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32 - 鳥狩り

ドォ――――――ン!


あー。

全然当たってないなー。


ドォ――――――ン!


やっぱり無謀かなー。


はい。

こんにちは。

今何をやっているかって?

狩りです。

でも今までの狩りとは違う。

相手は...


「空にいるんだよねー」


ぜんっぜん当たらない!

空飛んでいる鳥に向かってライフルで撃ち落とそうとするのなんて無謀だけれど。

でもしょうがないじゃん!

ガチョウ肉食べたくなっちゃったんだもん!

今狙っているのはガチョウじゃなくて雁だけれど。

でもガチョウは雁を家畜化したものだから同じかー。

やっぱりバードショットガンとルアーを買ってきちんと仕留めた方がいいのかなー。

でも一時的な食欲にそこまでしたくはない。

全身が灰色で首から上を黒く染めている雁は悠々と空を飛んでいる。

食べたい...


何匹か狩って銃代チャラにすればいけるんじゃない?

うーん。

ショットガンは一番安いボルトアクションの物で20万円。

鳥一匹いくらか知らないけれどまあいくらか狩ればいけるかな。

彼らは何も悪くないのだけれど私のお腹のためだ。

許してくれ。

私の中では確かに罪のない動物を狩ることに対して抵抗を持っている。

だけれど食欲の方が上なのだ!

勿論それゆえ娯楽のために狩ったりはしない。

うーん。

実はこの一週間、何の成果も得られていないって言ったよね?

もう麦も結構育ってきてそろそろ収穫できるっていうのにまだこの世界の人間と会えていない。

あの光が作物は私の元にある限り腐ることはないって言っていたけど別にため込むこともないし。

え?

ただ早く異世界料理食べたいだけなんじゃないかって?

ち、違うよ!

別に、ただそろそろ異世界人探さないとなーって?

早くこの世界の人間を見つけて小麦売りたいんだよ!

てことで車に乗ってもっと広範囲の探索をしていた。

取り敢えず車で行くことのできる東側に。

山脈が西にあるので平原側だね。

だけれどどこまで行っても人の気配はしなかった。

この前の城みたいに人工物すらも見当たらなかったし。

ということで平原側はそろそろ諦めて本格的に山脈の向こう側を目指そうと思っている。

今まで山脈の方に向かったことはあったけれど端っこの方だけだった。

中心部は凄く険しいので敬遠していたの。

それに車で行けないからあまり広範囲の探索はできないし。

なので身一つで山脈を越えられるようにショットガン買っておいた方がいいかなーって。

もちろん食料は持っていくけれど車で行くわけじゃないんだからそこまで多くの食料を持っていけるわけじゃないでしょ?

だからある程度は現地調達になる。

で、大きなものを持っていけないって言っているのに山羊とか狩っちゃったらダメでしょ?

だから鳥を狩れるようになっておくっていうのは大事だと思うんだ。

勿論大量の小麦を抱えて山を越え商売をするわけにはいかない。

だからもっと安全かつ簡単に向こうへ行ける道も探さなければ。

東の方に異世界の人々がいてくれたら楽だったんだけどな―。

まあ山脈の向こうにも人がいるって確証はないわけだけれど。

でも東側にいなかったんだから西に行くしかない。

もっと北と南も探索するべきかなー。

でも北と南だってそれなりに調べたよ。

それなりに。

でも南には川があって車では越えられなかったし北は森で同じく車で行くことができなかった。

だから東に行くということであるのだー。

んで何とかライフルで鳥を狩ることできないかなーって思ったんだけれどもどうやら私の腕では不可能なようなので素直にショットガンを買おう。


アーガバス06ホワイト20G 200000円


これも例によって一番安いのである。

他のはもう十万円か二十万円ほど高いからね。

20ゲージだって。

弾もそれに合ったのを買う。

たしか20ゲージよりも12ゲージの方が威力強いんだったっけ。

でも威力は求めていないんだよね。

バードショット弾ならどっちでも同じでしょ。


20ゲージバードショット弾20発入り 800円

オープンドットサイト Red point 28000円



購入ー。

おー。

このショットガンきれーだねー。

白色の洗礼されたデザイン。

輝く真っ白なストックに金の装飾が入っている。

鑑賞用かなって思ってしまうほど。

早速弾をショットガンに装填する。

ドットサイトをショットガンに着けて...


鳥狩りだー!


「って準備が整うといなくなるんだよねー」


さっきまでガアガア言いながら飛んでいた雁の群れはもういない。


「まあ気長に行きますかー」


ざっざっざっざっざっざ


狩りしているといつも眠くなってくるんだよねー。

自然音を聞いているとねー。

特に鳥の声は。


ちゅんちゅんちゅんちゅん

ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ


あ、この鳴いている鳥たちも狩ることができるのか。

どこかの木とかに留まっているはずだからそれを撃てばいい。

でも見つけるの難しいなー。

木の葉の陰に隠れてしまっていて見つけることができない。


グワァーグワァーグワァー


お!

雁の群れだ!

一、二、三、四...


七匹かな?

でも高度が高い。

二桁くらいの高度なら射程圏内なんだけれども三桁まで行くと多分当たらない。


「降りてきてー」


ここは平原。

私は鳥の鳴き声が聞こえてからすぐに地面に伏せた。

周りの草の背が高かったり木がかぶさってたりで見つかりにくいところを選んだんだけれど。

雁たちは植物の種子や葉とかを食べるからここみたいな野原に降りてきても不思議ではない...と思う...

いつも通りに異世界の生物の生態なんて知らないので。


「あー。 行っちゃったー」


と鳴きながら私の上空を通り過ぎていった。

うーん。グワァーグワァーグワァー

ルアー買うべきかなー。

値段見てみよ。

えーっと?


ハンティング用雁ルアー四つセット 1000円


おお。

思ったより結構安いじゃん。

万かかるかと思っていた。

これならいくつか買っちゃおうかな。

丁度さっき見た群れが七匹だったからこれを二つ買って八匹くらいでいいかな。

あ、でもこれ山脈に持っていくにはちょっと大きいかな。

...ま、いいか!


てことで購入―。


ハンティング用雁ルアー四つセット 1000円×2


そこらへんに特に何も考えずに置いておいて。


ぐさ


ぐさ


ぐさ


......

....

..


なんとなく法則なさそうに置けたら再び雁が来るまで風下で待っている。

まあそんなに早くは来ないと思うけど。

しばらく横になって待っていようか。

前世の私だったらこんな地面に長いこと伏せていたりなんてできなかった。

虫が嫌いだからね。

でもなんかこの世界虫いないし思いっきり草の上に寝転がれる。

あー。

太陽の光が気持ちいいなー。

あったかー。


グワァーグワァーグワァー


ん?

もう来た?


「降りてきてー」


あー。

そのまま通り過ぎて行ってしまう。

まあそこまで簡単にいかないよねー。


私にかかっている木の陰がゆらゆらと揺れている。

見えにくい位置にいるっていっても私の服装は黒のコートだから鳥から見つかりやすいのかな。

なんか鳥の目は良いって聞いた気が。


じゃ、新しいコート買お。

ここの地面灰色と茶色が混ざったような色だからそれに似た色の迷彩柄を探す。

これなら丁度いいかなー。


ミリタリーモッズコート 3000円


安めのを選んだんだけどそれでも全然ルアーより高い。

でもこういうのかっこいいよねー。

早速羽織って再び地面に伏せる。

まだかなー。



グワァーグワァーグワァー


「はっ!」


思わず寝てしまった!

起きてみると太陽が随分高い位置に来ていた。

まだ正午にはなっていないみたいだけれどそろそろ昼っぽい。




+現在の資金 4411860円+

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