17話 ・・・ゴミの駆除は、私の、役目です。
どがぁぁぁぁぁ!
静寂に木霊すその音は戦いの終わりを告げた。
「・・・け、っこうやる奴だったな、あいつ」
「あ、ああ・・・笑ってたし・・・」
若干引き気味の彼らの目線の先には壁にめり込む様に倒れこむレイヴェア。
思い出されるのは血まみれになりながらも笑いながら戦いを挑む狂人。
「・・・凄い、です」
無意識に出た言葉は勿論私。実際に凄かった。負けない執念と戦いへの執着。後、単純にバトルセンス。
魔法も飛びぬけていたし。
「な、なぁNo.5。あいつは一体・・・?」
「・・・No.1、の客、です」
結構無理やりな理由になってしまった。
この説明で納得できるわけが無い。
「わ~何これすっごー。・・・ん?レイヴェア?」
No.1の間延びした声が木霊す。
「大丈夫~?ぼろっぼろじゃんー」
「・・・あれれ?エアレズさんではありませんか。どうかされたので?」
「いやいや、こっちのセリフだよねそれ~」
あんなに戦場と化していた訓練場が一気に和みだした。
No.10からNo.20はNo.1の何時もと違う雰囲気に驚愕中の様だ。
だろうね。何時もマイペースで誰か特定の人に優しく(?)声を掛けるなんて・・・あり得ないから。
「んと・・・まぁ眠りなよ。部屋には僕が連れて行ってあげるから♪」
「・・・チッ・・・すぅー・・・すぅー・・・」
舌打ち?そんなにNo.1が嫌いなのかレイヴェアは。
にしても寝るのが早い。男ばかりなのに警戒心が無さ過ぎるんじゃないか?
「り、リーダー。そいつは・・・」
「僕の客人(人質)だよー?レイヴェアってグリスフィールド学園のトップ中のトップらしいよ♪」
「あ、あの学園の!?・・・通りで強い訳だ」
・・・私も一応トップ中のトップなんですけど。私とレイヴェアの反応に差がある様に思えるのですが?
「・・・その小娘は何時まで此処に?」
レイヴェアと戦っていた男がリーダーに問う。顔が真剣なのが気になるな。
「んんー?当分は居るよ~。・・・どうして?」
「いや・・・また戦えるかと・・・」
なるほど。レイヴェアを気に入ったって事か。あれ?リーダーが複雑そう。
「ま、あ・・・レイヴェアの事だから喜んで相手をしそうだしね~」
「「「「おおおお!やったぁぁぁ!」」」」
・・・なんだこのムサ男共は。私には全然反応しない癖に・・・レイヴェアには感激で雄叫びだと?
イチド・・・コロシテヤロウカ?
「くすくす・・・ファイブちゃん?その剣は何かな?」
「・・・いえ、ただ、ゴミの、駆除を、です」
「あ、そう♪じゃ、僕はレイヴェアを連れて行くから、好きにしなよ♪」
「・・・はい」
訓練場は再び戦場と化したのは言うまでもない。
「ま、まさかあそこまでNo.5が怒るとは・・・」
「何時もはのんびりな感じなのになぁ・・・」
「ああ、恐ろしい」
「・・・ゴミ。まだ、残って、ましたか」
駆逐が始まった——。




