10話 余波?悪いとは思いますよ。一応。
結果。
子豚さん達は家畜になりました、と。
ふうむ・・・予想外ですね。
まさかここまで僕の信仰者になるとは・・・。
試してみるものですね~。精神的な教育という名の拷問(笑)と、使いどころが破滅的にない魅力。
「ああ・・・ああ・・・レイヴェア様ぁ~」
恍惚そうに語られましても。
「あれレイ?・・・何やったの?」
「あ、レクですか。何って・・・ふふ・・・躾、ですよ」
「ああ・・・なるほど」
まぁ、居ても邪魔にはならないでしょうし、良いパシリが出来たと思えば・・・。
レクもこれで少しは楽な生活が送れるでしょう。
「じゃあレイ。そろそろ遅いから女子寮まで送るよ」
「ええ」
さて、流石の僕も年頃な女の子なので手を繋ぐには少しばかり抵抗があるものなんですが・・・。
はて。何故何とも感じないのでしょう?
むしろこれが普通過ぎなのでしょうか?
「・・・まぁ、いいですけど」
数日が経ち、ここ最近は何事もなく(途中で女子たちに呼び出され、家畜が増えた事を除けば)平和な毎日でした。今日も実習の始まりの様です。
「-―ではこれより森に入っての実習を行います。5人でペアを作ってください」
らしいのでペアを作ろうと動くのですが・・・見事に余りました。
ふむ。嫌われたのでしょうか?
「あー・・・と・・・ほら実習の時は慣れた人とじゃないと失敗しちゃうし・・・ね」
アリサさん。慰めるのならペアになってくださいよ。よく居る偽善者キャラですねぇ。
「そうですね・・・ではレイヴェアさん。レクヴィオ君と組んで下さい。2人でも十分大丈夫でしょう」
ソラーテさん・・・ありがたいですけど、やっぱり嫉妬の目が痛いです。
女子からは嫉妬と羨望。男子からも羨望。
レクに至っては男子から悪意びしびしですけど。
「僕は全然構わないよ♪ むしろ願ったりかなったりだからね」
レク・・・空気を読んでください。視線が痛いんですって。
「なんであのレク様が!?」
「うそぉ!」
「妹のくせに!」
「ああ、微笑まれるレク様ぁ///」
「レク様とレイ様、とても絵になりますわぁ///」
「あう・・・赤い液体が///」
おい後半のやつら。何を妄想してやがる。特に最後。どう考えても興奮し過ぎで鼻血出てるんじゃねーか。変態共め。
「・・・あー・・・ルール説明ですが、森に入ってEランク以上の魔物を狩って来る事。横取りなど、違うチームの邪魔になる事はご法度。第一に安全を考えて行動してください。では、始め」
おおう。早いですね。
にしてもDランクですか・・・ランクはよく分かりませんね。兎に角魔物を狩ればいいんでしょうか?
「・・・楽勝だねレイ。あ、でも・・・メシスさん達にランクの事、聞かされてる?」
「全く」
「・・・森で教えるよ」
「ありがたい事この上ないですね」
魔物なんてメシスさん達の特訓が始まった初日に倒しましたよ。倒さざるをえませんでしたよ!
確か、あの時の倒したランクは・・・はて?なんでしたっけ?
「じゃ、行こっか」
「はい」
そう言いあって同時に足に力を入れ、勢いよく森に飛び込みました。
後ろで悲鳴が聞こえましたね。僕達が飛んだ衝撃が原因でない事を願いましょう。
淡い願いでしょうが。
どうっ!!
「っきゃぁ!風が!」
「っちょ!?スカートが!」
「うわ!目に砂が!」
「ぐ、ごはぁぁぁあぁ!?レクに足蹴に!?」
一番被害にあったのはルイスさんだったとか・・・。




