16話 僕達はただの戦闘狂。え?変人じゃないよ?
「今日の魔法学は実際に対戦します」
また魔法学(実習)の始まりの様です。
まともな勉学の方を描写しないのは作者がそういうのが苦手だからでしょうね。まぁ勉学の方は何の面白みもないので僕としては嬉しいんですけど。
「――という訳ですので、レイヴェア=ティナノール対レクヴィオ=ティナノールの対戦を始めます」
およ?何故にこうなったのでしょう?
「・・・聞いてなかったのレイ? 実力者同士の戦いを見た方が身に付く、ってことになったの」
簡潔な説明ありがとうございますアリサさん。
どうしてそういう説明は頭が回るのに、他の事では回らないんでしょう?使えない頭ですね。
「・・・早く行きなさいレイ。なんだか私は無性に貴方を殴り殺したい・・・」
お、おおぅ・・・鋭いですねアリサさん。
しかも殺気が本気の様です。やばいやばい。
「・・・んー久しぶりだね。レイと闘うのはー」
「そうですね。基本、ほとんどの事が久しぶりだと思いますが」
「そだねー。あ、ルールなんだけど・・・あれで行く?」
「最初からそのつもりでしたが・・・」
「ふふ。だろうと思った♪ ――じゃ先生。ルールはティナノール式でやりますね」
その急な問いかけにも動じずソラーテさんは了承します。
「危険がないのなら」
と。
なので勝手に解釈しましょう。
生徒達に危険がないのなら――と。
レクもそのつもりの様ですし?
「きゃーレクヴィオ様ぁ! その麗しい容姿で私を射止めて下さってー!!」
既に射止められてるのでは?何をほざいているんだこのアマ。
「はうぅ/// レクヴィオ様が私にウインクを・・・」
してないしてない。ただの瞬きだから。貴方のその愉快な節穴な目、大丈夫ですか?一度病院に行きましょう。
「もててますねレク」
「・・・レイもね」
「うおおおレイヴェア様ぁぁ!どうぞそんなすかした奴なんぞ刀の錆になさって下されぇ!」
何処の侍だ。
「レイ様ぁ。その美しい瞳を私に!」
え、痛いよねそれ。眼球なんぞを何に使うつもりだ。・・・え?違う? どうでもいい。
「・・・ルールは2つ」
「・・・1つは魔法の制限」
「上級魔法、中級魔法の禁止」
「そしてもう1つは勝敗の付け方」
「「それは・・・」」
ドンッ!
と地面にクレーターを作りながら飛び出します。
勿論2人、同じタイミングで。
僕は蹴りを、レクは拳を空中で放ちます。
衝撃波を作ったそれらがぶつかったとき、僕達は口元を弧に歪めながら高らかに叫びます。
「「四肢の内の1本を奪う事っ!!」」
勿論ソラーテさんは止めようとしてましたが・・・もともと戦闘狂な僕達ですから、戦いの途中で止まるなんて事はしません。
だから僕達は・・・楽しく、戦います。
お互いが誰かに傷つけられる事は許せないけど
お互いを傷つけるのは信頼しているからこそ許せる・・・みたいな感じでしょうか?
レイとレクは壊れているというか・・・歪んでいるってことなんですけど、どうでしょう?




