37 - 焚火
誤字報告ありがとうございます!
私は徐にファーミングのショップ画面を開いてー。
「てってれー! ブルーシート!」
ブルーシート グリーン 1.8×2.7 500円
後ろに(青くない)って但し書きが付くけどね!
青くないからブルーシートって呼び方じゃいけないかな。
なんて呼べばいいんだろう。
緑色だからグリーンシート?
いやまあそれでもブルーシートだろうけれど。
って、そんなことはどうでもよくて。
まあどうでももいい話を始めたのは私なんだけれどね。
シートをバサッと地面に広げて...
次に取り出すのはー。
「テント!」
ソロテント 10000円
芋虫みたいに丸まっているからこの状態だとよく分からないけど。
コンパクトにしまうためのカバーの中からずるずるとテント本体を引っ張り出す。
じゃらじゃらっと音を立てて骨組みが落ちる。
私はその落ちたポールを拾い上げ...
「はあっ!」
伸ばすっ!
このポールは折り畳めるようになっているのだ。
だからポールの先っぽをどんどん上に上げていって真っ直ぐにする。
言葉で表現するの難しいなー。
あの伸ばすと折れ曲がって縮めると真っ直ぐになる機構。
なんて言うんだろう。
カシャカシャカシャってなるやつ。
軸が可変式になっているアレ。
アレを上に向けて伸ばすことにより重力で勝手に真っ直ぐになるという!
でもあんまり長いとバランスが崩れ支えられなくなって危ないので推奨はできないがね!
私の言いたいことわかるかな?
ごめんね?
語彙力なくて。
まあテントのポールによくある機構っていえばいいかな。
あーゆーやつ。
と、そんな風にキャンプの本を片手にテントの設営をしていく。
蚊帳を取り出して―。
蚊帳の穴にポールを通して―。
アーチ状の二本のポールを交差させてー。
蚊帳の各部分をクリップで止めていって―。
そうしたらもうテントの形ができてきた。
その上になんか「フライシート」とかいうシートをかける。
そのフライシートとか言うやつと蚊帳をカチッとサイドリリースバックルでくっつける。
くっつけたらペグを取り出して―...
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!
そこらの石でペグを地面に埋め込む!
キャンプの本には「これをペグダウンと呼びます」とか書いてあるけど私にとってそんなことはどうでもよいのだー!
私が欲しているのはテント設営の仕方であってそんなお洒落な横文字が知りたいのではない!
で、えーっとなになに?
「ポールで前室部分のキャノピーを跳ね上げていきます」だって。
キャノピーの所のチャックを開いて。
ポールでキャノピーの先端部分をつっかえさせて地面に刺し固定する。
あとそれになんかよく分からないけど本に書いてある通り先っぽにペグの付いた別の紐でポールをさらに固定する。
キャノピーの下に折り畳みいすを設置して...
「おおー! なんかすごくキャンプっぽい!」
いや、紛う方なきキャンプなんだけどね。
「さて、今から移動していては日が暮れてしまうという理由でテントの設営を始めたけれどまだまだ夕食の時間も遠いし...」
どーしよ。
あ、でもこれがキャンプの本来の過ごし方なのか。
特に何かするという訳じゃない。
ざっざっざっざっざっざ
そこら辺を歩きながら落ちている枝とかを拾っていく。
焚火をしてみたいんだ!
まだ秋だっていうのに気が早い木もいることで完全に落葉してしまっているものもある。
あとついでにそこらの山菜とかも取っておく。
キャンプの本には松ぼっくりで着火することもできますとか書いてあるけれど松ぼっくりなんか全然ないよ?
仕方がないのでそこら辺の葉っぱとかも集めてくる。
なんか火が着きやすそうだから。
ピュ――――――!
ヒユヒユヒユヒユヒユヒユ
チッチチチチチチチチチチチチチチチチ
はい。
いつもお馴染み鳥の声です。
自然とこれは切り離せないね。
凄い癒される。
とそんなところで腕に抱えている木の枝がそろそろあふれてきそうになっているのでテントの前まで戻る。
はっぱを積んでいって。
チャッカマンで火をつける。
カチッ
カチッ
なかなか火が着かないなー。
色が抜けていて乾燥していそうなのを選んだんだけどねー。
あ、着いた。
ボッ!
すかさず細い枝を上に積んでいく。
手で扇いで空気を送る。
その上にどんどんと太い枝とかも置いていって。
「あったかー」
焚火が出来ました。
ここ川辺だから直に焚いてもいいでしょ。
「おーおー、すすがまうねー」
何だろう。
焚火を見ているとなんか思い出すな―。
あ。
初詣だ。
正月になるといつも山の上にある神社に行くのだ。
一人で。
ぼ、ボッチじゃないんだからね!
ただ正月は皆バイトしているから。
まあそのうちの一人は巫女のバイトやってるから正月にいつも会うんだけど。
なんでわざわざお正月にバイトするんだろう。
いくら給料が高いからって言っても私は嫌だけどなー。
やっぱりお正月は家電量販店の特売チラシを眺めながらコタツでぬくぬくするのが一番いい。
お笑い番組つけっぱなしにしながらね。
冬はつとめてとはまさにその通りだね。
昔も今も季節の情景というのは変わらないらしい。
だってね。
思い出を探ると夏の夜蛍飛び交う中川辺で花火した記憶とか秋に山で栗を取ったりした記憶とか春の朝に神社に散歩しに行ったりとかそんな事しかないからね。
あー。
でも冬って夜も印象的だよねー。
友達と昼過ぎに焼肉に行ってさ。
その後おやつの時間くらいにカラオケにみんなで向かって。
で日が暮れたら居酒屋とかいっておでん食べて。
そして深夜2時とか3時とかににファミレスへ。
24時間営業良いね!
帰ってくる頃にはもう4時。
親はもう搾乳を始めていた。
姉貴や兄貴たちは私と同じように朝帰りで遊びに行っている。
うちはねー。
手伝いをさせられているっていっても完全に強制なわけじゃなかったからねー。
働かざるもの食うべからずってだけで。
だから手伝いしないとその日のご飯はもらえない。
それじゃあもうほとんど強制しているようなものだけどね。
でもクリスマスとか正月とかそういう日は貯め込んだバイトの給料とかで遊んで食べるのだ。
それがクリスマス辺りの私の思い出。
んで話し戻すけどお正月はいつも朝早くお賽銭箱の前に行列ができるの。
神社の真ん中に大きな焚火がいつもあってね。
お焚き上げっていうんだっけ。
まあ冬の早朝だからみんなそれで暖を取るわけよ。
肌乾燥するけどね。
甘酒飲みながら。
この甘酒が熱くてね。
まあそんなのを思い出した。
ばちっ!
あ、火の粉散った。
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