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24 - 城

今日はちょっと時間遅めの投稿です。

ブックマーク登録ありがとうございます!

ようやく100を超える事ができました!

「平和だねぇー」


社会の喧騒なんか忘れて。

眠くなってくる。

まさに天国と呼んで差し支えないのではないだろうか?

それにしても全然城見つからないなー。

まあこんな広い森をちょこっと散歩しただけで見つかるとは思っていないけど。

大体の場所だけじゃなくてもっとしっかり辺りの地形を覚えておくべきだったかな?

ま、いいや。

森のお散歩も癒されるし。

ん?

ずっと先を何かが歩いて行った?

銃のスコープを覗いて遠くを見る。

撃つ気はないよ。

これから城を探そうっていうのに大きな荷物を抱えてはいられない。

でもこのスコープ倍率二倍だからそこまでよく見えない。

ので双眼鏡に持ち替える。

初めからそうしろって?

もう癖になっちゃっているんだよなー。

えーっと。

何だろうあれは。

胴が白くて首と四肢が黒い。

ワピチかな?

もしそうだとしたら今は確かに秋、あるいは冬ってことになる。

何故なら冬毛だから。

あ。

逃げた。

いいけど。

狩る気ないからいいけど!

(訳:狩って食べたい)

しばらく歩いていると見晴らしのいい高原みたいなところに出た。

ここにシート敷いてご飯食べるのもいいかもねー!

まだ全然お昼時じゃないけど。

でも見晴らし良いなー。

特に上空に見える立体的な雲とか奇麗。

高いところだからこそ見れる景色だねー。

手を伸ばせば届きそうな気さえしてくる。

ふと隣の高い山を見て思う。

あの頂上にたどり着いたら奇麗な雲海とか見れるんだろうか。

でもさすがにあの山に上るのは辛そうだなー。

天辺白いよ?

あれくらいの山に登るんだったらちゃんとした登山用の装備をしていかなくちゃ。


ガウ!


「ふぇ?」


突然聞こえてきた鳴き声。

聞こえた瞬間やっぱり鈴付けてきた方が良かったかなって思ってしまった。


「熊だ!」


警戒の鳴き声?

もうこちらに気が付いている!?

鳴き声をした方向を向いてスコープを覗く。

どこにいる?


「!」


一緒ん視界の中に茶色いものが映った。

いた!


「悪魔よ去れ!」


ドォ――――――ン!


急いで排莢、装填をし再びスコープに目を近づける。

倒れたかな?

何分スコープの倍率が二倍なので良くは見えない。

でも多分倒れたと思う。

念のため離れたところからもう一発。


ドォ――――――ン!


再び排莢、装填を行う。

どうだろうか?

スコープで除くけれど熊は動かない。

倒れたかな?

突然立ち上がって襲ってくることを危惧しながら近づいてみる。

距離は80mくらいだったかな?

もし襲ってきたら逃げれないような距離だった。

もっと早く気が付いてもっと遠くから撃っていたらもっと安全に狩ることができたかもしれない。

あ。

でもここよりもっと遠くだとますますスコープが見えなくなっちゃうか。

近づいてきたけれど、どうやらちゃんと倒れている様だ。

念のためにもう一発。


ドォ――――――ン!


よし。

これで確実かな?

それにしても結構小さい熊だなー。

雌かな。

100㎏にも達していないと思う。

体毛が真っ黒だし小型だからグリズリーよりもアメリカクロクマに近い種なのかな?

異世界だからそこらへんどうなのか分からないけれど。

これをもって森の中を歩き回ることはできないなー。

一旦ここに置いておいて後でとりに来ようか。

帰ってくるまであったら背負ってピックアップトラックに載せてキットピューマの縄張りにでも置いて来よう。

熊の胆と右腕だけ取って。


「これは脊椎に当たったのかな?」


ネッグショット狙ったんだけどね。

という訳でまた歩き始める。


「お。 ここにも湖がある!」


ここら辺湖多いねー。

家の前の物よりは小さいけどここも結構大きい。

四尾連湖くらいの大きさ。

湖の周りには背の高い木がいくらかみられるけれど密度は低く太陽の光がさんさんと降り注いでいる。

あ。

ヨモギだ。

摘む。

これで新たな食材が手に入った!

ヨモギと言えば春ってイメージがあると思うけれども実は秋にも採ることができるのだ。

まあ秋のヨモギは春のヨモギに比べたら若干味は落ちるけど。

でも栄養価はこちらの方が高いし。

こっちはチコリだ。

根っこでお茶を出すことができるんだよね。

焙煎したものをお茶と呼ぶかコーヒーと呼ぶかどっちが正しいのかは知らないけど。

チコリ茶とかいうお茶があるのにチコリの根っこはコーヒーになりますとか言っている人もいるんだもの。

っと。

これはネギ?

いいね!

ねぎは言わずもがな沢山の料理に使うし!

ワイルドオニオンの球根は玉ねぎほど大きくはないけれどそれでも一応食用に使える。

まあ、まだ秋だから球根は食べることができないけれど。


山菜も多いねー。

料理の幅が広がって有り難い。

まあ山菜とお肉だけで構築できる料理の数ってそこまで多くないけど。

あ。

でもねぎは凄く有り難い。

特に球根部分のミニ玉ねぎもどき。

玉ねぎとはやっぱり違うけれども、でも似たものなので料理に幅も広がる。

いやぁ。

どんな料理にも玉ねぎって必要だからね。

また夏になったら来よう。

あ。

でもその前に玉ねぎ植えて収穫しちゃった方が早いかな。

まいいや。

なるようになるでしょ。

私が成さなければ何も成らないけれど。

まあ思考するのは未来の私に任せる!

のっぱらで草を積むのもいいねー。

本当に異世界に来てよかったと思う。

前世ではお腹は満たされたけれど心は満たされなかった。

でもこちらだとお腹も心も満たされる。

そんなことを考え山菜を摘みながらしばらく林を歩いていると木々の間からレンガ模様が見えた。


「あー。 城かー」


ん?


「うわっ! 城だ!」


若干認識に時間がかかってしまった!


「意外とあっさり見つかったなー」


こんなに簡単に見つけることができるとは思っていなかった。

それにしても近くから見るとますます廃墟っぽい。

所々崩れた跡が見えていて色は端島のビルみたいな感じ。

上の方が黒ずんでいる。


朽ち果てた城に近づいていくと黄色に染まった葉っぱが木の上から落ちてくる。

そしてさっきまでさんさんと輝いていた太陽がすっと雲の影に隠れる。

一気に暗い雰囲気になってしまった。

暗い雰囲気っていっても怖いとかそういう感じではなくて悲しいとかそこら辺の感覚。

城跡は少し高い丘の上にあるよう。

防衛とかに有利なのだろう。

私はその丘を駆けあがっていく。

とても静か。

この世界に来てからずっと静か。

今日の朝、奇麗な景色を見たときの静かさではない。

あれは安心や希望などプラスの意味を持った静かさだった。

これは違う。

ここは寂しい静かさ。

ここは雰囲気が違う。

いや、単純に気分的な問題で。

別にここが今後私の人生において重要なものになってくるってことは多分ないだろう。

ただこの城の廃墟を見ていると寂しい気持ちになってくる。

そんな静かな寂しさを感じながら城の中へと入っていく。

もう屋根も何も無い為日の光が入り放題。

荒れ果てすぎていてどこが表なのか分からないけど多分表ではないと思われる方から入っていく。

壁ももう半分以上が壊れてしまっていてどこからでも入れる。

だからさっきの所は表とか裏とかそういうのですらなく壁だったのではないだろうか。

崩れた壁には苔が張っている。

崩れていない壁にはツタが張っている。




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