7話 有名人?それは権力者っていうんだと思います。
サブタイトルがなかなか思いつかない今日この頃。
面白いタイトルを付けたいです・・・。
「うぅ~。レーイー!ひどいめにあったよー!」
「・・・ぼくもですよレク」
着替えさせられ終わったレクと僕は互いに抱き合って項垂れます。
あ、別にやましい事ではないですよ?
普通の人よりも病弱な僕は、何故か双子のレクと触れていると元気になれるのです。
双子の神秘ってやつでしょうか?
「でも・・・やっぱレイはかわいいとおもうよ///」
「くす。それをいうならレクもかっこいいですよ♪」
お互い恋愛感情は無くとも好きという気持ちは強い様です。
いってしまうと家族愛が深すぎる家族なんです。ティナノール家は。
「こらこら2人とも。そろそろ始まりますから来て下さい」
「「はぁい。にいさまぁ」」
そう言って僕とレクは手をしっかりと繋いで兄様に付いてきます。
家の広い庭では既にたくさんの人が集まって話している。
父様と母様は有名人らしいので、たくさんの知り合いが居てもおかしくはないでしょう。
ですが限度というものを知って欲しいものですね。
つまり、何が言いたいのかっていうと・・・
何で王族が居るのかってことです。
・・・何で?
「言っただろう?父さんは有名人だって♪」
限度を知れって言ってるんですってば。
そんな愉快そうに言われても。
「今からお前達を紹介して回るからな。きちんとするんだぞ?」
「「はい。とうさま」」
「あぁ・・・やっぱ俺の子達は可愛すぎる///」
「・・・父さん。引かれてますよ?」
引いてませんよ? ドン引きなだけです。
流石父様。このド変態が。
「おっと・・・よし行くか」
「まあ! なんて綺麗なお子さん達なんでしょう! 素晴らしいわ!」
「さ、流石ルハイト様とウリューネ様のお子さん達ですね・・・」
「お、おお・・・どうです?我が息子の嫁に・・・」
「では我が娘の婿に・・・」
「ウリューネ様の美貌が受け継がれたのですね!美しいわ!」
「ディオネス様も美しかったが・・・流石ですね」
「ふ、双子・・・鼻血が・・・ぶほっ!?」
挨拶をして回った人達の反応でした。
半分以上が婿に~とか、嫁に~とかで、しかも最後のは・・・流石の父様も殴ってましたね。
僕とレクはずっと微笑んで、何かを言われれば「ん~?」と首を傾げるだけでした。
ほとんどの人が瞬殺でしたね。ふ・・・ちょろいな。
さて、最後は最も避けたく、避けがたい人達――王族です。
やはり王も妃も僕達を見て、その美貌に驚いた様です。直ぐに顔を引き締めてましたが。
大人達が話をしている間、僕達が気になったのは王の後ろに居る同じくらいの年のヘタレ――失礼、顔を真っ赤にした王子様でした。
にっこり
びくぅ
「・・・あのひとおもしろいねレク」
「・・・ぼくはあんまりおもしろくない」
何やらレクが不機嫌そうです。
ただ王子様に微笑んだだけなんですけどね?
む?嫉妬ですか?
「くすくす。だいじょーぶですよレク。ぼくはレクがだいじー」
「/// ぼくもレイがだいじ!」
可愛いな~レクは~。 一応兄だけど。
微笑み合っているのを王子様(仮)は悲しそうに此方を窺っています。
んー・・・何か選択肢が出そうですね。
王子様が仲間にしてほしそうにこちらを見ている。
仲間にしますか?
仲間に引き摺りこむ。
からかう。
見なかったことにする(所謂無視)。
返事が無い。ただの屍の様だ。
みたいな?
何か色々違う様な気もしますが、まあこんなものでしょう。
「レイ、レク。ちょっとクレイト様と遊んできなさい」
クレイト様? ああ、ヘタレ王子様(仮)ですか。
すっごく嬉しそうに見てますね、噂のクレイト様。
まぁ、しょうがないですね。
「はい、とうs――」
「おことわりします。とうさま」
え?ちょ・・・レク?
皆も目を丸くして驚いてますよ?
「レイはぼくの。 クレイトさまにはだめなんです」
レク・・・無表情で言われると何か怖いです。
「・・・とうさま。ぼくたちはもりにいきますね」
「あ、ああ」
僕は無表情のレクの手を強く握って森に向かいます。
この微妙な空気を何とかする為に。
クレイト様もさっきまでとは打って変わって無表情で見つめていました。
生憎、既に背中を向けていた僕は気付く事が出来ませんでしたが・・・。
な、何やらどろどろの恋愛の予感・・・
多分、気のせいでしょう・・・。。。




