大好きな君
「あら、思い出したの?」
「…思い出したから何」
「ほんと昔っから可愛くない」
「…姉貴に言われたく無い」
「あんた、いつになったら帰って来んの?」
「…戻る気は無い」
「あの事ならもう許してるわよ流石に」
「…あの事は関係ない」
「強がりなら辞めときなさい?」
「…強がりに見えるんだ?眼科行けば」
「まぁ、何でもいいけどあんた終わったわね(クスクス)」
俺等は気配が分かるあそこに二人がいる事姉貴も分かってるみたいだ
「…終わりじゃないさ」
「あんただけ幸せにはなれない。分かってるわよね?」
「…知らないな」
「ほんっと生意気!」
高いヒールを鳴らしながら歩いて行った姉貴
勿論俺は記憶を取り戻したわけじゃない
だから許されると思っていた
この音がするまではー…。
ーカチャ
「この音が何を意味するか分かるよな」
「裏切ったのか…糞餓鬼…」
銃を構えた修斗さんと悲しそうな避諱さん
「…そーですよ。あーあ。あの女のせいで…じゃあ俺は消えるんで最後に郁弥を返してもらえますね」
「…郁弥はこっちで預かる二度と目の前に現れるな」
「…は?それはダメだ…!返せ!唯一の家族なんだ…!」
「ダメだ」
…僕は睨みつけてリボルバー事投げつけ走りだした
なんで信じてくれないの?
僕…何も…何も…覚えてないのに…
「風琴?」
「…き…ふ…?」
そこには心配そうにこっちを見てる鬼舞がいた
「何、どーしたの?」
「…来るな…!」
「…は?ちょ…ちょっと…!!!」
僕は走り出した一人になりたかった…
「…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
「…オエ…」
何故か付いてきた鬼舞
昔からそうだったな〜…
「…なん…で…」
待って欲しいらしく睨まれたので黙る。