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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
がきんちょ時代
29/145

29話 んん?意外と僕って無敵じゃね?・・・はい、調子乗りました。






ゴボゴボ


『いーーやーーーたーすーけーてー』


棒読みで叫んだ僕はそこで目を覚まします。

はい。普通に溺れた夢を見ました。

べ、別におねしょとかではありませんよ!?


「・・・レイ」

「・・・おきたんですねレク」

「どっちかっていうと、いまおきたのはレイ」

「ですねー」


レクが起きていた様です。

しかも顔を覗き込んでいたとは・・・驚きです。


「レイ・・・いきてる?」


「む。しつれいですねレク。ちゃんとぼくはいきてますよ」


ぼろぼろとレクの目から出ているのはただの水です。

ちょっと塩入りのしょっぱいただの水です。

え?塩入りなんだから塩水なんじゃないかって?いえ、ただの水です。そこは曲げません。


「・・・だいじょうぶですよレク。ぼくはレクの――」

「・・・レイはぼくの――」


「「はんしんだから」」



・・・わーい。はもった。

・・・何で?


「ふふ・・・なんかそんなきがしたんだー♪」


嬉しそうですね。まぁ僕も嬉しいですけど。


「レク。もうだいじょうぶなんですか?」


「・・・うん。レイはここにいるからね」


むぅ・・・何やら気恥ずかしい・・・。

レク。女たらしにならないか僕は心配ですよ。


「あ、かあさまやとうさまにあいにいってくるね!」


「はい。あ・・・レク、もうだいじょうぶなら、ぼくはもういいですか?」


「え?・・・あー・・・いいよー。すぐかえってくるからね!」


パタパタと元気に駆けて行くレク。

僕はそのままベッドに倒れこみます。


「あー・・・ごほごほ・・・またかぜですか・・・」


つまりはまた病気になった様だということです。

レクは直ぐに気付いたみたいですね。もうそれが普通になってますけど。


ざわざわ


「・・・」


ざわざわ


「・・・」


ざわざわ


「・・・なんですかこれ?」


『神候補の1人――ルイセク=マリクの能力《敏感察知》よ。気配とか危機とかを敏感に察知する力。人の気配と話し声に敏感になっているのでしょうね。そのまんまね』


おー天使様の声が杖からー・・・遂に化けて出ましたか。


『昨日の事忘れたの!? 私、杖になったのよ!?』


ああ。そういえばそんな事もありましたね。僕も歳の様です。


『まだ7歳でしょう・・・』


前世含めて22歳です。


『そうね・・・。と、兎に角、あの男が死んだから能力は貴方に受け渡されたのよ。あの男が死んだ原因は貴方なんだし』


そうですか。ルイセク=マリクというのは?


『あの男が殺した別名がりがり野郎よ。ついでにあの男の名前は――』


興味ないです。てか、がりがり野郎が別名と認められるのですね。

せめてがりがり君で。

ん?どっかで聞いた名前ですね?どうでもいいですけど。


『神候補を殺せば、その人特有の能力を受け継ぐ事が出来るのは知ってるわね?あの男は、貴方から受けた恐怖に耐えられなくて首を吊ったわ。そういう場合は、その死の原因となった神候補に能力が受け継がれるのよ』


便利ですねー。


『・・・男の死因については無視なのね。貴方らしいわ』


いえいえありがとうございまーす。

さて、あのおじさんのおかげで能力は増えましたねー。神に一歩近づきましたね♪


えーと・・・能力は・・・



がりがり君・・・《敏感察知》《最悪な幻》 逃げ腰の能力ですねー、今思うと。


おじさん・・・《神聖なるベール》 ・・・他に無かったんですか?いえ、他意はありません。


もともとの僕・・・《精神接触》《絶対なる支配》



総合・・・《敏感察知》《最悪な幻》《神聖なるベール》《精神接触》《絶対なる支配》



ですねー。


気配探る事が出来てー、絶対守護(?)があってー、精神に干渉出来てー、命令したら実行させる事が出来てー・・・あれ?


・・・既に最強なのでは?









ルイセク=マリク


「・・・ごほごほ・・・おお母さん。僕は、僕は・・・」


どがぁぁ!


「「!!」」


「はっはー!みっつけたぜぇ!?」


「ひぃぃ!」


「あぁ!ルイセク!私を、母を、をおいて行かないでおくれぇぇ!』


「待ちやがれがりがり野郎!」


「・・・あ、なんだ。狙いはルイセクかねぇ。・・・ルイセク、立派に生きておくれ!」


「かあさーーんっ!?」


「ルイセクゥゥ!」


「まちやがれぇぇぇぇ!」


「うわぁぁぁん!」



ていうカオスな出来事があったとか無かったとか。



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