表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話 宝ヶ池

   

 私が所属している学会では、毎年の学術集会は、だいたい10月か11月頃に行われる。今年の開催場所は京都なので、私は学会発表のために、久しぶりに懐かしい土地を訪れた。

 私にとって京都は、大学時代を過ごした青春の場所だ。研究者ならば誰しもそうだと思うが、学部学生の4年間に加えて、修士課程と博士課程の大学院5年間もあるので、一般的な『大学時代』の2倍以上となる。だからこそ京都は、まさに青春の思い出が詰まった場所だった。


 学術集会の会場は、宝ヶ池の近くにある国際会館。あの変わった形の建物だ。「京都といえば神社の多い土地であり、神社をモチーフとして設計された」という噂も耳にしたが、それよりも私は「宝ヶ池だから、池に浮かぶ船の形を模しているのではないか」と思ってしまう。

 もっとも、建物の正面に湖面が広がっているわけではないのだが……。ちょうど私が学生の頃にも一度、京都で学会が開かれたことがあり、その時も宝ヶ池の国際会館だった。昼休みに食後の腹ごなしを兼ねて、宝ヶ池公園まで出て、水辺を散歩したのが今でも記憶に残っている。


 とはいえ、その『今でも記憶に残っている』は、青春の思い出というほどではない。

 学生時代の私は、宝ヶ池を「かなり北の地域」と認識しており、その辺りまで遊びに行くことはなかったからだ。

 私にとって思い出深いのは、京都市内のもっと中心街だった。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ