14話 きらきらきらきら〜きらりん☆ ああ、現実逃避ってやつですねこれ。
うわぁい。もっふもふだぁー。きっらきらだー。やふぅ。にゃはぁ。
・・・で?僕に一体どうしろと?
「・・・暇です。カナレートリアさん。・・・キャナたん?」
「・・・せめてカナ。キャナタン、って・・・誰」
相変わらず暗い子ですね。
周りはきらっきらで目が眩むほどなのに・・・カナの周りは・・・あれ?カナリア、でいけるんじゃない?・・・こほん。兎に角カナリアの周りはしっかりと見ることが出来ます。
「・・・部屋、気に入らない?」
「人質としては気に要りませんね」
なんですかこのきらきらで一部の者に不愉快感を与える無駄に豪華な部屋は!
僕、一応人質ですよね!?人質としては、もっと陰険なじめじめした牢屋みたいな所が好ましいと思うのですよ!
なのにこの待遇は何でしょう!?
僕はお嬢様でも姫でもない!令嬢ですけど!いや、嬉しいですけどね!
「・・・リーダーが、最高の、御もてなしをしろ、って・・・」
「リーダー?」
「・・・リーダー」
話が通じない、だとぉ?
まぁ最初から期待はしてませんけど。
カナリアのキャラと、ある組織の者だということから。
がちゃ・・・
「あれ?もう動けるの?腕、折れてるのに」
誰でしょう。この謎の少年Xは。無邪気ににこにこと・・・そういうキャラは僕のものだぁ!
次から次へと新キャラ出てこないで頂きたい!
「・・・うん。何を考えているかは分からないけど・・・何となく分かっちゃうんだよね」
分かられたら怖いです。真剣に。
「ええとね・・・僕の事は《エアレズ》とでも呼んで?本名は秘密♪」
てへ、が似合う系の人ですね。俗に言うショタ。
いら、っと来たのは秘密♪
「僕はレイヴェア。よろしくお願いします」
何をでしょうね?
「それで・・・何の御用でしょう?豪勢な御もてなしは有り難いのですが・・・兄と離されたのがどうもイラつく原因の様なんです。出来れば颯爽とお返し願いたいのですが・・・」
笑顔で言ってやりました。
ま、エアレズさんも笑顔ですから、あまり効果は望めませんね。
「ううん・・・ごめんね?君にはもう少し此処に居てもらうよ。不自由はさせないから」
「既に不自由しているので申しましたのですがね」
「ん~・・・まぁそれ以外は不自由させないから♪」
挑発に乗らない奴は好きではありませんね。何も面白くありませんし。
え?今面白さを求めるな、って?やだなー僕は何時だって面白さに生きているんですよ?
「じゃ、僕は仕事があるから行くね?」
そう言うエアレズさん。無警戒で背中を見せるのは自信があるからでしょうか?それとも僕は警戒する価値も無いという事でしょうか?
どうでもいいですが・・・忠告はしておきます、ね?
「・・・クレイト様は兎も角、レクヴィオに手を出せば・・・怒りますからね?」
ざわり
空気が張り詰めたのは気のせいではありませんよ?
さて、僕の殺気はお気に召しましたかエアレズさん?
「・・・ふふ・・・君、何でこんなとこに居るの?」
「さぁ?誰かさんが僕を狙ったからですよ。何も、わざと捕獲されたなんて事はありませんよ。くすくす」
エアレズさんとカナリアさんが僅かにたじろぎます。
君達は、ただの絶好の餌だと思っていた僕が、むしろ獲物を狩る側だと気付くには・・・少し遅過ぎたんですよ?あれ?少し、じゃないかな。
くるり
およ?エアレズさんが方向転換されました。
「やっぱ気が変わったよ。そうだね・・・君に僕の狙いってやつを教えてあげるよ♪」
正直興味無いんですがね。
まぁ・・・攫われ、人質にされた僕には聞く権利はありますし・・・。
この少年の想い人を聞くくらいの軽さで聞いておきましょう。
敵さんの目的を教えてもらえるんだって〜。
へぇ〜。 ・・・ふぅーん。 ・・・。
「・・・凄く、気になりますね」
「絶対嘘でしょそれ」




