22話 やだな~。ちゃんと物語は進みますよー。
今の状況。
俺は一方的な虐殺を見ている。
以上だ。
「あれ?もう放心してなくていいんですか?」
「・・・ああ。もういい・・・うん。もう、いいんだ・・・」
ふむ。まだ回復には時間が掛かりそうですね。手短にお願いしたいですけど。
ぐしゃ
おっと。肉塊を踏んでしまったようです。
折角汚れずに済ませたのに・・・後でソラ君で拭きますか。
「・・・もういーかーい?」
「まーだだよー・・・」
まだですか。本当に拭きますよ。
「――レイ。先生が遅いから見てきてくれって・・・」
お出迎えが来ましたね。
「・・・大丈夫だった?」
「僕は一応」
「「さて、帰りますか」」
「ええぇ!? 俺は!?俺の心配はないんですかぁ!?」
「ああ、生きてたんだ」
「残念ですね」
「そのまま」
「虫どもの餌に」
「「なればよかったのに・・・」」
「酷い!? まさかのレイヴェアさんまで!?」
「僕は元々こうですよ?」
「だね」
ほほほほ~。やっぱりこういう弄りキャラは面白いなぁー。まるで僕達の為に存在しているみたいで。
もう、その身を僕達に捧げたら・・・楽になれるのにね?
「・・・あれぇすっごく寒いんだけど・・・?」
「それは大変ですね。早く帰りましょう。そして早く暖をとらなければ!」
「そうですか! ではぜひともレイヴェアさんのその身で俺の――」
「レイ。今日も部屋に行くね」
「はい。では今日も、真夜中にどうぞ」
おお、見事にソラ君が撃沈しましたね。そんなに意味深なところを強調したのが効いたのでしょうか。そもそも入り込む余地なんて最初からないほどに僕達はラヴュラヴュだというのに・・・。にゃははは。
「にゃはは――・・・にゅ!?」
レクの差し出された手をとると、流れるようにお姫様抱っこをされました。
「にゅーにゅー」と喚いても効果は無いようです。そもそも喚いてはいませんけど。
「・・・ああ、今この辺りは血と肉で埋め尽くされていますよねソラ君」
「? ああ」
続けてレクが口を開きます。
「つまりは早く離れないと同じ状況になるって訳だ」
「え・・・ええっ!?」
「ですので僕達は早急に帰りますが・・・」
「果たしてお前は醜い肉塊にならずに済むかな?」
「「ふふふふふふ・・・【転送】!」」
「き、ったねぇーーーー!?」
ふふふ。ソラ君はきっと還ってきてくれると信ジテマスヨ?え?漢字が違う? あは♪
「・・・た、助けて」
そう呟く俺の声は虚しくも響くのみ。 いや・・・遠くからの駆ける音に消されるのみ。
うん。まさしく絶体絶命だね♪
てかあのレクヴィオ様めぇ・・・颯爽と現れて俺のレイヴェアさんを攫って行くなんて・・・許すまじ!
・・・さて。どうしたもんかな。この大群の魔物達。
さっきは思ったよりも強かったレイヴェアさんが倒してたけど・・・それよりも多いんじゃね?
「はぁ・・・やるしかないか」
そう言って俺はレイヴェアさんと同じ様に無詠唱で魔法を行使する。
ザシィ
ブシュゥ
ズドォォン!
一瞬。
その魔物の大群は一瞬で無残に俺の前で塵と化した。
「はっ雑魚共が」
『・・・く、きゃははは!そういうてめーも雑魚だろーが!』
ぐさ!
こ、心に10のダメージ・・・。
その俺の心に傷を負わせた声に俺は呟く。
「て、天使!・・・お前は俺の恋のキューピッドにはなってくれないのか!?」
『・・・はぁ?お前気付いてなかったのかぁ?』
「は?」
『あのレイヴェアっていう(お前とは世界が違う)美少女はお前と同じ、神候補、だぜ?』
・・・え?
まぁ…ベタなあれですね。
正体さらすの早かったかな~とか軽く悩んでみたり…




