3話 ・・・ごめん。もいっかい言って?(笑
「・・・」
「ふふふ。レイ様?予想外な客の多さに不機嫌なのは分かりますが令嬢らしくして下さい」
客の多さは想定済みです。不機嫌なのは・・・無意識です。
そもそも僕は何時でも笑顔ですよ?きっと何も知らない人ならにこにこと嬉しそうにしている様に見えているでしょうね。その節穴な目でなぁ!
「そういえば、レクの方にはネルメさんですか?」
「はい。レク様の従者はネルメが務める事になりました」
ふむ。でれでれしてなければいいですけど・・・。それはありませんね。ネルメさんからのトラウマの1つや2つ、余裕であるでしょうから。レクも、僕も・・・。
「ちゃっちゃと終わらせましょうか」
「くっくっく・・・はい♪」
・・・無意識に体が震えてしまいましたが・・・メシスさんのせいではありませんよね?ただの武者震いってやつですよね?
〈さぁーやってきました!今年初の主従決闘の生贄披露会――ごほん。決闘ショー!〉
「「「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」
おい司会。生贄ってなんでしょうかぁ?見世物としての生贄でしょうかぁ?
観客達も調子に乗らないで頂きたい。
〈ルール説明ですが・・・皆さん知っての通りです(面倒くさいので察しろ)!では早速開始するとしましょう!〉
・・・この人凄いですね。マイクで通してるはずなのに心の声を皆さんに伝えた!でも褒められないぞこれは!
〈愚かにもあのレクヴィオ=ティナノールの妹――レイヴェア=ティナノールに決闘を申し込んだのは・・・ローバート家長女――ユリシア=ローバートォォ!!〉
「・・・ねぇ、一応ローバート家って名家ですよね?それを愚かにも、って・・・」
「ふふふ。あの司会者はただものではありませんね。仲良くなれそうです」
そんな事聞いてませんって。てか僕達は一体どんな化け物として扱われているんでしょう?不当です。
〈ユリシア=ローバートの従者はマクオン=データ!騎士団でも有能な若手だぁ!しかし、ティナノール家も負けてはいない!なんとなんとぉ!レイヴェア=ティナノールの従者はあの伝説の放浪者&君臨者――《闇の救世主》・・・メシア=カルビアトレス!!!〉
「「「「「うおおぉぉぉおぉォォォォおおお、おおお・・・?」」」」」
・・・ん? ええと・・・君臨者?伝説の放浪者?
あっはっはー。・・・何それ。さて、その前に・・・。
「・・・1つ、質問いいですか?」
「くすくす、はい」
「二つ名考えたのって誰ですか? ぷ。良くもそんな恥ずかしい名前を・・・ぷふ」
「・・・流石レイ様。目の付けどころが常人とずれていらっしゃる」
「「「「「闇の救世主ぅぅぅぅ!?」」」」」
そういえばそんな話を聞いた事ありますね。
てか反応遅いですね観客者達。
最後の絶叫は僕のセリフの前にお願いしたかったです。
いやーにしても《闇の救世主》・・・。絶対メシアさんだよね?考えたのってメシアさんだよね?
あのメシスさんだよね?
「ぷ」
「レ、イ、さ、ま?」
「っあはははははははは!!!」
さいこーだね(笑)
あのメシアさんがあんな名前・・・。
受けずには居られません!
「・・・お仕置きですか?」
「ゴメンナサイ」
メシスさんの素性が明らかに!
「正直どうでもよかったりしますが」
「レイ様?」
「ごめんなさい。冗談です。驚き過ぎて腸が飛び出そうです。いや、ほんとその殺気止めて下さい」




