6話 僕の嘆き。レクがメシスさん化してるぅぅ!?
午前中の授業は普通の勉学。午後は主に魔法の授業というのが学園のやり方だそうです。
正直、勉学に関しては楽過ぎでした。
まぁ、教え込まれてますしね。地獄で。
で、昼休みにて。
「へぇ、レクヴィオ君も凄いけど、レイヴェアちゃんも凄いんだね!」
そう言って話しかけてくるのは一番最初に質問してきたアリサ=スカーレットさんです。
一線をおいて傍観している人達とは違い、気軽に話しかけてくるので気が楽ですね。
「アリサさんも凄いんでしょう? スカーレット家は有名ですから」
「やだなーそんな事ないって/// そんなお世辞はいらないよー」
すいません。完璧にお世辞でした。
だって初対面ですしね。
「それで?レイヴェアちゃ――さん!は! 魔法も得意なんですか!」
と、言うのはルイス=カレオンさん。レクの友達(?)らしいです。
まぁ、僕の事をちゃん付けで呼ぼうとして睨まれてましたが。おかげで質問が何かの宣言みたくなっちゃいましたね~。
・・・仲、いいんだよ、ねぇ?
「魔法、ですか・・・。まぁレクよりは得意かと思われますが・・・。 あれ?どうかしました?」
比較した方が分かりやすいと思ってわざわざレクの事も言ったのですが・・・んー?何故か周りの人達が硬直しましたねー。今なら顔に落書きしても気付かれ・・・ますよね、流石に。
「そ、それ本当!? レクヴィオ君よりも、って・・・」
「・・・子供の時は、確かに」
「僕はどっちかっていうと肉体強化で戦う事が多いから、レイの方が得意だと思うよ?」
レクがあっさりといいます。何かあるんでしょうか?
「れ、レクヴィオの奴はなこの学園で最強の成績を出しているんだぜ!?それよりも上って・・・」
ほう。それは初耳です。想像はしてましたけど。
驚いている事は分かりましたが・・・少しは想像ぐらいしててもおかしくはないと思うのですがね?
「その分、僕の方が体が弱くて病気にもなりやすいんですよ」
「え、ちょ・・・レイヴェアちゃんって――」
アリサさんがわざわざ身を乗り出して声を顰めます。
「僕っ娘?」
ああ、そっちですか。
せめてそこはスルーというスキルを活用していただきたかったですねぇほんと!
しかもこの静かな空気の中で言うからダダ漏れなんですよね!
「・・・一応」
くぅ・・・何か耐えられないこの沈黙!
何が悪いって言うんですか!? 前世が男だったんですって自白しろと!?
くそぅあの天使め!
『え、私!?』
「・・・レク」
「ふふふ・・・どうしたのレイ?」
レクがほくそ笑んでいる・・・。うう、何か悔しいぃ。
「・・・次の授業に行きましょう」
「そうだねー。次って昼食だけどね?」
「・・・」
レクが笑っています。
この感じはまさしくメシスさん!
一体何時の間にメシスさんに汚染されたと言うのでしょう!?
レクが・・・レクがぁぁぁぁ。
勿論心の中の絶叫なので、その嘆きを知られる事はありませんでした。
「・・・レクの、馬鹿」
「ふふふ♪珍しいねレイがそんな事言うなんて。しかも目に涙ためて頬をうっすらと赤らめて、更に上目遣い!しかももじもじとした動きつき!流石僕のレイ!」
「・・・観察能力ガヨクナッタンデスネ〜。ソレハナニヨリデス〜」
「ふ、2人とも。違う意味で怖いよ?」




