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53 - 閑話 ハッピーバレンタインそのいち!

色々と遅れてごめんなさい!

ストックが完全に切れてしまって遅れました!

そしてバレンタインの話なのに一週間遅れてしまったこともお詫びします!

取り敢えずこの話はきのう思い立って書いたので色々と雑です。

主人公がまだ地球にいたときの話ですね。

ソファに寝そべりながらダラダラと本を読む。

私の高校は今入試やってるから休みなのだ。

せっかくの休みを無駄にしている気がしてならないが他にやるようなこともないのでこうやってゴロゴロしている。


「ねえ、これあげる」


声をかけてきたのは私の姉。

森園麻衣である。

姉妹兄弟の中でも珍しく話が通じる人間。


「ん? 何これ」

「もう潰れてなくなった店のポイントカード」

「ごみを寄越すなよ」


あ、ごめん。

間違えた。

こいつも話通じなかったよ。


「んじゃこの壊れたモーターいる?」

「麻衣姉はもうちょっと有意義なものを持っていないの?」


何だね。

麻衣姉のポケットはゴミ箱か何かか?


「有意義なもの...あ、じゃあこれあげる」

「これは?」

「チョコレート」


そうですね。

確かにこれはどこからどう見てもチョコレートだよね。

ビターとミルクが一枚ずつ。

でもそうじゃなくてね?


「いや、それは見ればわかるんだけど。 そうじゃなくてこれどうしたの?」

「何かね、配ってる人がいた」


ふーん。

それだと何も解らないんですが?


「え、なんで?」

「ん? 今日が何の日か知らない?」

「んー?」


今日...?

二月十四日がどうかした?

なんかあったっけ?


「チョコを渡す日」

「ああ! バレンタインか」

「んじゃ。 そういうことで」


行ってしまった。

この壊れたモーターはどうすればいいのだろうか。


「あー。 それにしてもバレンタインかー。 チョコでも作るか」


読んでいた本をソファの上に置いてキッチンに向かう。

姉からもらったチョコレートを袋から取り出し。


「とりゃっ!」


ダンッ!


包丁を叩きつける!

バイオレンスクッキング!

何という事でしょう!

あんなにつやつやとしていたチョコレートが粉々に。

おっかしーなー。

なんでだろーなー。

あ、包丁の背で叩いてた。

まいいいか。

んで粉々になったチョコをボウルに入れて...


「あれー? この次どうするんだったっけ」


最後にチョコを作ったのが小学生という遥か昔のことなのでもうチョコの作り方なんて忘れてしまったよ。


「んー。 とかせばいいんでしょ?」


なんか湯煎とかやった記憶がある。

耐熱のガラスボウルにお湯を入れてー。


「九十度ですねー。 確かこれじゃあ温度が高すぎるんだっけ」


氷を入れて調整する。

何度が良いんだっけ。

っていうか温度は結構ややこしかった気が。

50度に何分ー、常温で何分ー、その後60度で何分ーといったように。

もう全く覚えていないのでねー。

うっし。

これくらいでいいかなー。

そしたらチョコを投入。

一枚200グラムくらいだったからこれで400グラム。

いや、もうちょっと多いかな?

包装紙を見る。

あ、250グラムでした。

分厚いもんね。

大きいし。

なんか海外のいいやつっぽい。

国産のだと一枚50グラムくらいしかないから。

真ん中凹ませて量を減らしてる。

んじゃこれは500グラムか。

ん?

じゃあこれってもしかして「配ってた」ではなく麻衣姉に「あげた」のでは?

...という事でね。

この人は残念でした。

ごしゅーしょーさまです。

はい。

ビターは私には苦すぎるし、かといってミルクはちょっと甘すぎてすぐ嫌になる。

ヘラで混ぜながら次の工程を考えるよー。

次どうするんだったっけ。

何も分からずに料理始めるもんじゃないな。

小学生の頃の私ってなにしたっけ。

確かテンパリングとかそんな感じのことをしたような。

まあ今は私がテンパリングですが。

そういえばテンパるって麻雀の用語が語源なんだってね。

知らないで普通に使ってた。

と、話を戻して。

何か40度とかまで一度上げてその次二十...何度だったけなー。

25とか26とかその辺りまで温度を下げるとかだった気が。


「そろそろ温まったんじゃねー?」


温度計刺しまーす。

ぐさ。


「んー。 39度。 ま、いんじゃね?」


そしたら今度は冷水につけて温度を下げていきまーす。

そして再び始まる混ぜ混ぜタイム。

う、腕が痛くなるぜ!

あれ?

そういえば...


「ここら辺の棚になんか自動で混ぜてくれる奴があったような気が...」


えーっとね。


「これだー!」


獲ったどーのポーズをしてこの...なんか...アレを掲げる!

何だっけこれ。


「デスクトップ家庭用電気エッグビーター? 覚えられるかそんな名前っ!」


ふんっ!

贅沢な名だね!

今日からお前の名は自動まぜまぜ機だ!

いいかい、自動まぜまぜ機だよ!

ホイッパーとはまた違うんやな―。

ま、ええか。

ほんなら自動まぜまぜ機...これでも長いな。

まぜまぜでええや。

このまぜまぜのボウル部分を外して冷水入れてー。

まぜまぜのボウルの中に更にチョコレートの入ったボウルを入れてー。

セットしてスイッチオン!

ほんまはこうやって使うんちゃうんやろうな―。

うちは怠惰のプロやさかいな。

うち、料理は好きやけどこんな知識的孤島におるせいですべてが自己流やさかい。

出来たら何でもええねん!

出来たら!


ギュイーン!


「オイ、ちょい待たんかい。 早すぎや」

速度設定は...

できた。

これでゆっくりになったん?

再びスイッチオン!


まーぜまーぜ


よしっと。

これで勝手に混ぜてくれることやろう。

チョコの温度が二十うんにゃら度になったら止めよ。

あれ?

何でうちは今テンパリングしてるんやろう。

やばい。

うちの無計画さがばれてまう。

いや、まあ今までさんざん晒してきたんやけど。

ま、ええか。

別にしたさかいってなんか悪いことあるわけでもあらへん。

さて。

チョコは温めたけどこの後どないすんか全く考えてへん。

型に入れてこのまま固めるか。

せやけどこれ誰かにあげるわけちゃうさかいなー。

自分で食べるために作ってるんやし。

せやのにただ型に入れて固めただけってのはなんか...

せやったら普通に板チョコばりばり食べてる。

そやさかいやっぱなんかもっと加工したい。

完全に無計画だったな―。

うーん。

チョコレートケーキでも作るか。

そうと決めたらケーキ生地の準備を始めよ。

まずは小麦粉。

こら薄力粉です。

ケーキを作るならこれ。


「ここから待ちの時間やでー。生地を作る準備をしたけど今度はこれ捏ねなあかんさかいこの混ぜ混ぜが必要やねん」


それでしばらく待ってー。

チョコの温度が26度くらいになったらもっかい温めるで。

ここがほんまにじゃまくさかった記憶があるんやんなー。

なんか一度に温めたらあかんで少し温めたらお湯から離して混ぜて―少し温めたらお湯から離して混ぜて―の繰り返し。

まあ頑張っていくかー。



「で、でけた...」


ようやく30度。

肉体的な疲労も精神的な疲労も大きい。

いやまあ料理はこういう物やさかい慣れてるけど。

そしたらこの温度でこのまま保っとくで。

薄力粉と塩、上白糖にふくらし粉を投入。

まぜまぜのこのわしゃわしゃを外して下のボウルをなんか...勾玉みたいな形をしたものが付いたやつに変えるで!

今度は下のこの勾玉みたいなやつが回るんやで。

これ一つでさっきみたいなまぜまぜもできるしニーダーとしても使える。

これほんまありがたいなあ。


スイッチオン!


まぜまぜ


あ、しもた。

回転速度遅うしたままだった。

今回は早うてええでー。


ギュイーン!


粉が散るさかいふたをするでー。


ぱこ


ほんなら次の工程の準備をするで。

まずはー


牛乳、キャノーラ油、バター、卵、バニラエッセンスを用意。

牛乳はできったらノンホモ牛乳がええかなー。

まあうちは搾りたて生ですけど。

それ混ぜてできた生地に入れる。

一緒にチョコも混ぜる。

全部は入れへん。

折角あんなめんどいことしたっちゅうのに全部混ぜてもうたら何に意味ものうなってまう。

100グラム残して400グラムを投入。

折角奇麗なチョコ作ったんやさかい少しはコーティングとして使お。

ほんならもっかい混ぜる。


ギュイーン!


余熱で170度。


ほんでー。

生地ができたでー!

ほんなら型に入れてー。

焼きまーす。

生地の量が多いさかい二回に分けて焼くでー。

レシピの二倍なんでねー。

170度のー、一時間っ!


ブウゥン


待ちます。



焼けたかなー?

オープン!てれてれってれー!

おー!

ええにおい!

いろもええなあ。

そしたら保温してた残りのチョコ掛けてー。

完成でーす!




+現在の資金 58400円+

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