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無垢なるものの祈りの日

作者: 奥田 繭


わたしには 一秒も百年もおなじなんです

あなたの深い呼吸の波が わたしには永遠のゆりかご

眠るあなたはわたしの宇宙 

無造作なまつげの針が わたしには一瞬の刻印


遠い記憶の函のなかで 忘れられじ光はあなたの瞳

大きく厚く柔らかい手のひらが わたしの背中に置かれたあの日

わたしの永遠ははじまりを知り わたしの自我は あなたの一部だと告げたのです


あなたがわたしの頭を撫でる 何度も何度も撫でる時 神さまが用意した時間は一方向ではないのだと わたしもあなたも感じるでしょう


わたしはあなたと同じ言葉は使えないけれど

こころにあふれるオーロラは 世界のガラス窓をつらぬいて 

あなたとわたしをひとつにします


神さま 犬の神さま

わたしはあなたとともに お願いします

わたしたちが 境目のないわたしたちの世界でいつまでも 

溶け合い 夢を分け合い 笑いながら眠り続けることを


神さま 犬の神さま 

どうかわたしたちの音なき言葉を 

悠久の光のつぶにして 永遠の波に流してくれますように


わたしは祈ることしかできないけれど

あなたのことは知っています

この温もりを ヒトは愛と呼ぶのなら


神さま 犬の神さま

わたしたちの愛を 誰のものでもない

天にきざまれた太古のきらめきに変えてください

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