8話 龍〜。もしくは竜〜。の、パチもんです。
レクと一緒にクラスメイト達に向き直り、片手どうしをレクと合わせて・・・一礼。
「「では皆さん。僕達のショーをお楽しみください」」
むー・・・やはり見事に揃いますねー。
おお。アリサさんの驚き顔が面白い。今度もやってみようか。
「ええと・・・何をするのです?」
「「ショー、を少しだけ」」
くすくす
レクが「【炎】」と呟いてまた竜を作ります。
そして僕も無詠唱で同じ竜を。
ぼぼっ
「む、無詠唱!?」
「しかもレクヴィオ様と同じ!」
「す・・・ごい」
お褒めに与り光栄ですね。
レクと僕の2体の竜が空を舞います。
それだけで結構幻想的になりますが・・・と。
今度はもう片方の腕から竜を作ります。
勿論、レクと全く同じタイミングで。
ここで注目なのは竜の色ですね。
2回目に出した竜の色は、レクは蒼色、僕は白に近い蒼。つまり水魔法と氷魔法ですね。一応初級・・・と教わりましたが、メシスさん達は信用出来ませんね。今思うと。
まるで戯れるように混ざり合う4対の竜達。きらきらと光を乱反射します。
本物の大きさには負けるとはいえ、その美しさは実物そっくり!
あはは、なんのぱちもんだよ。
何処の商売上手だ。
「・・・綺麗」
お。おぉ・・・おお。まさか最初の感想を言うのがルイスさんだとは・・・ねぇ?貴方そんなキャラでしたっけ?
「「「おおおお!!」」」
「さ、流石ですね・・・文句なく満点です」
どうも。
フッと一気に竜達を消します。
「・・・ふふふ。久しぶりに合わせられたねレイ♪」
「そうですね。前にやったのは・・・8歳でしたか?」
「えぇ!? 8歳からこんな事出来てたの!?」
アリサの驚きももっともですね。やはり8歳から出来るのは異常でしたか。でも魔法は8歳から使っていいはずですけど・・・。まぁ、今更その事に気にはしませんが・・・。
「まぁ・・・無駄にスパルタな地獄の番犬的強さの腹黒い従者にみっちりと教え込まれましたから」
「え・・・あ・・・そう」
「・・・やっぱりまだ健在なんだあの人・・・チッ」
おおう?レクって意外とメシスさんが嫌いでしたか?
・・・好きなもの好きはネルメさんくらいですかね。自覚なさそうですけど。
「す、げーのなお前ら・・・。流石ティナノール家ってところか?」
「あ、違いますよルイスさん」
そこは否定しとかないとねー。
「? 何でだ?」
「だって」
「僕達が」
「「異常なだけだし・・・」」
「・・・きっちり揃えて言う必要はないんじゃないか?」
「「え、あ・・・それはしょうがない事の1つ」」「だし」「ですし」
「・・・そこまで行くと爽快だね、もう」
あ、それは言えますね。
アリサさん、爽快そうだと言いつつも呆れ顔なのは・・・普通に呆れてますよね~。
「お、っと・・・僕はそろそろ生徒会があるから」
「行ってらっしゃい」
ちゅ
あ、額にキスされましたね。
そういえば子供の時も何度か――
「・・・?どうしましたかアリサさん?」
「い・・・や・・・何でも・・・?」
疑問形で言われましても・・・。
まぁ言いたい事は分かりますよ。
・・・ええと・・・キスしたことですよね?
「・・・ねぇルイス。今のって・・・」
「あ、ああ・・・あれは・・・」
「「夫婦」」「だな」「だね」
そんな会話があったのは意外と近くに居た僕は気付きませんでしたが、一致団結でクラスメイト全員が思ったそうですよ。
何処のいちゃいちゃらぶらぶの夫婦だよ、と。
ごめんなさい。冗談です。
ショーの少し前・・・
「・・・あれ、ほんとにレクヴィオ=ティナノールだよな?」
「て、天使にみえた」
「「は?」」
「っや冗談!冗談だよ・・・うん」
「まぁ、あいつはイケメン中のイケメンだしな。それはこの世の全てが認めるぜ、きっと」
「てか、あいつのあんな笑顔見たのって・・・初めてだよな?」
「ああ。明日隕石でも降ってきて世界滅ぶんじゃね?」
「言える」




