14話 ・・・大丈夫でしょうか。・・・扉。
授業はトップで終了し、殺し屋の男は見事にお金に変身したのでうはうはな僕は自分の部屋に居ます。
勿論(?)レクも一緒に。ああ・・・アリサは邪魔なので記憶を消してソラーテさんに渡しました。
そういえばあの殺し屋さんは何で森で襲ってきたんでしょう?あそこは一応関係者以外立ち入り禁止だと聞きましたが・・・。
「あーーー」
「うん? どうかしたレイ?」
「特に何も」
「そう」
たまに壊れてみたいお年頃な僕です。
暇だし。・・・暇で壊れてたら身が持ちませんね。既に壊れてますね、はい。
「それで・・・どうかしましたかレク?」
てか用もないのに男子が女子の部屋に来るのはどうかと思うよ。まぁ僕にとっては(レク以外)になるんだけど。
「んー? 特に何も」
むーん。同じ問いに同じ答えを返されました。
流石双子・・・なのかな? わざとにしか見えないんだけどレク君?
ふわり
お、髪を掬われました・・・神を救われました? いえ、言ってみただけです。お気になさらず。
それにしても・・・むむ・・・僕の髪が弄ばれている・・・だとぅ!?
もしこの髪が女子であればきっと悶えている柔らかでいて大胆な触り方!
レク!君は一体どこでそんなテクを身につけたのですか!レクが女に現をぬかす様に育てたのは――僕ではありませんよ!?
「はふ」
レクの長めの髪に噛みついてみました。仕返し・・・になりませんでしたね。レクはすっごく満面の笑顔です。
まるでお転婆な子供を見る様な、あやす様な、女を誑かす、様な・・・優しい笑みです!
「ふふ」
「う、にゅ~ぅ・・・はむはむ・・・」
もしゃもしゃもしゃ・・・ぺ。流石に双子の髪とはいえ食べれるものではありませんね。
自重しましょう。
べったべたになった髪に一瞥するレクは何やら黒い笑みです。怖いです。魔神です。閻魔様――メシスさんですね。・・・あれ? ・・・あの人の影響ですかっ!?
と、そこで気付いたのですが・・・僕はレクにぴったりなんですよね。
髪を食べる為(不味かったけど)には必然的にそうなるんですけど。にしてもレクの膝の上は落ち着きます。片手で支えられてますから落ちる心配もなさそうです。なんて便利な椅子(と思う事にしましょう)なんでしょう!
「ふふ。いい子いい子~」
「にゃふぅ」
おお、なんて見事な撫で具合!
猫撫で競技で1位になること間違いなし!そもそもそんな競技存在しないので1位は確実!
うん。どうでもいいなこれ。
がちゃびたーん!
「レイ! わざわざ気を失った私を運んでくれた(引き摺って)って聞いたんだけど、それを・・・ありがとう、って・・・伝え・・・に・・・それで・・・一緒にご飯・・・どうかな・・・って・・・・」
ふむ。気付くのは早いのに頭の回転はずば抜けて遅い様ですねアリサさん?気付いてもセリフを言い終わるまで理解出来ないとは・・・。
それと、扉は大切に扱って下さい。ばたん、どころかびたーん、って効果音になるのはおかしいですよね?それで壊れない扉は何を使った扉なんでしょう。少しながらでもほぼない好奇心ってやつが反応しそうですね。
「ええと・・・」
混乱ですか?
「きゅう・・・」
ああ、気絶ですか。それはまた面倒くさい事を・・・。
「アリサさんは僕の部屋で保護する事にしましょう」
「んー・・・じゃ、僕は帰るね。またね」
レクは名残惜しげに髪を撫でてから出て行きました。
ばたん。
ふむ。扉は正常に機能しているようですね。安心しました。
「う、ううん・・・ああ、そんな///レイ・・・レク君と何を・・・うにゅう・・・」
「・・・激しく気になる夢をご観覧されてますね」




