いいことをしたあとは気持ちがいいものです。
エリーアルは圧倒的な強さであっという間に奴等を倒し、残りは魔法使いの...なんだっけ?まぁそいつだけになった。
「覚悟なさい!あなたも氷付けにしてやるんだから!」
「ま、まてエリーアル!奴まで氷付けにしちまったら誰が金を払うんだ!奴には金を払わせなければならない!」
「そ、そうだ。その兄ちゃんの言う通りだぜぇ?
金なら払う。だから、どうか見逃してくれ」
「わかったわ、じゃあ代金を頂戴!」
よかった、これで一件落着だ。
「あぁやるよ。でもその前にてめぇが死ねぇ!くらえ!赤魔法!バーンストレミング!!!」
まずいっ!エリーアルは警戒を解いていた。このままじゃエリーアルはやられてしまう!
ドガァアン!!!
気づいた時俺は奴の攻撃を受け、エリーアルをかばっていた。
「ハヤト!!!!」
エリーアルの悲痛な叫びが聞こえる。しかし...
「ん、全然平気だわ。魔法って弱いのな」
なんだ、魔法っていうのは思っていたのと違いとても弱いものらしい。
「そんな馬鹿な...今のは俺の一番デカイ魔法だぞ!!!」
「知らねぇよ。そんなこと。それよりもよくやってくれたなぁ」
俺は背中にかけていたノコギリで奴の動きを封じた。
「く、くそっ!」
「さぁ、金は払ってもらうぜ。」
代金を返して貰った俺たちはまた店へと向かった。
「ねぇハヤト、どうしてあの時無事だったの?」
「いや、わかんねぇ、魔法って普通は食らったらやばいのか?」
「あの大きさだったら死んでいてもおかしくないわよ!一体何故...」
確かにあの魔法は相当やばそうに見えた。でも、体に触れた瞬間シュワァと消えるような感覚に陥り全然ダメージは無かったのだ。
「まぁうまくよけたんだろ!」
店につき代金を店主に渡す。
「これでもう奴等はきっとこねぇ!またなんかあったらなんでも言えよ!」
「あ、ありがとうございます!!このご恩をどう返してよいか...」
「そうだなぁ、じゃあさっきの奴等のせいで壊れた店の修理に俺を使ってくれないか?代金はもらうけどな!」
「そ、そんなことでよいのなら、ぜひ、よろしくお願いします!」
「おうよ!」
美味しい店だったし、この店が汚くなってしまうのはなんとも惜しいことだ。だから俺がきれいにしてやらんとな。
「ねぇハヤト、この犬、どこで見つけたの?」
「ん?あぁ、森でな!どうかしたのか?」
「いえ、なんでもないけれど」
「そうか!」
「じゃあ私そろそろ帰るわね!ありがとうハヤト!私もいつか恩を返しに店へいくね!」
「おう!いつでもこい!」
このときの俺はまだ知らなかった、この少女との出会いが俺の運命を大きく変えることになるとは。
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