20話 出会いとは不思議ですね・・・とか黄昏れてみたり(笑)
『・・・ああ聞こえますかレク?』
『聞こえるよレイ』
『転校生が僕の手を握ってます』
ぷつん――
「なぁなぁなぁ!あんたの名前はなんていうんだ!? 俺はソラ!よろしくな!
いやー・・・こんな美少女の隣なんて・・・あり得ねぇほど嬉しいぜ!」
陽気に語っているソラ君にルイスさんが耐えられなさそうです。
「お、おいそれくらいにしとけよ転校生」
「え? 何でだ?」
おっとソラ君は思っていたよりも馬鹿な様ですね。
普通こういう美少女に話しかければ周りの男子の視線が痛いものなんですけど・・・それすらも気付いていながら無視。いい度胸ですね。
「いや・・・だってレイヴェアさんには・・・」
がらぁぁ どがぁぁぁぁん!
「「「「!!」」」」
・・・レク。扉が爆発しましたよ?いや・・・流石ですけど。
「き、きたぁ・・・レクだぁ・・・」
ルイスさんの怯え様が半端ないですね(笑)
伝えたの僕ですけど・・・連絡して1分後に来るとはね。
「・・・レイ?レクヴィオ君に伝えたの?」
「ふふ。さあどうでしょう」
僕とレクは満面の笑顔。
さて、やっとソラ君も状況が分かってきた様です。
見たこともないくらいの美少女。オッドアイとかさいこーに似合うんだぜ!?しかも優しく微笑むその表情。やばいやばい・・・鼻血出そう。
がらぁぁ どがぁぁぁぁん!
・・・え?扉が爆発した?
てかそこに居るのはレイヴェアさんと全くそっくりの美少年。
オッドアイも左右逆で・・・違うのは髪の長さくらいか?
兄妹か?いや、双子!すっげー。美少女&美少年の双子とか・・・あり得ねえ。
「・・・レイ?レクヴィオ君に伝えたの?」
「ふふ。さあどうでしょう」
・・・なんだろ?何かすっごく不吉な会話だ。
いや、にしてもいい笑顔ですね。双子さん。
男の方は黒い笑みにも見えますけどねぇ?
「――ふふ。レイに触ったね?」
「え・・・?」
こええぇぇぇぇ!?
なんだこの黒い笑みは! はっ。まさか俺・・・パンドラの箱を開いちゃった的な・・・?
「ふふふ。お仕置きが必要、だよね?」
き、やぁぁぁぁァ!!
「くすくす。お疲れ様レク♪ ソラ君も」
「・・・」
およ?まるで廃人の様な虚ろな目をしてますよソラ君?
ああ、きっと地獄を見たんでしょうね(笑)
「じゃ、早速紹介しますね。 僕はレイヴェア=ティナノール。で、こっちは僕の双子の兄、レクヴィオ=ティナノール。ああ、僕の兄は超がつくほどの過保護ですので気をつけて下さいね♪」
ソラ君ががくりと崩れます。
先に言えよ、ってことでしょうか?生憎、僕はそこまで甘くはないんですよねぇ。
ああ、そういえば家も何もないというソラ君の保証人はアリサさんらしいです。
アリサさんが拾った、面白い拾い物ってところでしょうか?
まさか前世の僕の世界の人と会えるとは思いませんでしたよ。
ですが、謎ですね?
あの世界は僕が滅ぼした筈ですのに・・・。
??「ふむ。面白くなってきおった♪」
??「仕事しろくそぼけじじぃ、でございます」
??「・・・最後の敬語、どう考えても付け足したよね?もう必要なくなってないそれ」
??「何をほざいておられるのでしょうかこのいぼいぼ野郎様は」
??「悪意しか感じないんだけど」
??「ああ・・・遂に耳まで・・・」
??「いやいや、君の口が悪くなってるから」
??「私の耳は見事な曲線を描いた芸術です。馬鹿にする気ですか?」
??「いや知らないし!?・・・あれ?何の話してたんだっけ?」




