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97.にゃーさんと魔女と俺(おまけ)と

かなり長い間を空けてしまい、すみません。

ちょっとバタバタしておりまして・・・。

さて、時折にゃーさんの毛が口に入ったりもしながら村の外へと運ばれてきた訳ですが。



「あのさ、にゃーさん」


『なぅ?』


「もしかしなくても・・・ここで魔女を迎え撃つ的な話ですかね?」


『なう』


「村から応援借りたりしなくて良かったの?」


『なうなう? にゃーうなうなぁ。 うなぁんなうなう』


「応援? むしろ逆に足手まといになるでしょ? というか、村の連中から犠牲を出さない為に私があなたを運んでここまで来たんじゃない・・・で合ってる?」


『なうなう』


「あー・・・なるほど」



魔女は俺より強いが、にゃーさんより弱いって話しだし・・・。

オークの村には俺より弱い奴らも居る訳で、納得の理由ではある。

が、俺が怖いか怖くないかはまた別の話なんだよなこれが。

あの不気味な色の空を見てると、なんかこう・・・寒気と言うか、嫌な感じがさっきから止まらない。

にゃーさんと一緒に居るのに、なんでだろうか。

この嫌な感じが俺の不安を必要以上に煽って来ている。

そうこうしている内に大きな気配の接近を感じた。



「・・・にゃーさん」


『なう。 んにゃーぅ』



「わかってる。 任せなさい」と言う様に鳴くこのお猫様のなんと頼もしきことよ。

思わず顔をにゃーさんの後頭部に埋めてすりすりしてしまう。

めっちゃ幸せ。

・・・なんか不安が薄れたかも知れん。



『なーぅ・・・』


「ごめんごめん」



「ちょっと・・・」って感じにやや低めの鳴き声で咎められたのですりすり中断。

取り敢えずは、魔女は俺より強いって話しだし、下手なことしてにゃーさんの足を引っ張らない為にも

大人しくしていよう。

そして俺が耳をピクピクさせているにゃーさんの首裏の毛に大人しく包まれてもふもふを堪能いると、「ずず・・・ずず・・・」と、何か大きなものが引きずられているであろう音が聴こえてきた。

これが聴こえていたから、にゃーさんの耳は動いていたんだろうか?

音が近付くに連れて、人型っぽいシルエットも見えて来る。



「いや・・・ちょっとアレ・・・」


『なぁーぅ・・・』



ところが見えているシルエットの縮尺がオカシイ。

ずるずると音を立てているのは、魔女らしき者が身にまとっているものの裾を引き摺っているからであることが視覚から理解できた。

それはいい。

だが・・・魔女さんデカくない?

5m以上あるように見えるんですが・・・。

進撃の魔女かよ。

まじかよ。



「・・・なぁ、にゃーさん。 魔女さんデカくない?」


『にゃ? なうなー?』


「いや、そんな「え?当たり前でしょ?」みたいに言われても・・・俺魔女なんか見たこと無いんですけども!」


『にゃー・・・ふぅ』


「そんな「まったくもぅ」みたいな溜め息つかないで?」


『なーぅなう』


「いやいやにゃーさん、そうは言ってもね? 俺としては―――」



俺が迫る魔女を見つつ、更ににゃーさんに対して言い募ろうとしたところで



『ひっひっひ。 フェアリータイガーのお前さんがお出迎えかい? オークの為にそこまでするなんて珍しいこともあったもんだ』


「・・・・・・おぅ」



気が付けば直ぐ傍に魔女が迫っていた。



『にゃ? なうなうなー。 うるるぅぅにゃふ』


『おや? オークの為じゃなくて、その背中に乗せてるヤツの為だったかい。 へぇ、お前さんの弟分ねぇ・・・ひっひっひ』


「・・・」


『なう。 にゃーなうなう』


『はて? そうだったかねぇ? ああ、確かにあたしゃ珍しい魔法が使われてたから確かめに来たんだけど、そこまでする気はないよ?』


『にゃーぅ?』


『ああ、本当さね。 あたしだって無駄にあんたに喧嘩売って死期を早めたか無いんだよ』


『なーぅ。 なうなうな』


『基本不死者が死期とは笑わせるって? そりゃ違いないねぇ。 ひっひっひっひっひ』


「・・・・・・・・・」



あの、なんか突然近くまで来た魔女と、にゃーさん会話始めてますけど。

なんかこの光景俺知ってるわ。

近所の公園で野良猫に餌あげながら名前付けたり話しかけてるばーさんがこんな感じだったよな。

上級者のばーさんは、猫どころか鳩にまで名前付けたりしてたけど・・・。

・・・ていうか俺、圧が酷くて喋れないんですが!

俺より強いとは聞いてたけど、これアレじゃん。

農夫とナッパくらい違うんじゃねーのか?

無論農夫は俺のことだ。

やべぇよ。

・・・とりあえず気を静める為ににゃーさんをもふろう。

背中でちびったらごめんな。



『それにしても随分と静かだねぇ? その背中のヤツは・・・おや? アンタ人間のオスかい?』


「え? あ、ああ・・・」


『へーぇ』


「・・・ぅ」



顔をぬっと近付けて来る魔女に対し、思わず仰け反ってしまう。

やめて!覗き込まないで!

黄色い白目も、その鷲鼻も! つり上がったデカい口も怖いんですよ!



『・・・ふーん、こんな子どもがあの魔法をねぇ・・・』


「・・・・・・」


『にゃーぅなう』


『おっと・・・はいはい』



背に居る俺の怯えが伝わったのか、にゃーさんが「ちょっと離れなさいよ」って感じに

近付いてきた魔女の顔をぷりちー肉球パンチで押しやってくれた。

お陰でちょっと落ち着いた。

子ども扱いなことに意義を唱えたい気がしなくもないが、する勇気はありません。

それよりも魔女のどアップでおションがヤバかった。

・・・まだ平気ですよ?



「・・・ふぅ」


『・・・なー?』


「え? ああ、うん、大丈夫大丈夫。 ありがとにゃーさん」


『なう』



言いながらにゃーさんの首周りをもふる。

うん、ほんと二重の意味で大丈夫だよ。



『随分と仲が良いみたいだねぇ、あんたたち』


『にゃふーぅ、なうなうなーぅ』


「・・・ああ、仲良しだ」



魔女の問いかけに対し、「何言ってんの? 当然でしょ」と言いたげなにゃーさんに追従して答える。

そう答えながら気持ちを落ち着けていると、



『そうかいそうかい。 ところで人間の坊や』


「な、なんだ?」


『ひーっひっひ! 取って食おうってんじゃないんだから、身構えるんじゃないよ』


「・・・ああ、うん」


『ひっひ、素直なのはいいことだねぇ。 それでね、坊や。 お前さんが“ツギハギ”を倒した魔法を、あたしにも見せちゃくれないかねぇ?』



そんな風に魔女が問いかけてきた。

お読みいただいて、ありがとうございました!

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