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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
がきんちょ時代
30/145

30話 立派な天使ねぇ・・・あれ?基準が分からない。






「さぁ! 今日はパーティーよ! 折角レイちゃんとレクちゃんが起きたのだもの!」


「・・・了解しました」


「ふふ・・・畏まりました」



という訳でパーティーをするらしいです。


え?僕? レクと一緒に御布団さー。

《敏感察知》で結構離れた母様の声を聞いているのです。

べ、別に暇だからとかじゃないですよ?能力に早く慣れるためですよ?


『・・・の割には既に使いこなしているじゃないの』


あははー。暇で使いまくってたら自然と――


『・・・はぁ、暇だったのね』


むぅ・・・何やら負けた気分です。


『あ、そうそう。あの男の事なんだけど、あの男のパートナーの天使が貴方に会いたいって』


そうですか。では、成仏する様にお伝え下さい。

あ、僕に逆恨みは止めさせて下さいね?


『・・・純粋に貴方を見極めたいって言っているのよ。会って頂戴』


いいですけど・・・嫌に必死ですね?

どうせ先輩面して後輩の頼みごとを聞いて、引き返せなくなっちゃって、仕方なく嫌な僕に頼むのではなく、自然とそうなったと思わせたいのでしょう?


『な、何でそこまで詳しく分かるのよ・・・』


え、図星でしたか。

勘もたまには当たるものですね。

・・・まさかメシスさんは・・・・。


『・・・連れてきたわ』


まだ会うなんて言ってないんですけど・・・。


『・・・よろしく。新しい私のご主人様・・・』


『「は?」』


お、(透けてるけど)綺麗な人が居る。まさしく天使といった感じですね。

ふわふわの純白の白い神に白い質素なワンピース。そして銀の瞳に・・・天使の輪っか?


『ちょ、ちょっと何言っているのよオファニエル! ご主人様って・・・パートナーでしょ!?』


『・・・? 知らないの? この前から・・・パートナーじゃなくて主として接する事になったの・・・多分・・・』


『え・・・あ、そっか・・・私ずっと天界から離れてたから・・・』


『・・・うん。イオフィエルは居なかったね・・・』


・・・へぇ。天使様の名前ってイオフィエルっていうんだぁー。


『あぁしまった! てか其処は今関係ないわよね!?』


え? じゃあ奴隷として見ていいというところに着目してよかったの?


『え、いや・・・奴隷って・・・』


『・・・私は《月の天使オファニエル》。貴方に月の加護を・・・』


ほわぁぁぁぁ


薄い光が僕とレクの体を包みます。

この子・・・イオフィエルの言葉を無視したね・・・流石ですね。


『あーーと・・・僕も契約していいかなぁ・・・?』


『い・・・イロウエル。貴方まで・・・』


どちら様?


『んーと僕はね君たちのいう、別名がりがり君の天使~。オファニエルの主と一緒に居たけどー、今は君が主だしねー。 これからもよろしくねー』


まぁいいですけどね。

にしても・・・パートナーからのご主人様からの契約とは・・・どんどん変わっていきますね。


目の前のまた透けてるけど可愛らしい雰囲気の男の子(?)がくすくす笑いながら僕に手を翳します。


『僕は《恐怖の天使イロウエル》。君の恐怖の加護を~』


・・・え? 何かすっごく不安な加護を付けられた?

恐怖? 恐怖なの? そんな加護ゴミ箱に捨てたいんですけど?


『え~?もう遅いよ~くすくす♪』


・・・能力って憑いている天使の影響も大きく受けてますよね?

だからがりがり君の能力があんな恐怖を引きだすようなやつだったんですよね?


てかこの子・・・本当は堕天使なんじゃないの?


『これでも立派な天使だよー』


・・・なら堕ちた方がお似合いですよ?








『えーとね〜。恐怖の加護っていうのは、人の恐怖に敏感になったり〜、恐怖の感情に愉悦を感じたり〜』


「すっごくつかいようのないかごですね」


『やだな〜♪僕にとってはさいこーだよ?』


「・・・そりゃあきょうふのてんしですし」


『ん?今日、腑の天使?』


「ダジャレですか?いや、まあ、ちがういみの『ふ』ならあってるでしょうね」


心が腐った『腐の天使』ってね。わお、ぴったりだねイオウエル君。



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