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201.ドロケイをすることになりました

実践形式で使ったほうが、実際のとこがわかりやすいはず。といっても、遊び的なので使えば、単なる遊びだから何かがあっても困らないっていうね。


「ドロケイ??」


「術式ありきで、校舎内でチーム戦。ん〜…尻尾取りみたいな感じでタオルでもお尻につけて〜、で、取られたら捕まったって事で談話室に軟禁。で、良いかな。泥棒チーム、鬼チームで通信機器、分けれる?」


簡単にルールを決めつつ、軽くどんなゲームか話していく。


確認すべきは決まった相手に連絡を送れるかだよね。出来なきゃゲームができない。


「可能だ。」


ユキは出来ると言う。


よし、じゃあドロケイやりますか。バトルありきのドロケイ!


「チーム分けが必要だな。」


「そうでございますね!!ここはウサが、このウサが!!!公平に決めさせていただきましょう!!ウサチームが警察。にゃんこ先生チームが泥棒と致しましょうか!ん〜、でもなぁ〜!迷っちゃいますね!」


どうルール分けするかと思案しかけた所に、はいはいはーい!とテンション高く手を上げながら登場した変態野郎。


変態野郎の後ろにはにゃんこがいた。


なんで、この2人がいるんかしら。つか、何で当然参加なんだよ。にゃんこですら、あたふたしてんぞ。え?え?って戸惑いまくってんぞ。


変態野郎が神出鬼没なのはいつもの事。だから誰も驚かない。


されども、いきなり登場して参加するってぇのはすぐには納得するわけがないよね。嫌な顔する子達はいるわけよ。


「なんで自然な流れで参加する事になってんのよ。」


言っても無駄な気もしなくもないけど、ツッコミ担当マリが口を開く。


その声にも表情にも毒がありすぎるね。刺々しい。


ま、日頃の行いの成果なわけだし、変態野郎に非があるから仕方ないね。


「な、なんと……このウサと皆様が遊びたいであろうことを察し、ここまで参りました所存にございます。ウサはいかに皆様がツンを演じていようとも察してしまうのでございますよ。皆様がウサを愛して愛してやまないことを。」


芝居がかった動きで大袈裟なまでに身体を動かしつつ、変態野郎は話す。話し方もわざとらしい。わざとなんだろうけど。


なんでタイミングよく来れたんだろ。今日はやすみだろうに。暇なのか。


「ほざけ。」


絶対零度な、ペンギン達でさえ凍りつきそうな冷たい声を阿部は出す。


が、流されていた。残念!


「オレは佳那子にこれを渡したくて来たっぺ。にしても、ドロケイか。オレ、やった事ないっぺ。楽しみだなぁ。攻撃もありだべ?」


にゃんこは何やら袋をカナちゃんに渡している。あれは…薬の原材料の一部、か。中々に独特な香りがしている。


チビさんが不機嫌そうに尻尾を揺らすくらいには臭う。


それはそれとして。


何で妙にワクワクした様子なのかな、にゃんこは。攻撃ありきって、何する気なんだか。攻撃に特化してないだろうにーーいや、人間相手ならどうにでもなるのか、にゃんこは。


「武器の使用は無しと致しましょうか。他は術式、体術使用ありで、使えます武器は通信機器のみで。予備も作られていますよね?我々が参加しても問題はございませんね?」


変態野郎はいきなり、仕切り出す。


完全に参加する気満々みたいだねぇ。私は別に構わないけどさ。


「えぇ。予備まで実績形式で試せるなら助かるわ。今回、搭載した機能も使えそうだし。」


「そうだな。使いにくさをウサくん達にも評価してもらうか。じゃあ、開始は1時間後で良いか?」


変態野郎達が参加するのに対し、あからさまに嫌そうな反応をした子達がいた。それを黙らすように、ユキやゆずるんが言葉を挟んだ。


ユキやゆずるんとしては、変態野郎達にも見てもらえるならば、見てもらいたいらしい。まぁ、変態野郎達のが、通信機器やらは使い慣れてるからね。


変態野郎の参加を嫌そうにしていた面々はユキ達を見て、不服そうにしつつも、2人が必要と判断したならばと口を閉じた。


「承知いたしました。準備致しますね。」


「お菓子食べてく?」


話しながらも盛り付けたお菓子を指し示す。


焼き上がったばかりのマシュマロ入りクッキーはクッキー生地を押し破るようにして、マシュマロがはみ出ている。とろっとしたマシュマロに焼き跡がついてて、美味そう。


炊飯器で炊き上げたケーキ生地は綺麗に切り分けられ、クリームや細かく切った果物が添えられていて、可愛らしい一皿に。生地の中に入れていたドライフルーツがケーキの側面で、差し色として良い働きをしてる。


パイ生地を細長く切り、それを上2センチばかり残してさらに3等分に切って、三つ編みをした後に、ドーナツみたく丸くして整え、オーブンで焼いた焼き菓子も可愛い。


赤、白、茶と様々なチョコでデコレーションをして可愛らしくて整えてみた。これ、簡単だけど手が込んでいるように見えて可愛くて。しかも、美味い。


いちごマシュマロはいい感じに固まっていた。冷蔵庫から取り出して、一口大に切り分け、皿に盛り付けてある。ほんのりピンクに色付いているのが良い。いちごでの色付けだから自然体。美味しそう。


どら焼きはマリが作ったマリトっツォ含め、大きな皿に並べられている。一つ一つ、若干形が違って、手作りお菓子感があふれるやや歪な形。だけど、その歪さが何とも言えない魅力よね。


此度もいろいろ作ってみました。可愛い、かつ、美味いお菓子達!


「志貴様方とのアフタヌーンティーは誠に魅力的にございますが、しかし、此度は遠慮させていただきますね。ご学友様とのアフタヌーンティーをどうぞ、お楽しみいただきますよう。」


あれま。


結構作ったから食べてってくれて良いのに。ドロケイの準備をするんかしら。キャラはふざけてても、根は真面目なんだから。


「おっけー。」


「んじゃ、オレも1時間後にまた来るっぺ!」


変態野郎が恭しく頭を下げ退室したのを、にゃんこもパタパタ小走りで追いかけて行った。


イメージとしては親鳥を追いかける小鳥。親鳥は小鳥を振り返る事なく、颯爽と歩いて行ってしまっている。歩幅を合わせていないから、にゃんこはずっと小走りだ。


「何か、休日なのに授業みたいになったねぇ。」


2人の姿が見えなくなったのを確認し、私は椅子に座る。盛り付けも大体終わったし、お茶も入った。


洗い物は何気なくカナちゃんがやってくれてあらかた終わってるし。


アフタヌーンティーとしますか!優雅な午後のひととき。手作りお菓子を楽しみましょ!


「まぁ良い。公式にあの野郎ボコれるっつーなら参加してやる。」


にやりと凶暴な笑みを浮かべつつ、阿部も座る。何気に取り皿には形の比較的整っていたどら焼きが乗せられている。


和菓子が好きだねぇ。


「アンタ、いつも返り討ちに遭うのに飽きないわねぇ。」


「うるせ。今日こそは一泡吹かせてやる。」


「手伝う。」


変態野郎の参加に阿部もツバサも嫌そうな反応してたのに、今はやる気満々だ。ボコりたいんだねぇ。出来るかも分からないのに。


変態野郎相手に攻撃行為が許される行事にはやる気満々になるんだよね。阿部とかツバサとかは。


「チーム分けはアイツが決めるんでしょ。じゃあ、アイツと同じチームかもしれないじゃない。」


変態野郎をボコる気満々な面々に、マリが水をさす。


うんうん。今回はバトルがないわけじゃないけど、チーム戦。それも変態野郎がチーム分けをする事になったわけで。


もしかしたら、変態野郎と同チームかもなんだよね。だとしたら攻撃は不可。連携して敵チームから逃げなきゃなわけだよ。


「……む。」


ドロケイをするって忘れていたのか、ツバサ達は勢いを削がれちゃってる。


どれだけ、変態野郎をボコりたいの。まぁアイツの日頃の行いの成果なわけだけど。


「とりあえず、おやつとしよう。せっかく、もりりんやしっきーが作ってくれたんだ!食べよう。」


「私はお腹が空いたわ!」


「だねだね?ほい、あーん。」


今回のは特にマリに食べさせたかったからね。マリに食べさせちゃう。


幼い子に食べさせるようにしっかり口元まで入れちゃうぜ!


「ん。美味しいわ!!!」


口元に持ってこられたお菓子を疑いもせずに食べる様は雛鳥のよう。口いっぱいに頬張って幸せそうにする様子は可愛らしい。


ついつい食べさせたくなっちゃう。

6月となりましたね^ ^

今月もよろしくお願いします

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