29話 軽い?わはははは!何とでも言うがいい!
こ、告白をOKされた・・・だとぅ!?
い、いやいやいや・・・これは巧妙な罠だ。そう・・・正直ぶっちゃけて性格の悪いレイヴェアさんの罠なんだ!
だが、現にレイヴェアさんは「どう?」って感じできょとんとされておられる!返事を待っているんだ!
それは俺がいいなら付き合うよ、っていう合図でしょうか!?
あのレイヴェアさんが・・・あのレイヴェアさんがっ!
はっ。いや、騙されては駄目だ。
性格だけでなく意地も悪いレイヴェアさんだし・・・何だかんだで狡賢くてやり方が汚くて、その上容赦のないレイヴェアさんだ。
俺が今の様に考え込んでいるのを滑稽だとせせら笑っているのかも知れない!
そもそもあのレイヴェアさんが何故俺なんかの告白をOKする!?
まだ会ったばかりだし、殺しあう定めな敵同士だし、つ・・・つり合わない、し・・・ぐすん。
ああ・・・そうだよ。俺なんかがレイヴェアさんとつり合うはずがねぇ。
こんな馬鹿で顔もそこまで良くない俺だし・・・。
良くて美少女であるレイヴェアさんの印象をダダ下げにするだけだもんな・・・。
それに・・・難解な敵が居るじゃないか・・・。
俺が敵うはずがない・・・。
い、いや、まだ諦めるには早い!
例え振られても諦めないのが男ってもんだ!
てか、別に振られた訳じゃ・・・あれ?
そ、そうだよ!OKされたじゃん!
こんな俺をレイヴェアさんは選んでくれた!
今更、周りの非難なんて知ったこっちゃない。
俺は、レイヴェアさんと、生きる!
「レ、レイヴェアさ――」
「ごめん。冗談です」
・・・何でだぁアぁアぁアァァアァアあぁアあぁアア!!!
「それが人生ってものですよ」
諭されたぁぁぁぁぁぁ!?
やっと悶々と悩んでいたのが落ち着いたと思ったら泣き落としですか。
やはり弄られキャラは健在の様ですね。心の底からホッとした、様な気がしなくもありませんね。
にしても意外です。
まさか今頃になってまとも(?)な告白をしてくるとは・・・。
ソラ君の愛は歪んだ系のだと期待してましたのに・・・。ソラ君は見事に僕の期待をいい方向に外れてくれた様です。僕の命の保証が出来ましたね。
ですが・・・何で居るんでしょう?
あのままソラ君がラスボスとして何処かの世界の王に光臨している状態で出会うと思ってたんですよ?
そして「此処で会ったが100年目ぇぇぇ!(笑)」とか言って戦いたかったんですけどね・・・。
僕の密かな夢は、見たとたんに覚めました。
まぁ、夢なんて叶わないからこその夢ですけどね。
実際に僕の「神になる」というのはただの表面にすぎま――・・・過ぎませんし。
多分。
結局恋というのは分かりませんでしたねー。
思わずソラ君を恋人に~なんていう幻想にとり憑かれるところでした。ぶるり。
ああ・・・僕を年頃な女の子と認めない世界・・・。
どうでもいいですけどやっぱり世界って嫌いですねー。あっはっは。
『・・・危なかったわね』
『・・・うん。危なかった』
『え、そう?僕としては面白そうでよかったんだけど?』
『あのねぇ?じゃあ聞くけど、あれとレイがうふふんな世界に居るのを想像してみなさい』
『や、別に僕は・・・ん?あれとレイが?いや、それは流石に・・・』
『さぁ』
『ごめん僕が悪かったよ〜』
『でしょう。でも、ほんと・・・』
『『『レイがあいつなんかと付き合わなくてよかった・・・』』』
レイに従う者としてか、ヘタレに使われたく無いという思いからか・・・それはその3人にしか分からない・・・。




