌になる。
まあ大体は負けて帰ってくるんだけど。
そん時はあんまり顔を合わせたくない。
幸い家も私有地もアホみたいに広いので顔を合わせることなんてほとんどないけど。
高校生にもなって「ツリーハウス秘密基地だー」とか言っているバカは私だけだろう。
ある日森の中くまさんと出会う事もたまにあるし。
だが熊より兄弟姉妹たちの方が怖いのだから仕方がない。
麻衣姉?
麻衣姉は喧嘩は売られない。
長男が麻衣姉の頭を殴って前腕骨幹部骨折したのは誰の記憶にも残っているだろう。
ちなみに麻衣姉は殴られたことにも気づいていないようだった。
「ん? 何かしたか?」が本当にあるなんて...
それにしてもこのケーキ甘いな。
一瞬でお腹いっぱいになってしまう。
おかしい。
私のお腹はこんなに狭くはなかったなずだがなー。
あー。
甘ったるいからかー。
コーティングのチョコが。
「ごちそうさまでした」
普通のチョコの四倍の量のチョコを二枚だから普通のチョコ換算だと四枚分。
そりゃ甘ったるくなるね。
チョコ多すぎ。
+現在の資金 58400円+
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