1話 僕は子供から少女になりました。キラッ☆
2章目です!
15歳になりました。
え?早い?
当たり前です。
あんな地獄の様な日々は記憶から抹消しましたのではしょりましたし。
さて、この世界には名前がないそうです。
無名――というと聞こえがいいですが、実際は・・・ただのゴミの世界、だったら怒りそうだなぁ、僕。
まぁ兎に角、この名前の無い世界では8歳から学校――学園へ行く事が出来ます。
それはもう美少女に育った僕――レイと、その双子の美少年――レクは未だにいちゃいちゃらぶらぶなのです。
冗談です。仲の良い双子です。というより、今は離ればなれです。
で、学園なのですが・・・家柄の都合で俗に言う金持ち学校に行くのが当たり前。
ただし、病弱な僕は魔力の暴走のせいもあって学園に行く事が出来ませんでした。
大変だったんですよ?
魔法を使った後の予想以上の暴走は・・・。
レクは少し熱が出た程度でしたけど。
レクは僕よりも健康で、魔力の暴走も少なかったので8歳で学園に行きました。
学園が寮制で、しかも王都にある学園だったのでそれはもう、泣く泣くの別れでした。嘘ですけど。普通に悲しがりながらの素っ気ないお別れでした。僕意外の家族は泣いてましたが。父様に至っては号泣で。流石に引きました。勿論嘘です。
メシスさんは笑ってました。意味分からん。
そして、遂に僕も学園でびゅーが出来るようになったのです!
本音的には家に引き籠っていたいんですけど、家族が許してくれませんでした。ハア・・・。
で、明日から新学期という事なので迎えに来るはずのレクを待っているのですが・・・来ないです。
ああ、まさか見捨てられた!? んな訳ないですね。
本当は昨日来るはずだったのに・・・。
何だか寂しい・・・なんて心は既にありませんが。
「――レーイー!」
「・・・レク?」
何やら馬車から飛び降りて駆けてくる影が見えました。
こらこら、馬が驚いて暴れてしまっているじゃないですか。
操縦している人はいいとして・・・動物は優しくしてあげないと。
「久しぶりレイ! 会いたかったよ!!」
「僕もだよレク♪ ええ、と・・・7年振り?」
大分可愛い、からかっこいいに変わっているレクに驚きです。
7年も会わないと変わるものですね~。
てか・・・7年も会えないとか・・・嫌がらせですか学園め。
まぁ、今日は御出迎えという事で特別らしいですが。
「ね、レイヴェア♪ 用意はいい?」
「大丈夫ですレクヴィオ。何時でもOKなのがモットーな僕ですから」
久しぶりにくすくすと笑いあいます。
む。後ろからも不気味な笑い声が聞こえますね・・・。亡霊ですか。
「くっくっく・・・お久しぶりですレクヴィオ様。レイ様のお見送りに参りました」
「・・・お久しぶりです」
メシスさんとネルメさん。
ああ、やっぱ亡霊で合ってたみたいですね。むしろ亡霊よりも性質が悪い。閻魔様。
「では行ってきます」
「いってらっしゃいませ」
「・・・ではお手をどうぞ?お姫様♪」
「では遠慮なく」
ガシ と手を握る。
結構強く握ったのにレクは涼しい(?)顔なのが少し気に入らない。嫉妬ですかね? 何に?
頬を赤く染めたレクの差し出した手をとって、やっと追い付いた馬車に乗り込みます。
これから始まるのは(正直どうでもいい)青春の物語になるでしょう――。
多分そんな可愛らしいものじゃないと思うけど。
数時間前——
「ああレイちゃん!貴方まで私を見捨てるの!?」
「学園に行けと言ったのは母様ですけど」
「レクに続いてレイまで・・・学園なんて・・・学園なんてぇぇぇ」
「・・・泣きながら行く様に諭しといて泣きながら止めるんですか」
「しょうがないさレイ。ま、私も泣き落として止めたいところだがな」
「父様。父様に泣かれると(精神的に)あれなので止めて下さいね?」
「・・・うぅ・・・」
結局泣いた2人はメシスさんに託しました。その後は知りません。
ただ・・・あの時の悲鳴はなんだったのでしょう。




