24話 待ってます。何処かで大変な状況で。
さて、何やら僕の体が片足とはいえ足の不自由な老人の様になってしましましたね。即ち、あまり広い範囲を動けない訳です。
なんていうか・・・絶妙な長さの鎖です。ぎりぎり扉のとってに手が届かないという微妙さ。もどかしくて扉を叩こうにもとってすら届かないのですから無理でした。複雑な心境な今日この頃。
「・・・届かない」
がちゃ
「あ、レイ起きて——・・・たんだ。何してるの?」
手をとってに向かって伸ばすという、言われただけなら普通なこの微妙な体制。エアレズさんが分かっていながらも聞いた感じで「あ、はは?」と乾いた笑いが浮かびます。
てか、察して下さいよ。貴方のせいみたいなものなんですから。
「ふふ♪悪いけど当分は外さないから」
さいですか。まぁ、期待なんてしてませんでしたよ。やった本人でしょうし。
ふ、とエアレズさんが僕のベッドの横を見ます。
そこにはソファーが・・・って、カナリアさんだぁー。
寝てるのでしょうか?
「レイのおかげでねファイブちゃんとスリーは昏睡状態なんだよね〜」
ああ、道理でカナリアさんの鼻息——失礼、息が荒いんですね。
それにしても3番さんもですか。精霊さんに怒られそうですね。八つ切りにして追い返しますけど。
「あ、そういえばレイ。後、数日すれば君にお迎えが来るよ♪」
エアレズさんが人の良さそうな笑みを止めていかにも悪人そうなにたりとした笑みを浮かべます。
悪い予感がする、とは口でわざわざ言いませんが冷や汗が止まりません。大洪水です。いつか溺れて死ねるかなー・・・無理ですね。
てか自分の掻いた塩水で溺れ死にたくありません。
「でさ、君がファイブちゃんとスリーをあんな状態にしたから作戦が水の泡、なんだよね〜?」
がっ・・・どさ!
「・・・っ」
ベッドに押し倒されて腕を押し付けられました。何故に馬乗り。僕はエアレズさんの馬ではありませんよー。人権を大切にしろー。この世界では無意味な言葉でしたぁー!
腕が痛いです。ちょ、切れる切れる。血管がいっちゃうよ!ぷちっといきそうだ!
「だから君には2人の代わりに動いてもらうよ?」
エアレズさんの紅い瞳が黒に染まります。所謂闇の色。
その闇の瞳は、ただ、僕の瞳を見つめます。
い、いやん。そんなに見つめられちゃ、は、恥ずかしいよ///
・・・なぁんて言える余裕は無かったりします。
だってなんか変な力を使われたみたいで体が動かない、というより、力が抜けていくんです。
しかもその脱力感だけでなく順々にされていくような洗脳されているような感じ。
あ〜・・・これ、やばい?
「しっかりと働いてね?僕の愛しい、レイ♪」
そんな声と共に僕の意識は暗転というやつを経験しました。
「っ——ぁ、れ、く・・・た・・・すけ・・・」
自分にしては情けなさすぎる声は、僕の必死さがこめられていた事でしょう。
それだけ僕は必死だったんですよ。いや、ほんと。
僕には幻術の耐性は結構あっても、洗脳の、耐性は、まるっきし・・・ありま、せんか、ら・・・——。
「・・・レイ?」
「どうした?また何かあったのか?」
「・・・いや・・・ただ、嫌な予感がするだけ——って・・・何してるの?さっさとそこの荷物を運んでよ王子様?」
「お、おう!・・・あれ?何故だ?すっごく違和感を感じるのだが・・・」
何時もの様にクレイト様を(不本意ながらも)尻に敷き、軽口をたたく。
でも、やっぱり、一瞬過った不安は無くならない。
・・・レイ。きっと助けるから・・・。
——・・・待ってます。
そんな声が聞こえた気がした。
話は頭の中では出来てるんですけどね。
どうしてもなかなかうまく進まないです・・・。
あぁどんどんシリアスに・・・。
書ききる自信が無くなってきました(汗)




