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14 - 謎鹿ゲットだぜ!

少なくとも二発は当たっているからいずれ出血死すると思う。

最後の一発も当たって入ればもっといいんだけどあてにはできない。

猟銃のマガジンを取り出し弾を補充していく。

日本の法律とか関係ないので装弾数は4+1の5発だけれどチェンバーに弾を入れたまま持ち運ぶのがすごく嫌なので4発しか入れていない。

セーフティー入れてればいいでしょって?

心の問題!

落ち着かない!

それにセーフティーは撃鉄が下りるのを止める装置であって弾が飛び出るのを止める装置ではない。

もし何かの拍子に暴発とかしちゃったらいやでしょ?

チェンバーに弾が入っている以上あり得ることだから。

だからそもそもチェンバーには弾を入れておかない。

弾が入っていないなら暴発なんてするはずもないからね。

いま3発撃ったから残り1発になっているはずだ。

排莢をし、その後装填を行わずマガジンをライフル下部から取り出す。

ボルトアクションだと引いて排莢、押して装填なのでボルトハンドルを引いたままの状態。

マガジンを取り出したらボルトハンドルを押し込む。

ライフルの弾をマガジンに押し当てる。


ぐいっ


あ、あれ?

入らない。

走って追いかけながらだから力も入らないしスプリング結構が強い!


ぐぐぐぐぐ!


結構力を入れないと弾が入っていかない。

少しづつゆっくりと弾を入れていく。

どうにか全部入ったけれど親指が痛くなってしまった。

そしてそのままマガジンを戻そうとするけれど......


がんっ!


がんっ!


なかなかすぱっと入らない!


ぐいっ!

がちっ!


入った!

装弾するためにマガジンへ向けていた意識を完全に前へと向ける。

結構逃げるな―。

でも結構血が出てるしそのうち動けなくなるはず。

それにしても草木が結構生い茂っているので足跡を見失いそう。

それに射線を切ろうと左右に蛇行しながら逃げているので後を追いずらい。

単純に足の速さでは圧倒的に向こうの方が速いからね。


「うん?」


血がここにあって?

足跡はこっちに向かっていて?

引き返した?

いや、でも後ろから追いかけてきた私と遭遇していないから違う?

また違う鹿の足跡?

うわー。

凄い撹乱してくる。

これではどこに行ったのかすごい分かりずらい。


「えーっと? こっちに向かったとして? 足跡が......あった!」


ほぼ真横に向かっている。

急に方向転換したのか。

また血もドバドバと出ているわけではないから血痕が転々としていて見つけにくい。

ずっと先の方は霧がかかっていてよく見えないし。


「あれ? 足跡も見つからなくなった?」


最後の足跡がこっちに向かっているけど?

さっきの急な方向転換を考えるとただの一点ではあまりあてにならない。


「お? あれは足跡かな?」


この辺りは背の低い草がかなりの密度で生い茂っていて草の背が高いだけの所や足跡が付くくらい低い草が生えているところと違って丁度地面が隠れてしまう。


「ああ、良かった。 ちゃんとこっちに向かっているね」


折角撃ったのに全然違う方向に行ってしまって結局見つかりませんでしたーってなったら困るから。

殺すだけ殺してほったらかしにしてしまったら自然から怒られてしまう。

まあその時は他の肉食獣のお腹の中に収まるか自然に還るかだけど。

でもせっかく殺した命はしっかりといただかないと。


「お! 見つけた!」


木々の中で日の光を浴びて地面に横たわっていた。

良かった。

無駄にすることはなかった。

それにしても何だろうこの鹿。

なんか変な鹿。

角が四本ある。

根本は二本でそこから枝分かれしている。

角の先は内側に曲がっていてお互いに向き合っている。

毛の色は背中が濃い黄土色。

腹部に向かって色が淡くなっていきお腹は完全な白。

尾鏡がある。

足は淡い黄土色一色のみ。

あ!

これ鹿かと思ったけど違うかも。

謎牛みたいに種類は同じって断言できない。

基本的に鹿科の生物は角が骨でできている。

だけどこの謎鹿は角を皮が覆っている。

牛みたいな?

牛の角には神経が通っている。

だから角切りの時には泣き叫ぶんだけど。

そんなことはどうでもよく、じゃあこいつはどっからどーみても鹿だけど牛ってこと?

いや、異世界の生物に地球の生物の法則を当てはめてはいけないか。

えーっと弾は......

右前足の太ももに一発。

左の肺に一発。

それだけだね。

やっぱり最後の外してたかー。

まあ私素人だから?

これからもこの良い訳使い続けるよ。

外すたびに言い続けるよ。

十年くらい経つまで初心者だから。

でも実際ライフル銃の所有が認められるのって免許を得てから十年後なのでそれくらいでようやく初心者卒業ってことでしょ?

ライフルはショットガンと違って威力が高いから。

圧倒的に。

そりゃあ砂をかけられるのと石をぶつけられるのとどっちが痛い? ってことですよ。

ショットガンは当たりやすいけど威力は凄く低い。

初心者向けだね!

ライフルは弾が拡散するわけではないから狙ったところにしか当たらないけど威力は高い。

銃の扱いに十分慣れた上級者じゃないと使えない。

私銃の免許を取ろうとはそこまで思っていないけどもし取ったのならボルトアクションの散弾銃を買おうと思う。

ポンプアクションの方が構造も単純だしボルトアクションやレバーアクション銃よりも早く操作できるしいいじゃないかって?

いやでもボルトアクションのほうが軽いし安いし。

結局はやっぱり値段よ。

そこ。

あとは分解がしやすいから掃除が簡単って聞いたね。

私めんどくさがり屋だから楽な方がいい。

壊れにくいし。


そんなどうでもいいことを考えるのはやめにしてこの謎鹿......

鹿ではないから謎鹿って呼んじゃだめか。

うーん?

何の動物かも分からないし......謎々?

それじゃあなぞなぞみたいになってしまう。

発音が同じだから。

別に謎鹿でいっか。

外見ほとんど鹿だし。

謎鹿を持って帰るために家まで車を取りに行く。

その間他の生物にこの謎鹿を持っていかれないために忌避剤を焚いておく。

燃やすタイプのやつ。

2~3時間ほど獣が寄らなくなる。

見た目は成形木炭みたい。

辺りには背の低い草や木、芝が生えているため燃え広がってしまわないよう焚火台を買う。


コンパクト焚火台 1000円

忌避剤100個入り 3000円

チャッカマン 500円


これでキャンプとかやってもいいかもねー。

狩ったその場で数日過ごす。

いつかやりたい。

忌避剤を焚火台の上に置いて火をつける。


ボッ!

バチバチッ!


早速煙が上がる。

うわっ!

凄いにおい!

これは獣寄ってこないなー。

安心して車を取ってこられる。


「という訳で一旦家に帰りますか!」


銃を担いでさあ行こう!

ここは山脈の中だけどとりわけ高い山が右手に見える。

そのまま真っすぐ山脈は続いているので家は大体左方向。

家を出てから真西へ歩いてきたので多分このまま九時の方向に行けば帰られるだろう。


ざっざっざっざ


結局他の人の痕跡とかは見つけられなかった。

光の奴が交易しろとか言っていたし文明もあるらしいのでどこかに入るはずなんだけど。

ま、ゆっくり探していこうと思う。

ここら辺本当にどこまでも自然が広がっているし。

まだお金だって少しはあるので慌てるには早い。

お金が少なくなってきたら本気で文明を探すことを目的に探索を始めると思うけどそれまでは周囲の地形の把握とかしながらのんびりやっていっていいと思う。




+現在の資金 4724000円+

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