24話 ふぅ…ん?やっと出番ですか。
俺はまた魔法を展開。
「【神の鉄拳】!」
「【守り】!」
どがぁぁぁぁ!
「ぎ、ぁ・・・」
喰らったのはレイヴェアさん。
また血を吐き散らす。
ここで追撃。
「【水】【雷】【土】!」
どどどどど!
レイヴェアさんはどんどんと攻撃に当たっていく。
「――っ!? な、んで・・・なんで、こんなこと!?」
おお。まだ叫ぶか。
「それはお前も分かっているはず! 神候補として!」
レイヴェアさんの瞳が揺れた。
肯定の合図だな。
どどぉん!
どぐしゃぁ!
レイヴェアさんがやっと倒れ伏した。
微かに身じろぎする彼女に俺は近付く。
「ひ、ぐ・・・は、がは・・・」
苦しそうに悶える。
「――レイっ!?」
おおう。レクヴィオ様じゃないですか。
俺は早く仕留めたいのに・・・なんで邪魔すんだよ。
でも・・・レイヴェアさんが傷つけば傷つくほど、俺はレイヴェアさんへの恋心をなんとか出来るんじゃないのか・・・?
なら彼女にはもっと傷ついてもらわなければ・・・。
もっと・・・もっと・・・。
「くく・・・レクヴィオ様ぁ? 死ね」
どがぁ!
刃がレクヴィオ様を貫く。
それでレクヴィオ様の命が散ったのが分かった。
「ひぃ、ぐ・・・レクゥゥ!?」
レイヴェアさんの顔が涙で揺れる。
笑えてくる。
何故だか無性に面白い。
「はははははは! もっと絶望しろぉ!もっともっともっと!!」
狂ってる。そうは思っても止められない。
体が勝手に動いてレイヴェアさんを甚振りだす。
蹴って、殴って、吊るして・・・。
死なない様に、気絶出来ない様に。
「あ、ぐぅ・・・あ、が」
レイヴェアさんの呻きですら気分が高揚する。
「い、やぁ・・・もう、止めて・・・」
縋りつく声が嬉しい。楽しい。レイヴェアさんが俺のものとなったみたいだった。
レイヴェアさんの震える唇に自分のを重ねる。
「う・・・あぅ・・・む」
レイヴェアさんを好きに出来る愉悦感。抑えられない。
殺す事も俺の自由。レイヴェアさんの全ては俺の物。
レイヴェアさんの服を剥ぎ取ってその身をめちゃくちゃにしたい。
俺にレイヴェアさんのにおいを移したい。
でも――神になる為に殺さなければならない。
なら、レイヴェアさんの全てを俺が奪い取ろう。
その身を、自由を、力を、命を、全てを。
そして俺は愉悦の中へと溶け込んでいく。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
激しい呼吸の中、俺の前には何も身に纏っていないレイヴェアさん。
ただし、その胸には鋼鉄の刃が。
「ぐす・・・レイヴェ、アさ・・・ん」
はは。笑えてくる。
自分で全てを奪っておいて悲しむなんて・・・。
「はは・・・は・・・う、わ・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!」
どんどん出てくる涙。どうして俺はこんなにも悲しい?どうして俺はこんなにも悔しい?
分からない・・・。
ひとしきり泣き終わってから天使に――タブリスに呼びかける。
「・・・おぅい天使ー?タブリスー?」
んん?おかしいな返事が無い。屍になっちゃったか?
指輪になっているタブリスの声が聞こえない。
『――っ――ら!――げろ!』
「? おい? 何処に居るんだ!? 声が聞こえにくいぞ!?」
『――ソラ! 逃げろ!』
「え?」
がしゃあぁぁぁぁぁん!
「っ!?」
空間が割れた。
その文字のままに。
全てが画面だった様に粉々に散っていく。
こえー! 俺も粉々に・・・なってない。よかった。
「・・・何が・・・?」
そう真っ暗な世界で呟く俺に、聞きなれた、それでいてもう聞く事はなかったはずの声が聞こえた。
「くすくす。どう?貴方の見た幻は最悪、でしたか?」
全てを奪ったはずの、レイヴェアさんが、そこに居た。
《最悪な幻》&《深層接触》の応用!!
説明書けなかったので後書きに書きました~




