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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
がきんちょ時代
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9話 嫌いな物?勿論世界ですけど?






風邪をひいたようです。


「「ハァハァ・・・」」


レクも。


「・・・今、リンゴをお持ちします」


「あ、りがとう・・・」


ネルメさんが出て行くのを見送ります。


「・・・せっかく・・・まほうをおしえてもらうはずだったのに・・・」


「・・・ぼくも~。でも・・・かぜひくの、レイだけじゃないなんてめずらしいね~」


レクが笑う。

基本何かの病気になる時は、体の弱いレイだけが寝込む事が多いのだ。

まるでレクがレイの生命力を受け取っているかもように。

だから2人同時に病気になる事は1度もなかった。


んだけど・・・。


「た、しかに・・・それに、からだがあついですね・・・」


「う、ん・・・からだが・・・あつい・・・ね」


そう。熱いのだ。尋常じゃないほどに。


ぐつぐつと鍋で煮やされる野菜じゃなくて、極寒の地から地獄の釜に落とされてそれでも死ねないくらいに。


・・・うん。よく分からない例えだった。


「・・・ねぇレイ?」


「・・・なぁにレク?」


「レイはせかいがすき?」


何でいきなり?

しかもそんな真剣顔で・・・。

は、まさか僕の正体に気付いたのですか!?

この・・・捻くれ神的神候補の少年の生まれ変わりの転生最強神の愛し子の双子の相手の僕の正体を!

・・・なが。


「・・・ぼくは・・・」


あー・・・言葉に詰まるなぁ・・・。

即答で答えたいところだけど、相手がレクだと・・・。


「ぼくはせかいがきらい」


おっと、今のは僕のセリフじゃないよ?

これはレクの・・・なんだって?


「・・・レク?」


「だって、せかいがあるから、レイとずっといっしょにいられない」


・・・んー?

つまりは命があるから、ってことでしょうか?

な、なんて聡い子なの。


「レイは?」


「・・・ぼくもせかいはきらいですよ」


レクったら・・・そんな笑顔で見ないで。

照れちゃうよ///

世界が嫌いって言って照れるのはどうかと思うけど。


でも、やっぱレクは僕と双子なだけあるな。


顔やら体系やら思考やら似ているところはたくさんあるが・・・嫌いな物まで一緒だとはね。


きっと前世も仲の良い双子だったんだ。

あ、僕の前世、1人っ子だ。


「・・・ねえレク」


「・・・レイ?」


「・・・さっきよりあつくないですか?」


「・・・あつい」


んんん?あれれー?これはやばいんじゃないかなぁー?

むしろ熱さを通り越して寒くなりそう。

それはそれで危険だな。


・・・で。


ピシィ


窓に亀裂が・・・・。


これはまた別の意味でやばい?


ピシ…ピシシ…バリィ…ガッシャーン!


「「・・・やっべ」」


これが俗に言う超常現象ってやつですか?


ま、僕達の感情が高まって引き起こしている感があるんで、その心配は無さそうだ。

よかったよかった。僕は非科学な事は信じたくない年頃なんだけど、そういうのには弱いからね。


・・・そういう問題なんだろうか?


「「・・・おやすみなさい」」


僕達は寝ていた事にしてやり過ごす予定です(笑)

多分無理だけど。








レイとレクは似た者同士・・・というよりほとんど一緒です。。。

果たしてただの双子なんでしょうか?



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