3話 わぁい美少女さいこー・・・何で?
僕の前世の名は神凪蒼夜。
今の名前はレイヴェア=ティナノール。
つまりは見事に転生した訳だ。
しかも異世界に。
やはり好奇心盛んな(元)男の子にとってはいやっほーーーー!!な展開なんですけど・・・・
何で女なの?
・・・いやいや、マジで何で?聞いてないよね僕。何?新手の詐欺じゃないの?
・・・っ何でだぁぁぁぁぁ!!
閑話休題
まぁそんな事があって、この原因を作った糞ババァ――失礼、天使様様に怒りをぶつけたいお年頃の僕は今、5歳です。
長くて綺麗な蒼色と、蒼と碧のオッドアイの瞳。そして真っ白な肌――美しすぎる・・・。
別にナルシストってやつじゃない。もう一度言う、ナルシストじゃない。
特に意味はないけど2回言いました。
兎に角、そう思ってしまうほどの美少女なのだ僕は。
やはり天使様が言っていた様に、神の力が作用したのだろうか?
なら男にしろよ。気が利かない力だな、ハッ。
と、まあそんな口の悪い僕だけど、表面上は御淑やかな僕っ子で通ってる。ん?僕っ娘か?
んで、僕は色々と恵まれている――と思う。
良く分からないが結構な名家らしいし、両親共に凄腕(色んな意味で)。
歳の離れた兄も凄いらしい。知らないけど。
恵まれているというと、一番はやはり僕の才能だろうか。
ナルシストじゃないよ? あ、また言っちゃった、てへ♪
・・・今どき「てへ♪」って・・・寒気が・・・。
「ん? レイどうしたんですか?急に震えて。」
あ、ディオネス兄様。
そゆえばお出かけ中だったっけ?
はははめんごめんごー。存在消してて。
「いえ、なんでもないですにいさま。」
「そうですか?何ならおんぶしますよ?」
「ん・・・おねがいします。」
よいしょっと・・・。
やっぱ僕には甘いな兄様、フッ。
僕の家族は僕に甘いのだ。この美貌故だろうか――なんて溜息を吐いたりできるのは恵まれた者の特権なんだろうな~。とか思ったり。
だが、僕だって自分の転生した理由を忘れた訳じゃない。
ほら今日だって兎に角戦えるようになろうと・・・
「――ね、にいさま。そろそろまほうを――」
「駄目。レイにはまだ早いからね。」
って、魔法の教えを乞うて一刀両断されているだろう?
全く、中々しぶといな兄様。
でも、このままでいる気は僕にだってない。
例え世界が今でも嫌いだろうと、転生したんだ。
新しい世界で生きるんだ。
どっちにしろ何時かは戦えるようにならないといけないだろうし、僕だって元は男の子だ。戦いには興味満々なのだ。だから早く教えやがれこの兄様め。
なんて毒づく僕に兄様は気付かない。
この鈍感め。この・・・っ・・・。
世界が嫌いな僕。
でも・・・家族は嫌いにはなれなさそうです。
兄様を罵倒する言葉が中々出てこないのがいい証拠ですね、はい。
何だかんだで僕は家族が好きみたい。
でも勘違いはしては駄目だよ?
僕は今だって・・・
世界を滅ぼしたいほどに世界が嫌いなんだから。
そういえば天使様は今何処に居るんだろ?
パートナーとかほざいていたけど・・・どっかででも監視してんのか?
それならもうおばさんとは言えないな。
だって「おばさん」よりも「ストーカー」って言葉の方が当てはまるもんね。
ああ、繋げて「ストーカーおばさん」とかでもいいな。
んじゃ心の中ではそう呼ぶ事にしようあの天使様。
「今日は本当にどうしたんですレイ?顔がにやけているよ?」
もう。クックックって笑わないで欲しいものです。悪役ですか兄様は。
残念ながら僕の家族に悪役は存在しませんよ?
――ああ、そうだ。僕が生まれた時の話は聞かないで下さいよ?
大変だったんですから。
ぼんやりとはいえ意識があって、そこに、誰もが子供の時に体験する行為をされたんですから。
まあ聞いても意味ないでしょうがね。
記憶から抹消したし。
あーやっぱ世界って嫌いだなー。
美少女♪美少女♪
一番好きなキャラです♪




