9話 気のせい?いえ、本当のことです。どんまい☆
「そもそもですねクレイト様。僕はあの時、確かにお断りした筈ですよ?なのにそれを無かった事にしようとしている上に僕の半身であるレクを馬鹿にするなんて・・・。僕にとっては万死に値する事柄なんです。それに僕とレクは言ったでしょう?僕とレクの方が強い絆で結ばれている・・・つまり貴方に僕達の事を語る資格は元より存在しないということです。さて、理解出来ましたか?」
クレイト様が呆然と僕を見続けます。いやん。恥ずかしい。そんなこと言う方が恥ずかしいぃ///
お?クレイト様が元の優しい笑みに戻りましたね。黄色い歓声が聞こえるのは多分しょうがない事なんでしょう。クレイト様は美形ですから。
「ふん。忘れた訳じゃないさ。元より、その時の事があったからこそ俺は今もお前を想っているんだぞ?レイヴェア」
・・・あれ?僕、結構クレイト様を馬鹿にしたはずなのにどうしてそうなるんでしょう?
「・・・やっぱりお前は嫌いだ」
「知っているさ。子供の時にもそんな事言ってたんだからな」
平気そうですねクレイト様。あの時の可愛いヘタレちゃんは一体何処に?
「・・・ああ、そういえば・・・あの時は大きな声での求婚ありがとうございました。おかげで僕達との関係は公の場に広まる事になりましたし、皆さんの言動が優しくなりました。
貴方が必死で僕をレクから取ろうとした事は既に周知の事実。あの時の半泣きのクレイト様も人気者になれたみたいですね。「もっとおおきくなったらむかえにくるから」。それが告白の言葉でしたっけ。子供らしい拙いセリフでしたがおかげで――」
「も、もういい!それ以上は止めてくれ///」
クレイト様が真っ赤になりました。まさしく熟れたリンゴの様な・・・男にやられても微妙ですね。
周りの皆さんも何やら和んだように目を細めています。言葉の攻め方を変えたのは正解だったようです。
「・・・だがな俺の父上や母上はその・・・」
「・・・何やら嫌な予感がしますのでそれ以上口を開かないで下さい」
「お前を俺の嫁にする気満々で――」
だと思いましたよ!だから口止めしましたのに!人の話聞いてますかっ!?
「・・・レイはやらないよ」
「ふん。何時までそう言っていられるかな?」
ばちばち・・・ばちちぃ
おお、電気みたいなのが見える。意外と本気で。
ですが何だかんだ言って仲がいいですねこの2人。
王道で言うライバルって奴ですね。お互いに伸ばしあう・・・伸ばされても困るのでせめて縮んで下さいね。
「・・・なぁ、一応俺も告白したんだけど」
「「ああ?」」
「すいません」
やはり気は合うみたいですね。まぁ互いに潰しあって共倒れでもして下さい。そちらの方が僕は確実に幸せになれるでしょうから。ついでにソラ君も潰しちゃって下さい。粉みじんに。木端微塵に。原型を留めないくらいに。あれ?肉体表現になってましたねいつの間にか。
「・・・レイヴェアさん?ねえ、ナンデダロウネ?トッテモ寒気ガシタヨ?」
「大丈夫です。気のせいではありませんから」
「大丈夫じゃないよねそれ!?」
「大丈夫ですって。ちゃんと想像までに留めておきますから」
「何を想像したんだよ!?てかやっぱりあんたのせいかよ!」
「「煩い!」」
「すいません!」
ふぅむ。やはりソラ君の弄られキャラは何時まで経っても永遠の様です。まぁソラ君にはそれしかありませんけどね。それを無くしたら一体何が残るって言うんですか!
正解・・・ただの動く肉の塊だぁぁぁ!
ソラの扱いが雑になってゆく——。。。
一応神候補の1人なんですけどね〜?




