26話 ・・・格好わるいな俺。うわショック(泣
「・・・で、レクヴィオ。本当に2日後に奴らが来るのか?それも城に・・・」
クレイト王子が暗い声でレクヴィオ様に確認をとる。
「何度も精霊さんに聞いたよ。わざわざ人質とっておいて城に出向くなんて・・・何を考えてるのかな敵さん達は」
意外に何も考えてねーんじゃないのか?
そんな馬鹿達ならこの2人の相手に丁度いいな。
「昨日言った通り、奴らが城に来る直前に乗り込むよ。地下から出ようとしたところを叩けばいい」
「・・・そう、だな」
重苦しい雰囲気が嫌なのでちょっと色々と整理しようと思いまーす。
敵の狙いは王族の家宝。詳細は不明で謎だらけの家宝。ただ、噂としては「手に入れると世界を支配出来る力が手に入る」とか。なんてベタ。意外に本当かもな。現に《支配》の能力を持ってる人が近くに居るんだから。今は不在。てか、敵さんも運無いねー。世界を支配する力は既に手に入っているっていうのに気付けてないなんてさ。無駄な争いは御免だっつーの。
あ、勿論、レイヴェアさんの為になら死ねる!
・・・ごほん。
そんで何故か王族側は敵さんの存在を公にしたくないとかで今なお無言を貫いてるらしい。
家宝を守る結界の鍵を持っている息子が狙われてるってのにな。薄情な奴め。王族側の騎士団を動かせばもっと楽出来るのに。
で、鍵とやらを持っているクレイト王子は身に覚えがないとおほざきになられる。
そんな奴のせいでレイヴェアさんが攫われたと思うと無性に・・・あートイレに行きてぇ。ちょっと失礼。
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ふぅ。・・・何処までいったっけ?
ああ、そうそう俺のレイヴェアさんに対する想いについてだったな。・・・え?違う?あ、そう。
ええと・・・うん。まぁ、レクヴィオ様の精霊達のおかげで奴らのアジトがこの国の地下にある事が判明。そして、又もや精霊達のおかげで奴らが明後日に王の城にくる事が分かった、と。精霊様様だな。俺にも精霊が見えたらな〜・・・レイヴェアさんのスリーサイズとか聞けるのに、ちっ。 おっとレクヴィオ様に睨まれた。せ、背筋に冷たいものが・・・。
ま、そんな訳で明後日の夜が明ける前に殴り込むんだとさ。
さっさと奴らを始末したいっていうレクヴィオ様が発案者。当然の人選だな。
「ところでソラ。君はいいの?行かないって聞いたけど?」
レクヴィオ様が心底不思議そうに首を傾げる。くそぅ・・・レイヴェアさんじゃないのが恨めしい!その仕草・・・レイヴェアさんにやってもらえたら服従しちゃうよ!頭踏まれたい! ・・・おっと、あれ?俺の性格が変わった、だとぅ?そ、そんなに俺はレイヴェアさんが——
「・・・ねぇ聞いてる?」
「はい聞いてますすいません許して下さい勘弁して下さい」
やべぇやべぇ。まじで俺の人格が腐敗するとこだったぜ。レイヴェアさん病でも患ったかな。心の底から喜ぶけど。
「で?」
「あ・・・うん。行かないのは俺が俺で居る為、かな」
「んん?何それ?」
レイヴェアさんそっくりの反応を示すレクヴィオ様。やっぱ双子だなぁー。似すぎてて一種のホラーになりそう。
「ま、いいけどね。んじゃばいばい。部外者はさっさと出てってよ」
ぽぉい・・・どさり ばたん がちゃ
・・・酷くない?投げて追い出した挙げ句に放置プレーかよ。俺はレイヴェアさんだけのMだ!意味分からねぇ!
「・・・さて、と」
茶番は此処まで。
言葉通り、俺が俺で居る為に、動きますか。
「行くぞ、タブリス」
『勝手に行ってろ』
・・・俺って・・・めっちゃ格好悪い?
『ふ、俺が俺であるために・・・ぎゃははは!まじうける!!』
「ちょ、もういいだろ。頼むからもう・・・止めてくれぇ(泣」
『これはレイヴェアにも教えてやんねーと! あいつなら、絶対に、鼻で笑う!』
「そりゃそうだろうよぉぉぉ(号泣」




