大好きな君
「…スー…スー…」
「風琴〜起きなさい〜」
「…ん…今何時」
「…え…?」
「…んだよ…」
「やだっ…!寝起きの声かっこいいじゃない!」
「…鬼舞…どーしたの…」
「あー!起きちゃった!」
「…びっくりした…」
「あらごめんなさい?」
「…ん…いい匂い…」
「あ、朝ご飯出来てるわよ?」
「…食べる…!」
「ほら、座りなさいよ」
「…頂きます…」
あれから説明して一緒に暮らすようになった
「今日ちょっと用事があるから家に居てね?」
「…分かった…」
「今日何食べたいー?」
「…肉じゃが…」
「あら、好きなの?」
「…うん」
「なら、買い物してくるから遅くなるわよ?」
「…大丈夫」
「じゃあ、行ってくるからここに居てよ」
「…行ってらっしゃい…」
鬼舞が家を出て行った後僕は本を読んでいた
「…」
いつもの郁弥の声が聞こえない…
お父さんにもお母さんにも見捨てられて唯一家族だなって思えた存在なのに…
「…会いたいよ…郁弥…」
体操座りで顔を埋めるしか出来ない…
涙が出てきた…
結局本に集中出来なかった…
―――✽✽✽―――
「…き…」
ー…ん?誰…?
「…うき…」
ー…この声は…
「…しゅ…う…と…」
俺は声の主に抱きついた
「…!?ちょっと!風琴!何寝ぼけてるの!」
「にゃあー!」
「痛いわよ!何するの!」
「…鬼舞…?郁弥…?」
「にゃーん!」
「もう!どうにかしなさいよ!」
「郁弥…!!!」
俺は郁弥に抱きついた
「…なん…で…?」
「え?この子知り合いなの?」
「…え…うん…」
「たまたま通りかかった時に付いてきたからそのまま」
「…鬼舞…お腹空いた…」
「分かったわ〜wすぐ作るわね」
良かった…戻ってきて…