27話 靴、って踏まれるものですよね。
隣で心地よく眠るのはレク。
それ意外は僕にとってあり得ません。
なので、この至福の時を邪魔する者は嫌いです。さっさと消えてください。
『・・・私、パートナーなのに・・・』
役に立っていればよかったんですけどね?
『うぅ・・・辛辣だわ。言い返せない私が憎い・・・』
その憎しみに呑まれて闇に呑みこまれてしまえばいいのに。
『・・・容赦ないわね、ほんと』
僕のレクを巻き込んでしまった原因は貴方でしょう天使様ぁ?
・・・そういえば、パートナーって意味あるの?ないでしょう?絶対意味ないよね?
『遠まわしに要らないって言ってるわね貴方。 パートナーっていうのは謂わば監視役の事よ』
やーな響きですねそれ。
てか天使様はその仕事、果たせてませんよね?
パートナー失格じゃないですか!それは大変!
天使様が神の怒りを買ってあんな事やこんな事をされてしまうのですね!(やっほーい♪)
『・・・心の心の声が聞こえたわ。どうせ私は天使失格ですよぉーだ!しょうがないじゃない!
転生はさせないといけない状況にあったし、貴方が私を怒らせたせいで手続きし忘れたし・・・』
ん?後半は責任転換ってやつじゃないのか?てか八つ当たり。
前半は僕が世界を滅ぼしちゃったせいとして・・・て、あ!
『ぐす・・・何よ』
「そうですよ! ぼくのちからでせかいはほろぼせるんですよ!」
ならわざわざ神になる必要はない!
この力でさっさと世界を――
『ああ、それは無理よ』
「・・・なんでですか?」
うっわー空気読めねー奴。まじ空気読めない~。その読めない空気に謝れ。そして逆上されて窒息死しちまえ。最後には空気の藻屑となって空中を、今の様に漂ってしまえ。・・・あれ?漂われると、僕達が吸う事になっちゃう?・・・世界の人類、鳥類、爬虫類、哺乳類、両生類、魚類、その他生物(居るっけ?)、植物の全ての空気を必要とするものの、邪魔にならない空気と化せ!
『・・・貴方は世界を滅ぼせる力を持ってしまったし、実際に滅ぼしたわ。そんな力を神が見逃すはずがないでしょう?』
む。僕の言葉を全部スル―するとは・・・僕のどうでもいい努力を返せ!別に要らないけど!
『・・・まぁ、そういう事だから、神は貴方の力に制限を掛けたのよ』
「・・・なんてちいさなことにこだわるひとなんだ――くぅ・・・」
『世界の大きな危機よ?何でそれが小さい事となるのか、そっちの方が気になるわ。にしても・・・今、口調が戻ってたわよ?いいの?』
「お? ・・・なんてちいさなことにこだわるひとなんでしょう――くぅ・・・」
『・・・いや、言い直さなくても』
天使様がもう疲れている様です。
・・・帰ってくださっていいですよ?
『なるほど。さっさと帰れ、と。もう貴方の扱いには慣れてきたわね・・・嬉しくないのだけど。
でも残念ね。私はパートナーとして貴方といる義務があるの。だから私は帰らないわよ?』
還れ。
『・・・天使だから死なないわよ! もう! 何なのよ貴方は! 兎に角、私は貴方が持ち運べる姿になるから、何がいいか言いなさい!』
では、靴。
『踏む気満々!? 貴方そっち系の人だったの!?』
知らなかったんですか?
ですが、靴を馬鹿にするのは許せませんね。
靴というのは――
『どうでもいいわよ! あーーもうっ! いい!? 私は杖になるからね!』
いいですけど・・・僕、まだ子供ですし、杖はまだ――
『魔法を使う時に使う杖の方よっ!こういう世界なら!決まってるでしょう!?』
・・・分かりました。
『――っ・・・はい! ・・・ふぅ・・・話せば、話すわ。もう私は疲れたのだから、今日は話しかけないでね・・・』
了解しました、と・・・もう寝ている様ですね。
僕は綺麗な杖を手に入れました。
さて・・・何処に捨てておきましょう?
『――捨てないでっ!?』
どこの別れを宣告された彼女ですか。
「つえですかー。なんのおもしろみもないですね。そこはおおきくでて、ごうていにでもなってくださればうれしかったですのに」
『動けないじゃないの。てか、ずっと一緒に居れないじゃないの!』
「や・・・そんなあついこくはくをされましても・・・///」
『してないわよっ!』




