魔法だけが戦いの全てではないのです。
一時の沈黙が流れピアは告げる。
「王側近のグリフィーが反乱をおこそうとしている。それに気づいた僕は捕らえられ、森で餌にされる直前だったんだ。やつの狙いは貴族制度をなくし、奴が実権を握ることだ。当然ここも攻撃対象に入っている」
スケールが大きすぎて、話の内容を飲み込むのに時間がかかった。
「グリフィー様は誰よりも王様に忠誠を誓われておられたのに...何故...」
エリーガスは動揺を隠しきれない様子だ。
「ここにももうすぐ敵が攻めこんでくるかもしれない、警戒を怠らないでくれ!」
ピアは真剣な顔つきでそういった。
「エリーアル、ハヤト、君たちにも手伝ってもらうよ。エリーガスさん、僕とハヤトをこの屋敷の専属大工として雇ってくれませんか?」
ピアの願いをエリーガスさんが断れるわけもない、そして俺たちはエリーアルの家に雇われることになった。
「そして最後にここが寝室になります」
メイドのミズキさんに館内を案内してもらい、俺たちは寝室へ入る。
「いやぁピア、驚いたよ!まさかお前が大精霊様だったなんて!」
「今まで黙っててごめんねハヤト。僕はもうハヤトに忠誠を誓ってる。ハヤトが困ったときには僕の力を存分に使ってくれて構わないよ!」
なんとも、心強い味方だ。
「そういえば、ハヤトの魔法属性ってなんなの?」
「魔法属性?俺にも魔法が使えるのか??」
「そりゃもちろん!魔法属性は生まれた時からみんなが持っているものだよ。ハヤトは今までそれも知らずに生きてきたの!?」
「まぁ少しばかり遠すぎる場所から来たからな」
「まぁいいや、とりあえずみてみるね。魔法属性には何があるかしってるよね?僕の従える赤魔法は主に火の力を得意とする魔法属性だね、青魔法は水系、緑魔法は木々のちから、黄魔法は光のちから、そして、特別なのが黒魔法。黒魔法は召喚系を得意とする魔法属性だね。えっとハヤトの属性は...」
なんだなんだ?俺の属性!ここはやはり大工の血が騒いで緑か?それとも俺の情熱的なところから赤魔法か?それとも.
「あれぇえええええ!?ハヤト、本当に魔法が使えないの!?ハヤトには魔法属性が1つもないや!」
...さようなら、俺の夢。
「まぁ、気を落とさないでよ。その分ハヤトには僕がいるじゃないか!それにハヤトは近接戦が得意だろ?」
「まぁそうだな。くっそーこうなったら、ひたすら近接戦に特化してやる!」
しかしでも、魔法まで使えないとは、とことん鬼畜な異世界転移じゃないですか??
読んで頂きありがとうございました。次話もよろしくお願いいたします!