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黄金のレシーブ  作者: たこたこさん
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体験入部

俺の兄は性格が悪い。ひねくれで、負けず嫌い。3歳の俺にスマッシュの相手をさせたのは恐らくスマッシュの練習とかではなく、単に俺を苛めようとしてたのだろう。だけど、俺は、そんな兄のスマッシュをすぐに返せるようになってしまった。幸か不幸かそれが原因で兄は毎日俺にスマッシュを打つようになる。

俺も負けず嫌いだからか、速くなっていくスマッシュをすぐに返せるように毎日練習していた。

一人暮らししたいのは、毎日のスマッシュの相手から、逃げ出したかったからでもある。


ーー…ーーーーー

パァーーンとシャトルを弾いた音が体育館に響く、するとその直後、バァーーンと、それを返す音がまたもや、鳴る。

それが心地いい感じに続く。


放課後の部活動。まだ見学期間である、が、俺と大地は、基礎打ちというものを行っている。


キャッチボール的なものだ。バドミントン専用の準備運動といった方が正しいかもしれない。


「甲野のその強烈なレシーブ何とかなんねぇ?基礎打ちにならねぇぞぉ!」と大地が嘆く。


「兄に甘くて弱いたまは強く返すように言われてたから、その癖で甘い球は、こう返してしまうんだよ。」


「ナチュラルにムカつくぞ笑。」


パーン、バシーーン、パーン、バァーーン。


「面白い初心者が入りましたね。」青さんは、パイプ椅子に足を組んで座ってる長髪の男に声をかけた。

長髪の男の名前は長野と言う。昨日、甲野に叩き返された人だ。


「初心者じゃねーだろ。あれ。見学者の前で俺のスマッシュ返しやがって…」


「完璧に返されてましたね」


「………ぬ、抜いてたからな。本気で打ってないぞ…」


長野さんは、プイッと不機嫌になる。


「ほんとですか??」とニコッと、青さんは、微笑む。



この青春学園のバドミントン部は、現時点で男子6人女子四人の10人で活動しているらしい。

そのなかで二人は二年生と三年生だ。



暫くして長野が思い出したように

「そういや、中学で、有名なバドミントンプレーヤーが、この学校に入学してるらしいぞ。」


「へー、名前は何て言うんですか?」


「確か…、榊…直也とか。」





ーーーーーーーーー

榊直司は、体育館の外まで聴こえるレシーブの音で足を止めた。


…そうとうな、選手がいるな。


榊直司は、そう思った。


榊直司は、体育館に足を踏み入れた。昨日はバイトで、見学にこれなかった今日こそはバドミントン部への体験入部を使用と思っていた。


体育館には、何人かの先輩と、今コートで、うっている二人、五六人の見学者がいる。


あの、音は、あのコートで、打っている、どちらかだと思った。


「やあやあ、見学者かな?」


長髪の男が俺に話しかけてきた。誰だこいつ


「……体験入部期間のはずですけど打てるんですか?」


「え、あ、うん。もしかして、経験者?名前は?」


「榊です。」


「さ、榊!?あ、うん。」


「探しびとが、簡単に現れたね。」長髪の男の後ろからひょいっと小柄のボブの女の人が声をかけてきた。


探し人だと?何をいっている。


「打ってあげたら長野さん?」


「い、いや、今日は肩が痛いからさー。あ、あの二人のうちのどちらかと交換してもらったら?」


「そうします。」と俺は、言うとコートに近寄った。


コートには、長身の筋肉質の男と、細見の長身の男がいた。


細見の方が、話しかけてきた。

「榊じゃん。」


「誰だお前?」


「誰だろーな。お前のクラスメイトだよ多分。」


「そうか、ラケット貸してくれないか。打ちたいんだ。」


榊は、手をさしのべた。


「あー。俺と変わろうぜ。俺は、大地っていうんだ。ほいよ、こいつとうちな」


「悪いな」



榊は、大地からラケットを貸してもらうとコートの真ん中にたった。


「上げてくんないか?」


「いいぜ、上げることしか出来ないからな。」


パァーーンと、シャトルが高く宙に浮く。


榊は、高く打ち上げたシャトルを見ると半身になり、シャトルを叩く。


パァン!!破裂音の様な音が体育館に響く。

その直後に、バァン!っと、弾く音がなった。


榊の、打ったスマッシュは、クラスメイトの男に完璧に返されたのだ。スマッシュをドライブ気味に


コートにシャトルが、転がる。


「いきなり、ひどい仕打ちだな」と榊


「悪いな」


「もう一球。」



パァーーン 再び榊の方へシャトルが高く浮く。 こ今度は榊は、半身になったあと、肩肘手首の順で腕をムチのようにしならせ、腕が一番高いところに来るところでシャトルをうつ。


パァァン!!!先程と全く違うフォームで、シャトルを榊は、打った。


シャトルは、大きな角度とスピードをつけながら、飛んだ。


パァン!!


クラスメイトの男は、返した。しかし、先程とは違って、ドライブ気味に返したのではなく、打ち上げたのだ。


「打ち上げるってことは、いいスマッシュってことだよな、甲野」大地は、呟く。


コートに立っている二人は驚いた。

榊は、スマッシュを打ち返されたこと。

甲野は、スマッシュを叩き返せなかったこと。


「ねえ、大地。榊くんの持ってるラケットって、確かガットが、ゆるゆるのやつよね?」とニコッと、青さんは、言った。


「甲野の持ってるラケットも、学校の安物ラケットだよ」


「おあいこ、か」



コートに立っている二人は、黙々とスマッシュを打ちそれを返す。

まるで、自分のプライドと自信を確認するかのように。



暫くして、榊は、スマッシュを打つのをやめた。


俺のスマッシュをこうも綺麗に返せる奴に会うのは本当に久しぶりだ。


微笑み、じっと、榊は、甲野を見る。


面白い奴にあった…。


「なぁ、お前。十点でシングルやらない?」


「は?」


「いくぞ。」


榊は、シャトルを胸の前に持つ。


「お前がどれくらいの実力なのか見せてもらう。」


榊は、サーブを打った。






「なぁ、あいつら俺に黙って試合始めやがった…」と長野は、ボヤきため息をつく


「いいんじゃない。私も気になるし」


青さんは、ニコッと甲野に向けて微笑んだ



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