最強過ぎる女の子には度肝を抜かれそうです。
イリアルの一件以降、店には少しずつだが注文が入るようになった。
「やったなガオ!客10人突破だ!」
「ワン!」
お金に余裕も出てきたので今日はこの世界に来て初めての外食にいくことにしよう。
外に出て歩いていると、なにやら飲み屋のような店がある。
「ガオ、ここにしよう。なにやらうまそうな匂いがする!」
店に入るとなかなかおしゃれな造りの店で中は人で賑わっていた。
なかなかうまそうなメニューがいっぱいだなー。
ここは、地元の人達のたまり場なのか?
おっ!このハーンバーングってやつは、ハンバーグにそっくりじゃないか!これにしよう!
「すいませーん!ハーンバーング1つと、骨付き肉1つください」
「かしこまりました、見かけない顔ですね。最近こちらに引っ越されたんですか?」
「ええ。まぁ、いろいろありまして」
優しそうな店員だ。
10分ほどたち、出来立てのハーンバーングと骨付き肉が用意された。
「どうぞ、召し上がりませ」
「うまそうだなぁー!ほれガオ!お前の骨付き肉だぞ!」
「ワン!ワン!」
外見はまんまハンバーグのこのハーンバーングとやらはどうやら味までハンバーグそっくりらしい。
「この店にしてよかったなぁ~」
そんなことを思っていると突然。
ドガァアン!!!
「なんだ!?」
店じゅうに悲鳴が広がる。
危なそうな集団がなにやら店主に言っている。
「おいおい!客に対して金を請求しようってんじゃねーだろーな?もしそうだとしたら、この店潰れてもしらねーぜ?」
「も、申し訳ございませんでした。代金のほうはいりませんので...」
「そうか!ガハハ!話のわかるいいやつだ!じゃあな!」
くそっ!なんてやつらだ!
「おい!大丈夫か?」
「はい。お気になさらないでください。よくあることなので」
「いいわけねぇだろ!俺が奴等に金を払わせてくる!まってろ!」
「いえ!本当にいいんです。ありがとうございます」
「うるせぇ!そんな弱気だから、あんな奴等に好き勝手されるんだ!俺が奴等に金を払わせてくる!」
あんな勝手な奴等をみて、黙っていられるわけないだろう!
「まって!私もいく!」
「なんだ?これは遊びじゃないんだぜ、お嬢ちゃんには危険すぎる」
「私の名前はエリーアル。魔法使いよ。少しは役にたつと思うけれど」
魔法使いと話したのははじめてだ。どうやらこの子ただの役立たずってわけじゃなさそうだ。
「わかったエリーアル。俺の名前はハヤト。大工だ!だが、日頃から鍛えてるからな、戦いにも結構自信はある」
「わかったわ。恐らくやつら、魔法使いを連れてるわ。貴方だけではどうでもできない部分も出てくるから、そこは私に任せて!」
「わかった。よし、奴等を追いかけよう!」
肩にガオを乗せ俺とエリーアルは全速力で奴等を追いかける。すると、意外とすぐに奴等は見つかった。
「よう、おめぇら、さっきの金払ってもらうぜ」
「誰だてめぇ!この俺様をしらねぇのか?魔法使いのガスジャンゴ様だぞおらぁ!」
「そんな名前聞いたこともないわ!」
「よう嬢ちゃん、悪いけどあんたにも手加減はできねぇぜ?」
「そんなものいらないわ!」
瞬間。エリーアルの手から発せられた冷気が奴等の一人を氷付けにする。
「ま、まさか。氷の魔女...!!!」
「観念なさい!もう逃がさないわよ!」
...これは、俺がいなくても勝てたんじゃね?
読んで頂きありがとうございました。次話もよろしくお願いいたします!