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5 - 最初の畑

間違っている知識などがございましたら教えていただけると幸いです。


(この話も設定語りの細かい事ばかりなので適当に読み飛ばしてもらっても大丈夫です)

訳のわからないトンデモ小麦に驚くのはこの辺にしといて、土作りの話に戻ろう。

と、土作りの戻る前にこの成長速度を見てとあることが思い付いたのでそれをちゃちゃっと行う。

何をしているかは内緒。

そんな大層な事では無いけれどね。

さっきの狩りと合わせて思いついたんだ。

後で分かるから。


土の酸性度に合わせて入れる石灰を決めるのでまずは土のpHを調べる。

と言う事で土壌酸度計を購入。


土壌酸度計 2000円


ぐさ


「えーっと、どれどれ? 7.2?」


んー。

石灰いらないねー。

というより逆にアルカリ性過ぎるかなー。

小麦の育成に丁度いいpHは6.0〜6.8辺りなのだ。

土を酸性にするためにピートモスを購入。


未調整ピートモス8000リットル 100000円


どれくらいの量混ぜればいいか割合を調べるために一部の土に少しずつ混ぜていってpHを測っていく。


まーぜまーぜ。


7.0


まーぜまーぜ。


6.7


うーん、6.4辺りにしたいな。

もうちょっと。


まーぜまーぜ。


6.5


うん。

こんなものでいいかな。

目分量で他の土も同じような割合になるようにピートモスを撒いていく。


「よし。 これでいいかな。 あとはカルシウムの供給のために石灰を混ぜたいけど折角酸性度を丁度良くしたのにまたアルカリ性にしちゃったらしょうがないから硝酸カルシウムでも使うかなー」


この事について、私は全くの素人であるから自分のやっている事に確信が持てないのだ。

日本では土が酸性過ぎて困る事はあってもアルカリ性過ぎて困るなんてことはまずあり得ないから。

消石灰や苦土石灰を撒きすぎたとかならありえるけれど、うちは有機石灰使ってたからそんなことは起こらなかった。

だから農業について、少なくともただの素人よりは知識のある私でもこれは手探りになってしまう。

私は有機石灰は使ったことあるが硝酸カルシウムは使ったことがないのでどのくらい畑に撒けばいいかわからない。

収穫追い込みに使うところもあるそうだけど私の所では使っていなかった。

有機石灰はゆっくりと効果を発揮していくが硝酸カルシウムはそうでないらしく水に溶けやすくて即効性があるらしい。

なので有機石灰のつもりで撒いてしまうとあっという間にカルシウム過多になって、植物のミネラル吸収を妨げてしまう。


だから使わなくても良いかなーって思ったんだけど、さっきの小麦の異常な成長速度を見てやっぱり無いといけないかなって思った。

というか別に即効性があっても良いのではないだろうか。

逆に効くのが遅い有機石灰などではこの小麦の成長速度に間に合わなくて意味がなくなってしまうのでは?

そう思うとこの小麦の育成に硝酸カルシウムは非常に相性がいい、というより必須と言ったほうがいいのではないだろうかとも考えられる。

この小麦自体が即効性だから。


石灰は0.033ヘクタールあたり10〜20kgが目安だから間を取って15kgとして、この畑だと170kgくらいかな?


それを地道に手で撒いていく。


ばさぁー


ばさぁー


ばさぁー


......

....

..


終わった。

次は堆肥だ。

本来は堆肥や肥料を撒くのは石灰を撒いた後だいたい二週間から一ヶ月ほど開けないといけない。

これは石灰中のアルカリ性が肥料や堆肥の窒素成分と反応してアンモニアガスが発生してしまうためである。

何故アンモニアガスが発生してしまうのが悪い事なのか。

それはまずせっかくの窒素成分がアンモニアガスになって無くなってしまうというのとアンモニアガスが作物の生育を妨げるという2つの理由があるからなのだ。

だけどそれはアルカリ性が強い消石灰や生石灰、苦土石灰などの話。

アルカリ性の弱い有機石灰や中性の硝酸カルシウムなら撒いた直後に堆肥や肥料を撒いてもいいのだ。

まだ畜産も始めていないのに堆肥散布機を買うような事はしない。

だから面倒だけどこれも手で撒くことになる。

堆肥を購入!


完熟堆肥10000kg 100万円


しようと思ったけど高い......

十分土はフカフカだからいっか!

うん。

多分大丈夫!

きっと大丈夫!

そうか......

堆肥ってこんなに高いのか......

いつもうちの牛のを使ってたから。


「という訳で堆肥を飛ばして肥料を購入!」


科成肥料500kg 16万円


堆肥と桁が一つ違う......

必要な量が違うっていうのもあるけど。


有り難いのは単純な質量が少ないので楽に撒けるということだね!

考えてくれればすぐにわかると思う。

一町をそのまま半分に割って半町。

長い辺だと100メートル。

小学校の頃とかよくやっていた50メートル走の距離の二倍。

凄ぉーくなっがいよ?

この距離をしゃがんで草取りしろとか言われたらもう気絶しちゃうね。

実は堆肥を買わなかった理由はここにもある。

散布機もなしに中腰でこんな距離堆肥を撒いていくのは地獄だからね。

だけど肥料の方はお散歩気分で簡単に撒けるから楽だよ。

石灰も楽だったね。

ゆったりと歩きながら手で化成肥料を撒いていく。


ばさっ


ばさっ


......

....

..



さて、それらが撒けたら混ぜ込んで行こう!


プラウをトラクターと連結させる。

ある程度トラクターを近付けたら接続!

普通に往復しながらプラウをかけていく


真っ直ーぐ。

真っ直ーぐ。

私は几帳面っていうか潔癖っていうか、とにかく綺麗なのが良いのだ。

ズレないように真っ直ぐ畑を作っていく。


がー


がー


あっ、ずれた。

ちっ。

どうにかごまかす。

タイヤ痕が結構残っているがもう気にしない。


がー


がー


......

....

..


でけたー!


奇麗な長方形にできた!

タイヤ痕で中は汚いけど。

でも大丈夫!

これからロータリーで奇麗に均していくから!

アタッチメントをロータリーに切り替えて。

プラウで深く起こした畑をロータリーで砕土する。


がー


がー


がー


がー


......

....

..


完了!

今度は特に問題はなかった。

失敗してもやり直せばいいだけだし。

タイヤ幅よりロータリーの幅のほうがおおきいため幾らやってもタイヤ痕は残らない。

そして......


おー。

土がすごいさらっさらしてる!

たいらですごくキレイだし。


そしてここからはシーダーの仕事です!

いずれトウモロコシも植えたいからプランターも買うけどさっきも言ったように取り敢えずシーダーで十分。

収穫周期の短さに負けて触れられていなかったけど肥料散布してすぐに播種できるってのも相当な驚きポイントだよ。

普通は一週間から二週間ほど土を馴染ませないと播種できない。

収穫周期の短さや土を馴染ませる必要がないということから思いっきり「さっさと農業やれや!」って空気が伝わってくる。

まあ説明文にも思いっきり早く収穫しろって書いてあるし。

これもう定期的に野菜が出てくる魔法の袋とかをそこらへんの人に渡しちゃったほうが早くない?

まあいいか。

こうやって私が得しているんだし。

私からは何も言う事はないか。



そんなことは置いといてシーダーを購入!


シーダー150万円


「あ、そういえば今って何の季節なんだろう」


さっき小麦の成長速度に驚き過ぎてさらっと秋蒔き小麦というところを流してしまった。

ここがこの星のどの位置にあるかによって季節の周期は大きくずれてくる。


それにそもそも今がなんの季節なのか分からないからどうしようもない。


「でもあの光が農業しろって今この場所に私を放り込んだんだから今が種植えに丁度いい季節って考えてもいいかな?」


でも、もしあの光が「種蒔きの季節っつったら春だから春に送ってやろ」って春に送ってくれているとしても秋蒔き小麦を蒔いちゃったら意味ないし。


まあいいでしょ。

駄目だったらそのときはそのときで。

また考えればいい。


「小麦をとうにゅーう!」


ザラザラザラザラザラザラ


「トラクターと連結させてー」


畑の前まで持ってきたらシーダーを地面に下ろして。


「スイッチオン!」



種を蒔くだけなので音はしない。

後ろを向くと......


「おぉ! 蒔いてる蒔いてる!」


蒔くと同時に土を被せてくれるので楽だ。


「よしよしよし! すごい綺麗に蒔けてるよ!」


畑の上に縞が出来ていく。

これを見ているといつも思うんだけどさ。


「なんか枯山水みたいだよねー」


作った畑が小さいので一つ一つの作業が結構早く進む。


「おー。 ぴったり真っ直ぐになってる!」


いいねいいね!

さらにリッジマーカーを使う事によって寸分の狂いなく等間隔に種を蒔ける。


「ふふふっ。 完璧じゃない?」


あー。

でも切り返しが本当に面倒だー。

でも仕方が無いかー。


「っていうかそもそも農業自体面倒臭いんだから」


でも......


「そののんびりした雰囲気が好きなんだよねー」



+現在の資金 9696100円+

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