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拠点 三


まだ靄が漂う早朝に、広い訓練所の一角で愛剣を振るう一刀の姿があった。


「はっ!!」


気合の声と共にビュッと空気を切り裂いて鋭い音を立てながら一刀は手に持った剣を仮想の敵に振るう。

敵の攻撃を受け、隙を作らせ、必殺の一撃を叩き込む。

その動作を様々なパターンで想定し、それに合わせて丁寧にしっかりと神経を尖らせて剣を振る。

長年積み重ねてきたその剣はまるで舞を舞うかのように美しく、見る人の目を惹きつけた。

そんな時、訓練を続ける一刀の方へゆっくりと歩み寄る女がいた。


「お見事です一刀殿」

「これは、・・・・・・お久しぶりです妲己さん」

一刀はその女性に一瞬驚くとにこやかに笑う。


「ええ。貴方が山を出てからもう400年以上ですから。」

「そうですか・・・・・。そういえば仙人は今どこに?」

「相変わらず苦労なさってます。次々と増える外史の調整は大変ですから」

そのお付の私も大変なんですよ、と妲己は笑う。

一度聞いた話だと、正史から剥離しすぎてしまった外史では彼女たちのような管理者が出向いて世界の流れを矯正、もしくはその外史の特異点を排除することによって最悪その外史を消滅させて正史を保たなければならないらしい。


「まぁあの方も貴方がいらっしゃればお喜びになりますのでお暇があればお訪ねください」

そういって女は朝日に紛れながら煙のように消えて辺りには人の気配がなくなっていた。



「そうか。もうそんなに経つのか・・・・・」



一刀の呟きは朝の靄に消え、誰にも聞かれることは無かった。


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