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21.ゲームが終わった後②

お兄さんは疑い深い性格なのかな?


こんなことが出来る人達なんて空達以外にそうそういないと思うけどねぇ。学園なんて馬鹿げたことなんか、空達しかしないでしょ?


「やっていることの規模が規模だからね。私らを武器と共に連れてくるのも容易じゃない。魔物をテイムする事も同様だよ。悪ふざけにするには金も労力も掛かりすぎてる。」


何より。


師匠が犯人じゃないなら、とっくに連絡を取ろうと何かしらのアクションを取ってきているはず。私、実はいろいろ持たされているから連絡が取れないわけじゃあない。


私が行方不明になっていて黙っている師匠じゃない。あの過保護な師匠達が私がいなくなって早2日。何もしないなんておかしいもの。


何のアクションも無いことが何より師匠達の仕業だっていう証拠なんだよね。


師匠達を出し抜いてのことなら私らにどうにかするなんて無理だ。無理ゲーだよ。


もし出来る人がいるとしたら、それこそ敵わないから手出しすべきじゃない。大人しく今は静観すべきだよ。


「まぁ、違うならば早々に騒ぎになってるだろうね。11人も一斉に行方不明になれば。それこそ、変態野郎の遊びに付き合って待ってれば空が迎えにきてくれるよ。」


「………意外と楽観的だな。」


んん?


お兄さんの中で、私はどんなイメージ?おとりになる以外は何かしでかしたりしてないよね?


目立たない女の子じゃんね?か弱いただの女の子ですとも。


「そう?ま、空からの指令であるって線が濃厚なんだし。できることはないからねぇ。」


お兄さんにとっての私のイメージが若干気になりつつも会話を進める。


「そりゃあ、そうなんだが。」


「警戒する割にはお勉強するんだねぇ?それ、図書館の本でしょう?」


信用できず、警戒したくなる気持ちはわかる。


とはいえ。


警戒しつつも、お兄さんは魔物図鑑を持っていて、学ぶ気満々なのが、かわいいね。


警戒してビクビクするだけじゃ無いのは好感が持てる。今できることを必死にやるなんて好ましいじゃん?


「………昨日、今日と知らないことが多かったんでぇ。知ってたら対処できただろ。だっせぇから見ないでくれるかぃ?」


ぷいってしたよ!ぷいって!


小さなマスコット的なのがぷいってしたら癒しですよ、それは。可愛い可愛いってなる。


けど、目の前にいるのはイケメン。


ここで一言。




萌え〜〜〜〜!!!




恥じらいながらのぷいっていうのはそこまでレアではないかもしれない。


けど、可愛い破壊力があるのよね。


てのを全面に出せば拗ねちゃうから。ちゃんと分かっています。ポーカーフェイスな桜花さん、ここにいますよ?考えは表情に出さないよ?


「知ろうと努力するわけでしょ?ダサいのは他責的に考えて自分の非や劣っているとこを受け入れず、努力しない奴だよ。学びを得て、努力しようとするお兄さんはかっこいいよ。」


図鑑を隠すお兄さんは努力を見られたく無い系かな?


私はかっこいいと思うけど。


「…………そぉかぃ。ありがとさん。」


わわわ。


はにかむお兄さんなんてサービスショットでしょ?イケメンのうっすら頬を赤め照れる姿なんて、サービスショット以外のなんでも無いよね。


これが乙女ゲームならばプレイヤーがきゃあ!と発狂すべき場面よ!このスチム欲しいぃ〜!って発狂せよって感じだよいやマジで。


しかも、今の私はもろに好みの顔がそんな表情を目の前でするんだよ?ときめいちゃうね!


破壊力が半端ないよ。目ん玉潰れちゃうくらいの破壊力だって。つぶれないけど。


スチムを二枚ゲットいたしやした!!


「にしてもさぁ、毎日、今日みたいなゲーム尽くしだと、みんなが持ちそうにないよねぇ。スパルタでいくんかしら?」


「………さぁ。変態野郎がなにを考えてるかなんざ、分かりゃしねぇよ。」


「明日にならなきゃ分からん、か。面倒なこってぇ。」


話しながら歩いてたらいつの間にやら大浴場についていた。


入り口のとこにはチビを抱いたマリの姿がある。


チビは必要最低限以外の私以外の人との接触を嫌う。基本的に人に触られるのは嫌みたい。今日みたいに谷上を乗せて逃げるのだって谷上のためではなく、私のために仕方なくやっているだけなんだよね。


そんなチビが大人しく抱かれてーーーあ、いや、凄く不機嫌そうだ。マリが無理くり押し切ったのかな。たしかに強引に迫ればマリに危害を加えられないチビが折れるしかなくなるからね。


「あ、桜花!!」


私を見つけた瞬間、破顔するマリの姿は可愛らしいのだけれども。チビさん、うらめしそうにマリを見ないの。手を離せとか唸らないの。


まぁ、マリに通じなきゃ意味がないよな。


「や。…チビ、今度はお兄さんを送ってあげて。」


お兄さんなら、マリみたいにギュッとしたりしないと思うからお願いね、チビ。そんなうらめしそうにこちらを見ないで。


「………チビと一緒で、外で待ってらぁ。チビもその方が良いだろ?」


「にゅぃ!」


お兄さんの言葉にチビは同意すると、入り口近くにあったソファの近くに寛ぎ始めた。


動く気はない。


その意思がヒシヒシと伝わってくるね。


「えー?」


「気にせず、ゆっくりしてきて良いぜ。」


にっこり笑うお兄さんのイケメンさと来たら。男前やわぁ。












◇◇◇


遠慮なくゆったり風呂に入って上がってみれば。


え?サービスショット?ないよ?そんなものは。つか、んな描写が出来るほどに私の語彙力は富んでないし。強いて言うなら柔らかかったです。え?何がってマリがとしか言えないけど。


そんなわけで風呂シーンは割愛して風呂上がり。風呂を出てみれば、ソファでお兄さんがくつろいだ様子で本を読んでいた。


「…………お兄さん、勉強熱心だねぇ。魔物のお勉強?」


よくよく見れば、魔物図鑑。


昨日出会った魔物達を見ている模様。


「ん?桜花ちゃん。ゆっくりできたかぃ?」


「うん、広い湯船は手足が伸ばせて良いねぇ。マリのスタイルの良さは眼福だし。」


「なんの話よ!」


にぃと笑っていえば、マリが顔を真っ赤にさせる。


うん、反応が良くて良いねぇ。さすがはマリ。リアクションの女王だよ。


「お互いの触りっこは気持ちいいねぇ?」


「さ、ささ…さわッ!あ、アッ!あれはっ!アンタが一方的に触ってきただけじゃない!」


茹で蛸のような真っ赤なマリさん。


涙がうっすらと浮かび、自分を抱きしめるようにして、距離をとっている。


「ハハハッ!だってマリがいい反応するんだもん。ついつい?」


「アンタねぇ〜。」


キッと睨まれても顔が真っ赤じゃ、迫力がない。


「お兄さんも今度は一緒に入る〜?」


「おっ?良いのかぃ?」


「良いわけないでしょ!くだらないこと言ってないで、さっさと行くわよ!!」


「あれまぁ…マリが怒ったぁ〜。」


1人でズカズカ歩いていくけど、怖いのはもう良いのかな?


「桜花ちゃん、今度手合わせしてくれるかぃ?」


マリを見て笑っていた私にお兄さんは唐突に言った。うん、本当に唐突に。話の流れなんか一切無視するよね。


川から流れてきた桃をしげしげと眺め、さぁ切るかなって目論むおばあさんに、わしさぁ、実はゴルフをやってみたいんだよねって唐突におじいさんが言い出したくらい唐突だよ。


ビックリしちゃう。


「え?私?」


当然、私は目をまん丸くしてお兄さんをみた。


私は2日間、対して目立つことをしていないし実力者には見えないはず。そんな私を手合わせの相手に選ぶって不思議じゃんね?


空手で都大会優勝した的な高校生が手合わせにごくごく普通な戦えるかも分からない高校生女子を選ぶって感じじゃない?選ぶべきなら明らかに強い子にすべきでしょう。


「ん。素振りするより、その方が気合い入るだろ?」


「………….…チビ、相手になってあげて。」


「にゅ〜〜?にゅにゅ、にゅぅにゅにゅ。」


"え〜〜?コイツ、ボコってやる。"


だなんて申しております。


私は頼む相手を間違えたかもしれない。ま、私が相手取るのは嫌だし仕方ないか。


勝てるか否かなら勝てるけども。赤子の手をひねるくらいに容易いけども。それじゃあ私が強いって目立っちゃうじゃない。目立つのは嫌なのね。


「ボコボコにしてやるってさ。」


「おぅ。よろしくな、チビ。」


そのまま伝えれば、お兄さんはニカっと笑った。あら、大人な対応。さすがはイケメンよね。


「にゅぅ〜ぃッ!!!」


"生意気な!"


っていうのは私から見ればチビにいうべき言葉でありますが?チビ、言葉を慎め。


「こら、チビ。」


「にゅっ!」


「全く…。」


「気にしてねぇから、怒らなくて良いぜ?相手してもらえんだ、こっちは感謝しねぇとな。」


うん。


お兄さん、マジイケメンです。


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