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43.雨降って地固まりました①

ツバサが倒れた翌々日。


つまりは月曜日。


日曜日は自由行動だったんだけど、ツバサは自室に引きこもって出てこず。マリが部屋を訪れたらしいんだけど、出てこず。応答なく。


まるっと1日姿を見なかった。誰も姿を見ることはなかった。何をしているんやら。


そんなこんなで月曜日となった。


8時ぎりぎりなんだけど、ツバサは未だに姿を現さない。


「ねぇ…やっぱりみんなで迎えに行かない?」


時計を見ては、扉を見て。また、時計を見て。終始不安顔。




ーーーソワソワソワソワソワソワソワ…




そんなソワソワ動き続けているマリ。


みんなやら私やらに落ち着かない視線をチラチラっと向けて言ってくる。


誰の迎えかって聞かれれば、この場にいないのはツバサだけだから、ツバサを迎えに行きたいって事なんだろうけど。


高校生1年だよね。私ら、何だったら社会人として働ける年ではあるんだよね。迎えに来られる歳ではないんだよね。


もしも。


このまま来ないと選択しても、それは仕方ない。ツバサの選択なのだし。


「私はパス。甘やかしすぎはお互いに毒だよー。」


マリがソワソワした様子で扉をチラチラ見つつ何度目かの提案をしてくるから、バッサリ切り捨てとく。


厳しく言ったんじゃないか。もうちょい優しく言えたんじゃないか。


何度もマリに言われたけれども知りませんっ!お兄さんにもたれつつ、私は漫画を読む手を止める気はない。




てかさ?てかさ、てかさ??




ツバサと話をしたって事は言ったけど話した内容とか知らないのに怒られるのは気に入らないよ、まったくー。


ツバサが心配なのは分かるけどさ。分かるけど。なぜ怒られるのかな?私は悪くありません!まったくもって無罪ですっ!!


しかも、何度も何度も同じ提案してるのね。しつこいっ!しつこすぎるよ、マリ!!!


「マリリンは心配性だにゃ〜。」


呆れたような声を出すユキ。


何度も言い出しては宥められる姿にやや呆れ義務の様子だね。呆れを通り越して、やや鬱陶しく感じている桜花さんなわけですよ。


「大丈夫ですよ。今はツバサさんを待ちましょう?」


カナちゃんはソワソワするマリを安心させようと優しい声かけをしとります。何度目かも分からなくなった声かけやのー。


何度でも付き合うあたり、カナちゃんはお優しいなぁ。まるで天使やね、天使!愛らしくて可愛くて優しくて!妹に欲しい!癒しやっ!!




ーーーガラガラガラ……




みんなで談話する中、扉が開けられた。


自然とみんなの視線が扉に集まる。


扉を開けて入ってきたのはツバサだった。


晴々とした表情というにはやや硬い表情だけど、それでもしっかりと意思を決めた様子だね。一日考えて答えを出してきたかな。


視線が集まったのを気にすることなく、ツバサは歩いてくる。


「桜花、私はやっぱり戦闘員でありたい。魔物と戦う。戦闘員として自分の力で戦えるようになる。」


ツバサは私のとこまで歩いてくると、真っ直ぐに私を見て言ったのだった。


覚悟が出来た様子だね。良かった良かった。


ふわふわと優柔不断に彷徨っているような曖昧な態度が一変。ちゃんと地に足がついた感じだね!


みんなに注視されていることなど一切気にする様子もなく、ハッキリ言った。


「そ。ふぁいとー。」


私は欠伸まじりに言った。


え?感動のシーンにおかしくないかって?わざとじゃないよ?噛みしめてたの。ついついなの。ツバサが登場したあたりからずっと我慢してたの。我慢しきれなかったの。


悪意がないから無罪なのね。


「は?かるっ!」


ツバサはニコッと笑ったのに、マリが声を上げる。阿部も不満そうにしない!


桜井、谷上?何からしいねって何?会話、聞こえてるからね??らしいって私をどんなイメージで見てるのさ?間違っちゃいないんだろうけどさ。


当人が良いなら良いじゃんねー。


「おにいさぁん。さっきからマリがいじめてくる。助けて。」


もたれかかっていたお兄さんに助けを求めればお兄さんは私が読んでいる漫画から目を離さずに口を開く。


お兄さんはお兄さんでマリもツバサも気にしなさすぎだねぇ。


「マリちゃんなんか、相手しなくて良いから、次のページめくってくんな。」


「ん。…これ、面白いでしょー?」


これは私が好きな漫画なのね。同士ができるのは嬉しい限りだ。ともに沼に落ちようぞ!


いや、私は大抵の沼で足湯をしてるくらいにしかハマらない。イベントにも行かなければグッズも買わないのだけれども。マンガ見てアニメ見るくらいしかしないのだけども。


友達を沼に突き落として頭が見えなくなるのを見届けたことはあるけれど。お兄さんも同じになりそうな気もしなくもないけど。………テヘペロッ!


「……あぁ。コイツら仲間になるのか。でっけぇ狼っていい足場になりそうでぇ。」


問い掛ければうなずくけど、いまだにお兄さんは漫画に釘付け。よしよし。夢中になってくれるのは嬉しい事だ。


やっぱり、自分の好きなものって他の子にも好きになって欲しいじゃない。


日曜日もずっと行動を共にしてマンガを読んだ時間は無駄じゃないのさッ!


「なんかって何よ、なんかって!」


あらあら。


お兄さんは全然相手にしてないけど、やっぱりマリは怒るわね。仕方ない。予想通りだよ、ワトソンくん。あわてず、騒がず。


放置しちゃいましょ。


「足場かぁ。いっぺん、チビを足場にしてみるー?コンビネーション良くすれば移動が早いよー。」


とりあえず、ぶすくれるマリは置いておいて、お兄さんに提案してみる。


マリのそばにはカナちゃんも居るし、大丈夫でしょう。


前は谷上がチビを足として使っていたけど、お兄さんがそれを出来るならば中々の特攻隊が出来るよね。


今度、練習してみるかな。


「……嫌そうな顔してらぁ。んな、あからさまにしなくても良いんじゃぁねぇのかぃ?」


お兄さんは漫画から目をはずし、チビを見て困ったような顔をしている。


チビは確かにあからさまに嫌そうな顔をしていた。ただ、文句を言うではなく見ているだけだ。露骨に嫌そうな顔をしているだけ。何も言わない。


否、言えない。


「ざんねーん。私が命じればいいだけぇ。」


嫌な顔をしていてもチビが何も言わないのは私が頼めばそれが実現するって分かっているから。


逆らうってことはできないのね。できないっていうか、いやでもチビは私に従うのね。第一優先は私だから。きゃっ、愛されてるぅ。


あまり嫌な事しすぎると嫌われるからしないけど。


「にゅ、にゅぅ〜っ!」


「お、そりゃあ良いねぇ?」


嫌そうに声を上げるチビをチラッと見てお兄さんはニヤリと笑った。


うん。お兄さんは中々、良い性格してるよね。そういうとこ、好きだ。素敵素敵。


「無視すなーーーーっ!!」


と。


マリの怒りが爆発した。もう時期とは思っていたけどねぇ。感情が爆破しちゃったねぇ。そりゃあ、見事にドッカーンしちゃったねぇ。


「桜花、ありがとう。」


マリのことをカナちゃんがなだめ始めたのをチラッと見つつ、我関せずって感じのツバサ。


マイペースに私に声をかけてきた。


このタイミングで言うもんなんだから本当、マイペースだよね。


「どういたしまして?………あれ?木彫りの置物は?」


「ここに、ある。」


ツバサは木彫りの置き物を鞄から取り出して、私に見せてきた。


んん〜。


やっぱり、持ち運びに不便だよねぇ〜。さすがは芸術的の作品。持ち運びは考えてはないよね。


「持ち歩きに不便だけど持ち歩きなよー?最悪、それを鈍器に戦うっきゃないからね。」


不便であろうと。


ツバサを選んだ有心武器には変わらない。戦うならば必須アイテムだからね。持ち運ぶっきゃない。


「…………ん。あ、この子、名前、センシって、いう。」


ツバサは思い出したかのように言った。


そかそか。名前を聞き出すまで出来たんだ。順調なようで安心安心。


「へぇ?昨日、対話できたみたいだねぇ?」


「うん。ありがと。」


「ちょっと??何があったわけ?」


カナちゃんに宥められていたマリが私とツバサの話に食いついてきた。


まぁ詳しい報告はしてないから気になるか。


「武器、持っていたのかぃ?」


お兄さんも目をまん丸にしている。


というか、私とツバサ以外はみんな、目を丸くしてツバサの持つ置き物を見ていた。


特に武器師達が興味津々に眺めていた。もしかしたら、武器師以外が作った有心武器は初めて見るのかも知れない。


「部屋行った時に見つけてねぇ。武器だって気付いてなかったみたい。」


「じゃあ…1日で名前を聞いたってこと?!」


私の説明にマリが声を大きくした。


よほど、びっくりしたらしい。


名前くらいすぐ聞けーーーあ、武器の名前知ってるの、私と桜井だけだったんだ。みんなずっと聞けずにいるのに1日で聞けたらびっくりするか。


あ、いや。ムラくんも名前は知っているか。意外だよね。実はムラ君が武器の名を知っている。といっても、ムラ君も桜井も名前を知っているだけで武器の能力は知らないらしいけど。


「…ん。まだ、力は使えない。」


むぅ…と悔しそうにするツバサ。まぁ一朝一夕に出来たら誰も苦労はしないでしょう。


名前を聞けただけでも上々だと思うけどね。


「がんばれぇ。お祝いにこれをあげよう。」


ツバサのために持ってきたものをツバサに見せつつ言った。


ツバサのために自分の荷物を漁りまくったんだよね。


武器屋に行くの好きでついつい買っちゃう。様々な武器持ってたりするんだけど、ついつい買っちゃう。


決まった武器ばかりを使うようになるんだけどね。


収集癖があるんだよねぇ。悪癖だけど治らんのですわ。


ゆえに武器がどんどん増える。術式使って収納すれば収納場所に困らないからどんどん増える。増えちゃうのです。


読んでいただき、ありがとうございます^_^


ついつい集めてしまったりとかありますよね

私も収集癖があり、ついつい集めちゃいます

買っちゃうんですよね


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