21話 主人公が君だとこの世は終わりですねー。
謎ですね。
本当に謎ですね。そんな謎さっさと消えてしまえ。この屑。そう――
「貴方の存在が」
「えっ? な、何? 俺の存在が?」
おっと、つい口が・・・。
ま、相手はソラ君しか居ませんが。
実際に今、この場には僕とソラ君しか居ませんけどね。レク、不機嫌なんでしょうね~。
まぁ僕とソラ君、といっても人は、ですけどね。周りにはざわざわざわざわとたくさんのひとが居ます(笑)
「・・・なぁ、レイヴェア・・・さん。何でこんな事になったんだ?」
時を遡って勝手に考えてください。
僕を面倒事に巻き込むな。こうなったのは全てソラ君のせいですよ?
そう。レクヴィオ様(って呼ぶように脅された)にお仕置きという名の拷問をされた後の事だ。
授業の一環での実習を行うことになった俺達はペアを組むことになったのだ!
レクヴィオ様は生徒会。アリサとルイス(最初の友ともいう同志)は既に決まっている人と。
で、レクヴィオ様とペアを組んでいたレイヴェアさんはフリー。
転校生の俺もフリー。あいあむふりー!自由は大切だ! ・・・ごほん。
つまり、必然的にレイヴェアさんとペアになれるって訳だ!
きゃっほう! やったね!
こういう時に俺の様な主人公体質が役立つってもんだ!
レイヴェアさんはまさしく俺のヒロイン!
で、勇ましく森に入ったのはよかった。
魔物とかをばんばん倒して、ヒロインのピンチを颯爽と助ける。
とか浮かれてた俺は馬鹿だよね?
まだ魔物なんて見たこともないただの善良(?)な一般市民である俺に倒せるはずないよね?
あと、(?)の位置がおかしいと思うんだ。なんで善良のところが(?)になってんだよ。
まぁ、言っちゃうと・・・レイヴェアさんのピンチを助けるっていうのを実現しようとしてミスった訳ですよ。テヘペロ☆ ・・・さむ。
タイミング悪く現れた魔物の子供を怒らせちゃって、怒ったそいつは粉(仲間を呼ぶやつ)を撒き散らして俺らの服に付着させて、逃げようとすると躓いて・・・。
うん。全部俺が悪い。最後に至ってはただのドジ。しかもレイヴェアさんの目が生温かった。てかさり気無くドン引き。
せめて冷たく見て欲しかった・・・。そっちの方が・・・何かと開き直れそうで・・・。
・・・正直どうでもいい内容が多かったですね。ソラ君に回想させたのが間違いでした。
後、生温かい目でみたのはわざとです。言いませんけど。
「・・・それで?正義のヒーロー様はピンチに陥った姫を助けられるんですか?」
「・・・あ、あは」
無理だそうです。
はぁ、溜息が出そうですよ。
「はぁ」
あ、出ちゃった。
ソラ君の目がうるうるとし出したのは自分の情けなさにやっと気づけたからでしょうね。
「さて、そろそろその醜い歯をしまってもらいましょうか」
ソラ君の言いたそうな主人公っぽい決め台詞を言ってみました。
あは。ソラ君がみるみる萎んでいく♪
そのまま萎れてからからの干物になってしまえこの屑。
レクヴィオ「——そろそろ帰って良いですか?」
?「いやいや生徒会長が何言ってんの?」
レクヴィオ「帰りたいと」
?「・・・妹の元へ?」
レクヴィオ「何を当然の事を」
?「生徒会長が生徒会を抜け出すのが当然だと。馬鹿かあんたは」
レクヴィオ「か、え、ら、せ、ろ」
?「その微妙な笑み怖い!でも駄目だから!それが私の仕事なの許してぇぇー!!」




