25話 おお。文字って凄いですねー。
「うわぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
「レクちゃんっ! レクちゃん!」
耳の残るのはただ苦しみの悲鳴。
レクはまだあの幻に囚われているのでしょう。
「レイッレイッレイィィィィィ!!」
今行きますよ、っと。
「レク」
「う、わぁぁぁぁぁあ、ひ、ぎぃレイィィィ!」
ふむ。声が聞こえていない様です。
「っレイ!大丈夫なのですか!?」
「れ、レイ!?」
「れ、レイちゃん・・・。起きれたの?」
「はい。おさわがせしました」
レクの事で焦っていたからかまさかの訪問者にびっくり、って感じですね。更に混乱中の様です。
まぁ、それはそうでしょう。
大丈夫だと思っていたレクの状態が良くなくて、そのレクよりも深刻だと思われていた僕が何時も通り冷静なのですから。
「・・・レク」
レクの暴れている体を抑える事はなく手を両手で握ります。
む。落ち着きませんか。
こつん
とレクと額を当てて目を閉じます。
「・・・のうりょきゅ――」
噛みました。小声で言っていて心底ほっとしますね。聞かれてたら恥ずかしいですし。メシスさんが笑っている様に感じたのは気のせいという事で・・・お願いします。
で・・・
――第2の能力発動、《深層接触》――
まぁ、つまりは2つ目の能力を使いました、と。
どぼん
という音と共に目を開けると、わお・・・暗闇でした。
僕の精神がレクの中に入れたと喜んでいいのでしょうか?
『・・・レク?』
嫌に木霊します。
あ、別にレクの中が嫌ってわけじゃないですよ?
『い、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!』
お、レク発見。
そうとう苦しそうです。
僕の心も凄く苦しいですよー。 ・・・これほんと。
レクの前にはスクリーンみたいなのがあり、そこに映っているのは・・・僕です。
すっごーい。僕ってば有名じーん。とかはしゃげる様な無いようではないのは当たり前ですね。
だってほら・・・殺されてますし。
映像の中の僕ってば・・・すっごくひ弱だなー。オリジナルもだけど。
まぁつまりは精神のレクはそれを見てるわけで、子供の精神なのによく耐えられるなーとか思うわけで。
ざしゅぅ
お、映像の僕が切られた・・・いや、斬られた。お?
文字っていいねー。字を変えるだけで状況が分かっちゃうんだし。
お?気付けば精神体である僕の体にも無数の切り傷が出来てます。
・・・さて、そろそろ助けないと、僕の精神もやばいって事ですね。
『・・・レク。ぼくはここ。ぼくを、ぼくだけをみて?』
言うのはそれだけ。
レクになら伝わるという自信――確信があった。
だってレクは僕の半身で――
・・・? 確かに双子だから半身だけど、どうして僕はそう思った?
『・・・』
『・・・レ、イ?』
あ、レクが映像の僕ではないオリジナルの僕に気付いた様ですね。
『さぁレク。ぼくといっしょにかえりましょう』
そして光が差し込みました。
云わばこの暗闇の出口。
さあ、行きましょうか。
レクの精神世界でのif
『レイ・・・レイィィ!』
『はいはいいまたすけますよ・・・っと?・・・は、はわわ///なんていやらしいものをみせてるんですかっおじさん!!』
なぁーんて。




