33話 俺って・・・もしかして弱い?
「レイ! 逃がさないわよ?」
「はて。何の事でしょう?僕はただ身の危険を感じたので警戒しているだけですよ?」
「じゃあそこから降りなさい。そして潔く私に捕らえられなさい」
「全力でお断りします」
俺の前では目を輝かしたアリサと嫌悪を隠さない目でアリサを見ているレイヴェアさん。しかしレイヴェアさん・・・木の上に逃げるとは・・・そこまで嫌なのか?
グリスフィールド学園は所謂お金持ち学校。そんな学園にダンスパーティーという如何にもお金持ちという行事があってもおかしくはないだろう。
で、レイヴェアさんが何を嫌がっているのかというと――
「さぁ!レイを着飾らせなさい!」
「お断りします!僕の小さなプライドが全力で拒否っているのです!」
まぁ、レイヴェアさんはもと男だからな。ひらひらきらきらのドレスが嫌なのは分かるが・・・。
正直言って、見たい。いやいやいや・・・だって一応学園1の美少女だぜ?しかも惚れた相手だし。
「・・・【樹木】!」
「っ! 魔法はKYなんですよ!つまりKYなんだよソラ君!?」
木に絡め取られたレイヴェアさんが素の口調になりつつ俺を批評。
わっはっは。KYで結構!俺はレイヴェアさんの美しい姿が見たいのだ!
「ふ! ナイスソラ!そのまま部屋へ連行せよ!」
「了解!」
「はーなーせー!」
どがぁ
「ごはっ!?」
なんか殴られた。レクヴィオ様に。
「レクゥぅ!僕の貞操に危機がぁぁぁ!」
おいこら。無い事ほざくな。
それのせいで俺の命に危機が迫っちまうじゃねーか。
「・・・レイ」
「んんー?なに?」
「僕は見たいなレイの綺麗な姿///」
お、おいおい・・・あのレクヴィオ様が頬を赤らめたぞ?
確かにあり得ない光景だがそれであのレイヴェアさんの気が変わるわけ――
「分かりました。レクの為に僕はこの身を悪魔に受け渡しましょう///」
えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
そこでレイヴェアさんも照れちゃうの!?しかも悪魔って言っちゃったよ!そこまで嫌だったのか!?
「ふふ。ありがとうレイ。大丈夫。この犬は僕がちゃぁんと躾けておくから♪」
「はい。後の事は頼みました! 必ず・・・必ず帰ってきてくださいね!」
「ふふ・・・ああ。分かってる。僕の変える場所はそこだけなんだから・・・」
「レク!」
「レイ!」
がしぃ
抱き合う2人。
え?何これ。なんのドラマの感動シーンですか?
しかも周りの方々、何を感動して涙を流しておいでですか?
「さぁ・・・僕が相手だ、犬!」
あれ?俺って何時の間に悪役になっちゃったんだ?
レイヴェアさんは泣きながら(多分嘘泣き)アリサに引き摺られていくし・・・。
周りの人達の視線が痛い・・・。
「う・・・わぁぁぁぁぁぁぁ!!」
どが!
おう・・・おう・・・・・・ぉぅ・・・ぉぅ(反響)
ま、まさか一発でやられるなんて・・・。
がくぅ。
そこからの意識が無いのは必然だと思うんだ。
・・・あれ?何で神候補の俺がただの神候補の血縁に負けちまってるんだ?
レクヴィオ様強過ぎじゃねーの?
変な奴(お前が言うな、というレイヴェアさんの声が聞こえたような気がした・・・)
「まぁ、僕のプライドなんて所詮ありんこ以下なので別によかったんですけどね」
「・・・んじゃあ最初から観念しててよ。余計な犠牲を払っちゃったじゃない」
「あのですねアリサさん?僕ってどういう性格してると思ってます?」
「え?そりゃあ悪い性格で——」
「そこですよ!僕は自分で自覚するほどに性格が悪いんです!その性格の悪さは一体どういうところから評価されているか。それは日頃の行いでしょう。ソラ君を踏んだり、机に細工したり、ソラ君の——を——して——したり!」
「それは初耳だわ・・・で、それが一体・・・」
「そういう事を笑顔でする、というのが僕の印象でして、僕が笑顔の理由は楽しんでいるから!つまり——」
「ああ。つまり、私に対する異常な拒否はソラ君を弄るためだったと」
「ですね」
「性格悪っ」




