大好きな君
こそっと部屋に入ると約束通り義兄ちゃんは寝ていて…
「おやすみ…義…修斗さん…」
僕は床に寝転んで上着を脱ぎそれを抱き締めた形で意識を手放した
―――✽✽✽―――
「…ん…」
…あれ…なんか…暖かい…?
この匂い知ってる…この暖かさは…
「義兄ちゃ…?」
「お、やっとお目覚めか」
「なんで…?」
なんでこんなに近いの?僕下で寝てたはずなのに…
「体痛い所無いか?」
「大丈夫だよ?」
「起きたら下で寝てるからこっちに連れてきたらグズるから俺の上着着せてフード被せたら抱きついてきたからそのまま」
「…迷惑だった…?」
「お前は俺の義弟なんだから甘えろよ」
「…うん、分かった!」
胸は痛むけど仕方が無い
だって…叶わない恋なんだから…
「若頭…ご食事のお時間です」
「臺か、それについては分かったんだがすまないが風琴の着替えを持って来てくれ」
「それについてはご用意しております開けても…?」
「流石だないいぞ」
「失礼します」
ドアが開くと正座したまま僕と目が合うとニコッと笑ってくれた
「若頭、風琴おはようございます」
「おはよう臺」
「おはようございます臺兄ちゃん!」
「元気いいですね(クスクス)」
「うん!」
「これがお着替えになりますでは、失礼します」
「助かった」
ドアが閉まると義兄ちゃんは僕を降ろして服を渡し部屋から出て行った
「…着替えろって事…?」
気配は近くに感じるのでドアの近くにいるんだろう
「義兄ちゃん?どうして出て行くの?」
「恥ずかしいとかあるだろ?」
あぁ…そうか…気を使ってくれたんだ…
「ありがとう!すぐに着替えるね!」
昨日とは打って変わって今回のはクールな感じの洋服だった
「よいしょ…よいしょ…」
「あ、若頭…お客様です」
「誰だ?」
「…」
「分かった」
「では…」
「風琴はここに居てくれ」
「分かった!」
「避諱!臺!起亜!ここを見張ってろ」
「分かりました」
「………分かりました」
「嫌そうな顔しなすんな」
「頼んだぞ」
「「「はい」」」
僕は着替えが終わってしまったので行こうと思っていたが三人がいるのでどーする事も出来ない
「糞餓鬼、着替え終わったのか?」
「終わってなかったら覗く気なんですか?」
「辞めなさいな犯罪に手を染めるのは」
「ちっげぇよ!」
避諱さんって誰にでもイジられるよね…
「着替え終わったから入って大丈夫だよ!」
「そうか、失礼する」
「お邪魔します」
「お邪魔しますわよ」
「はい、どうぞ」
「やっぱ俺、外に出て見張ってるわ」
「分かった交代したかったらノックしろ」
「おう」
そう言って避諱さんは出て行った
「さて、何かお話でもしましょうか」
「聞きたい事は聞きなさいな」
「えっと…修斗さんって…彼女…とかは…」
「…ビジネスの彼女は居ますけど…」
「…何処まで…その…関係は…」
「…まぁ…やる所までやってるねぇ…」
「…そう…ですか…」
…やっぱり聞かなければ良かったなぁ…
「若頭の事好きなんですか?」
「えっ!?」
「ほら、白状しなさいな」
「………実は、小さい頃からの片思いなんです…」
「また、長いねぇ…」
「…でも、誰にも言えなくて…」
「世間体はまだ許し難い状態ですしね…」
「でも…昨日ね…ベットから女の人の匂いがしたんだ…」
「…あー…」
「で…でもね!?僕泣いてなんかないよ!?演技して逃げ出したもん!」
「そうなんですか?」
「僕…義兄ちゃんの上着に抱きついて寝てたのにいつの間にか義兄ちゃんの所に行ってて…」
「欲が出たんだろうねぇ…」
その時無線が入った
『避諱だ。今ちょっと問題が起きてな…二人共そいつを隠して出てこい』
「「了解」」
二人はクローゼットの2つ積まれたダンボールを出して扉を開けた
「わぁ…」
「すまないが…ここに居てくれ」
「分かった…」
「声が聞こえるが…返事はするな」
「うん」
僕はその部屋に入ってドアを閉めてもらった
真っ暗になるかと思ったけど窓があり真っ暗にはならなかった
『久し振りね…臺、起亜』
『お久しぶりで御座います燈瑪様』
あ、聞いたことある…初嶺 燈瑪悍味組と同じく大きい組だって聞いた事が…
『燈瑪いい加減にしろここには誰も居ない』
『あたし…貴方の婚約者なのご存知?』
『…あぁ…』
『なのにそれを放っといて最近男子高校生を匿ってるって噂じゃないどうゆう事なの?』
『遠い親戚だ仕方が無いだろ』
…遠い…親戚…なんで弟って言わないんだろう…
きっとややこしくなるんだろうって分かっていても…
『お前帰れよ…』
『条件を飲んでくれたら帰ってあげる』
『…なんだ』
『2つあるけどいいかしら?』
『…条件次第だ』
『まず…あたしを…』
僕の中で警報が鳴って耳を塞いだ
やだ…!聞きたくない!
でも…聞きたくない程聞こえてしまうもので…
『分かった…』
ベットの軋む音がする…
もう…やだよ…
僕は…何故か遠くなる意識の中聞きたくない声を聞きながら目を閉じた




