64.遠足の準備をするようですよ①
ささ。
旅立つならば、準備をしなければいけないよね。
旅立つと言っても所詮はたったの3日間。学園のイベントでしかない。短い短い短期な遠足でしかないからあまり準備する必要もないけども。
私はぶっちゃけ、現場慣れしてるからね、自分用のテントとか持ってたりするわけですよ。1人用とか3人用のテントならある。いくつか持ってます!売るほどあるよ!売ったりする予定は一切ないけどね。
いい加減、持っている物を整理して、いらないものは処分しろって何度か言われてたりするくらいものを持っているんだよ。整理する気になれないから放置してるけど、テントから何からそろってる。
キャンプ用グッズならたくさんあるのよね。だから、いつでも野宿は出来る。持っているものはマジックアイテムだったりするからカバン1つで狩りに行ける。
何だったら私、術式が使えるのよね。簡単に言えば空間魔法。だから、マジックアイテムである必要もない。だから、マジックアイテムじゃない物まで持ってる。
ただ、術式での保管だと、魔力を使い切ると物を取り出せないから、マジックバックを持っていたほうがいいけど。多量な武器やらマジックアイテムやらはほとんど空間の中にしまってある。
私、いきなり遭難してもどうとでもなったりするんだよねぇ。必要な物は全て常に持ってたりするから。何度もいきなり森に放置されたりされたことあるし。過保護なくせに無茶苦茶はするのが私の師匠なのな。
だからこそ、いきなり今からやるって言われても何とでもなるんだ。対処出来ちゃうんだよね。慣れているからね。嫌な慣れだけども。いつでも対処できるように準備万端なの。
確かにこの学園に来た当初、武器しか持ってなくて、スマホすらなかったのには開いた口が塞がらなかったけど。
例え武器以外なかったとしても、どうにでもできるし、術式から物を取り出せば様々な控えはあった。武器を所持してなくても童子とチビは喚び出せるから平気。それさえあれば何とでもなる。
んだけど。だけどもッだっけっど!!
それは私が単体で行く場合の話だ。さすがに今回の人数分はない。持っているわけないよね。11人をフォローする予定なんて一切なかったんだから。
いや…ぎり、できるか?んんー…なんとかなるくらいもの持ってるかも…だから師匠達に物の整理をしろとか言われるんだよなぁ。まぁそれは置いといて。
みんなの分の遠足の必要な物を準備していかなければいけないわけだよ。
戦闘員って、戦闘員として登録した後、はじめの何回かは先輩の戦闘員たちに連れられ、任務にあたる。その後は独り立ちし、1人で、あるいは決まった仲間と任務にあたるようになるわけだよ。
まぁ大抵はグループを作って動く。やる任務によっては何グループか共同で任務にあたることもあるわけなんだけど。
さぁさぁ!!!ここで驚きの事実ー!!
全員、グループに所属してませんでした。まぁ武器師は分かる。武器師はグループに依頼してついていくか、お目当ての品を依頼して取ってきてもらうわけだし。
戦闘力や武器師としての腕がピカイチならば戦闘員から付いてきて欲しいと依頼があったりするらしい。
たまに私の愛用している武器師が戦闘員達について行っていたり、私に同行したりしてた。あの人自身戦えるし。
皆、本当に登録して間もないらしく、グループに所属してないんだとか。まぁ私もしてないんだけど。珍しい子達だね。
全員、何回か、依頼は受けた事がある。だけど、1人ではない。
闘魔隊に所属した後は最初の何回かは先輩と共に依頼を受け、その後、独り立ちしていく。どこかのグループに入るか、あるいは一人で依頼を受けるわけだ。
先輩戦闘員に連れられ場慣れする目的で行なっているデモンストレーションがあるわけだけど、それを数回経験したが、他の経験はないと。
一緒に行く先輩は当然、並々ならぬ実力者なんだよね。だから、本当に危ないのは先輩なしで任務にあたるとき。その経験がない…その経験をする前にワクワク学園に来た。
よく島に来た当日、みんながみんな、無事だったなぁ。言うてしまえば、ワクワク学園の初日がはじめての現場経験だったわけだし。
ここ、ワクワク学園は実践経験が圧倒的に少ない戦闘員なりたての子たちの集まり、てなわけか。
このメンバーの中に何で私が選ばれたし。私だけが異質って感じじゃんか。ひよこの中に1匹鶏がいるくらい異質だよ。私もピヨピヨ言いたくなっちゃうじゃない。
ーーーピヨピヨピヨピヨピヨピヨォォオ!!
うんうん、叫びたくなっちゃうね!なるよね。
私もグループには所属してないけど、闘魔隊に所属して日が浅いわけでもなければ、任務だってこなしてきてる。なんなら1人でだって行くことある。
師匠の元で決まったメンバーで動いていたから、あれが私のグループだったとも言えなくはない。師匠がリーダーかな?うーん…やだな、そのグループ。カッコよくない。気楽で良いけど。しまらないや。
私、ワクワク学園に来ていなければ、今頃1人で任務に明け暮れる予定だったんだよなぁ。1人でひたすら任務に当たろうと思った矢先の出来事だった。私は血生臭い地に一人で長期間篭る気満々だった。師匠達がそれを察知して阻止したんだろうけど。
いくらなんでも、ワクワク学園に入れるなんて意地悪しなくても良いだろうにって何度か思っちゃう。言ってもどうにもならないけどね。
内心でぐちぐち愚痴を言いつつ、物の準備をしている級友達に視線を向ける。
「テントは…大きいよね。荷物になる、かな。」
「マジックアイテムもないでござるからな。できるだけ荷物は少ないほうが良かろう。夜は……交代で見張り番を立てるんでござるよな?」
今、みんなで必要なものを準備しはじめている。何が必要かを相談しつつ、必要な物を集めて行っている。
なんだけど。
みんなはマジックアイテムを持っていないから、集めているのは学園内に置かれているマジックアイテムではない普通の物。小さくなったりしなければ、重さが軽くなったりもしない。
うーーーん……荷物運びが面倒にしかならないなぁ。
マジックアイテムなしでの闘魔隊の任務って私は受けたことがない。最初っから必要なマジックアイテムは師匠から支給されてたし。
て、考えると私は中々恵まれていたなぁ。師匠に甘やかされて守られてた。物資は完璧に揃っていた。物資なしで放置されても術式で常に一式もっていたからなぁ。困らなかったんだよね。
私の周り、空間魔法的術式使えない子いなかったから、十分すぎる物はあって当然だった。
なしで対処するようにって言われたこともあるけど。それはそれで面白かったけど。今のこの子らには難しいかな。
「最悪、チビを出しっぱなしにしてあげるよ。弱い魔物ならチビだけでいける。」
多少は私がみんなの苦難を軽減させてあげようかな。師匠に散々やってきてもらったわけだしね。
ここに出る魔物だったら大抵チビだけで対処できる気もするなぁ。そこまで強い子は出ないだろうし。
テントとか持っていく気満々みたいだけど。チビに乗せてあげようかな。多少戦力下がるけど、まぁ良いでしょう。チビなしで困るような場所に行く予定ではないし。
「武器って寝ると消えるんじゃねーの?チビは護獣だよな?」
両手で持ったチビをみんなの前にプラプラ見せると阿部がチラッとこちらに視線を向けつつ、聞いてきた。
チビはプラプラ揺らされるのに合わせて尻尾を揺らしている。うん、可愛い。今日も私の武器は可愛らしい。誰の武器よりも1番、愛らしい。癒されちゃうね。
「訓練すれば24時間どんな時も出しっぱなしにできるよ。うるさいからしまうだけで。」
いや、寝てる時もチビは出てるからしまわれてくれないけど。
「にゅにゅ?!」
グルっと顔を動かし、チビは私の方を見てくる。揺れていた尻尾はしっかり意思を持って動かされ、私の手を叩いてきた。
うるさいという評価が気に入らない様子。
可愛い武器なんだけど、口うるさい上に暴力的なのよねぇ。それが私の武器の短所かなぁ〜。
「母親というか…姑というか…口うるさいんだよなぁ…2、3日ご飯食べないだけで呼んでなくても勝手に出てきて騒ぎ出すし。いや、そうでなくても近くにいるし。」
尻尾で行われる抗議を無視しつつ言えば、ゔーーーーとチビは小さく唸りはじめた。
食べてても気がつけば出て来てそばに控えていたりするんだけどね、この子は。
気を抜けばそばにいるんだよね。
当たり前の顔で横にいたりするんだよ。ほら、ストーカーとか、メリーさんみたいに。気がついたら後ろにいる。それがチビさん。
"もしもし?僕、チビ。今、貴女の後ろにいるの"だなんてメリーさんみたいな主張したりはしない。気がついたら静かにそばに控えている。主張があるより、ある意味恐怖だったりする。
「………………いろいろツッコミどころがある話だな。まぁ良い。見張り番、したことがないからやってみたい。今後、夜通し起きてなきゃいけないこともあんだろ。」
私とチビに面倒だと言うのを隠すつもりなく全面的に面倒だと態度に出しつつ、阿部は言った。
阿部はこの遠足にやる気満々のようだね。今までイベントとか嫌がってたのに。
学ぼう学ぼうって頑張ろうとする態度に驚き。やるしか無いからこういう態度のが得られるものも多くて良いとは思うけど。
「阿部ってなんも考えてない馬鹿ヤンキーかと思いきや意外に考えてるよねぇ。」
「あん?!」
あれ?
褒めてるのに、阿部に睨まれた。まったく褒めたというのに。
まったく、短期だなぁ、ヤンキー君は。何か良いことあったのかぃ?……んー、この元ネタのキャラ好きだけど、知っている人は少ないかなぁ。ま、いっか。
読んでいただき、ありがとうございます^_^
最後のネタは知る人ぞ知るですよね
有名な話ではありますし、その中の好きなキャラのセリフです




